double teachers sySem

芦塚先生とI先生のdouble teachersのlessonです。double teachersとは言っても、時間の都合上、I先生hk君(中1)のlessonをビデオに撮影してもらい、それをcheckしてメールでlectureするという形をとっています。そのために、checkはその場で対応するのではなく、事後に説明し、次回のlessonに反映させるというsySemです。

I先生はまだ子供に対しての指導経験がありません。また、男性という事で、比較的に指導が楽な小学高学年から中学生の男の子の指導をお願いしました。Hk君はピアノは副科です。という事で、主科の楽器は練習も上手く行っていて、かなりlevelが高い演奏が出来るのですが、どうしてもピアノに対しては意識が育ってなく、練習も中々してくれません。ピアノも主科の楽器同様に、意識を持つ事、そこいらが彼のこれからの課題だという説明が、担当の先生から、事前にありました。

 

 

Burgmüller

21番 天使の合唱

22番 バルカローレ

Sent: Monday, March 24, 2008 9:29 AM
Subject: 23日ピアノ

 

メトロノーム (四分音符=72)で通して弾けること、ペダルをつけるというのが本日の内容。
一箇所コーダに入る部分のつなぎが迷ってしまった。本人いわく「右手が迷った」と宣言したので、一緒に確認し、練習。
ペダルはどの拍で踏み変えるのか説明して記入。

まずペダルと左手だけをやってみる。出来たら両手でやってみる。

ペダルには結構興味を持ってる様子で、ブルグミュラーでペダルを使うのは今回で3回目と言っており、私が予想していたよりもペダルのタイミングの理解は早かったでした。
ただ通して弾くのも現段階ではぎりぎりの安定性なので(頭ではポイントを記憶してる様子だけど、まだビートに乗って対応する余裕がない)、ペダルを使った場合それが保てるか注意したいと思います。ただ前回の指やポジションの確認のレッスンから3日しか期間がなかったので、次回(本人がどこまで進みたいかを含め)様子をみて、テンポ上げや強弱をやっていこうかと思います。

順番では次の曲は「舟歌」なのですが、多少難しいので、「帰途」に進もうと思っていたのですが、本人が進んで「舟歌」を譜読みしてきた。音の間違いが多いのでその場でチェック。
タランテラも8分の6拍子だったけど、二拍子取りで練習したので、このようにゆっくりになると拍がとれない部分が出てくる。

8分の6拍子の場合の付点二分音符が「何拍か?」と尋ねたところ「分からない、全音符?」と答えた。
一段目のビートの解説を書き込みながらしましたが、時間の都合上、充分ではないので、次回も拍子取りの練習をやる予定です。
言われなくても先を練習してくる子供の場合、それはやる気があってよいことだけれども、間違った練習をしてきてしまうと直すのが大変なので、常に先読みして課題を与えることが大切で、芦塚先生のように先に練習の仕方、ポイントの説明を与えておく必要があるとS先生からご指摘を頂きました。  

 

2008/03/28 (金) 16:51

Hk君のレッスン:Burgmüllerの天使の合唱

今日の朝から、先週の日曜日のI先生のhk君のレッスンテープを、見始めているところです。

まだテープの最初の、2.3分しか聴いていませんが、ちょっと気になるところがありましたので、ビデオを見てcheckするのを中断して、先にメールに書いています。

とりあえずは、まず二つの問題点を押さえて置きましょう。

 

まず第1点は打鍵のときの手の型ですが:

手の形は、なかなか丸くなって良くなってきたと思いますが、打鍵の時の5の指の形が、鍵盤に対して指の腹で接しています。

勿論手が7度以上に広がる場合には致し方はありませんが、5度、6度までは指の先端で爪の外側の部分が鍵盤に接しなければなりません。

また、(解剖学的には間違えた言い方になりますが)指の第一関節が弱く、へこんでしまっています。本来的な筋肉の鍛え方は、柔らかいゴムまり(テニスボールのような)をギュッと握りしめておくだけでよいのです。何回も握る必要がないのです。

この訓練はピアノだけでなくチェロに対しても効果的なので、ぜひhk君に説明してあげてください。

小さい子供で手が柔らかい子供の場合には、この第一関節が反り返る、ということは非常に多く見受けられます。

内側の筋肉の弱さからくるものなので、神経的に注意するだけでは治りにくいし、かといって放置してしまうと、大きくなって手がしっかりしてきても、その後遺症が残ってしまいます。

そういった初期教育に失敗した音大生を数多く見受ける事が出来ます。

 

第二点は教材の問題です。

全音や音友などの出版社が新しく改訂版を出すたびに、楽譜上の指使いなどに修正があり、作曲者の意図や子供に教えなければならない基本的な運指法が、個人的な校訂者の感情的な指使いになっていたりします。

いちばんベストな解決法は正しい指使いで書かれた、楽譜を探すことでしょうが、出版社は常に新刊の楽譜を1番売りたがりますので、校訂もしょっちゅう変わってしまい、指使いや微妙なarticulation等も、そういった楽譜がすぐに手に入るかは問題です。以前にベストチョイスと思って推薦していた楽譜が、いつの間にか別の先生の校訂になってしまっていて、fingering等も普通になってしまうということです。

 

[左手12小節目から16小節目までの指使い]

特にこの楽譜では左手12小節目、4拍目の2-1から13小節目の1拍目は3の指になるように指定してあります。

Hk君ぐらいの中学生の手の大きさでしたら3の指でも全く問題は無いのですが、3,4歳児の小さな子供の場合には、正しい手の型では、3の指は届きません。Hk君の場合には問題はないのですが、今後のために、一応覚えておいてください。

13小節目が3の指で始まったとして、当然、14小節目のドの音は1の指になりますが、15-16小節目の左手は半音階で「狭」で進行するので、16小節目のシの音が1の指になります。大人にとっては、当たり前の指使いでも、この段階の小さな子供の場合には混乱を招きます。

何故?と思われるかもしれませんが、先生が説明して、子供の混乱を防ぐように対処が必要な箇所です。

でも、ビデオをcheckする限り、Hk君の場合には年齢が大きいということよりも、最初から指使いをまったく守っていません。

13小節目は5の指でスタートしています。

当然2回目の15小節のラは指使いが違っているはずです。

そこのチェックは出来ていますか?

私があえてそこの所を指摘しなかったのは、ミの音をshiftするとすれば、5の指の方が基本的指使いだからです。

でも、そうすると、15小節目では、指使いを代えなければなりませんよね。そこのcheckが必要だと言う話です。

もし、指使いを子供に任せるとしても、先生が、その指使いの意味を分かった上で指摘しないのと、分からないで指摘しないのでは、それからの指導力に雲泥の差がつきます。

基本とは、正しい姿勢と正しい指使いのことです。

先生に対して私達が「楽譜を覚えてください。」と言うのは、先生が楽譜を必死に見ていては、そういった子供の指使いのちょっと間違いを指導者が見逃してしまうからです。

エチュードは作曲された当初は、正しい運指法が守られるように最初からその意図を持って作曲されています。

しかし今日では、自由な規則性の薄い、むしろ個人的な感情的な運指法の方が主流を占めています。私が先生や生徒たちから「何版を買ったら良いですか?」という質問に対して、よく「何版でも良いですよ。」と答えるのは、いずれにしてもlessonでは、その楽譜を生徒に合わせて、訂正しなければならないからです。

まあ、訂正の箇所が少ないもの探して、生徒に買わせるのも手ですが・・・・。

 

[楽譜が訂正されたときの考え方]

この天使の合唱の30小節目の左手のミ♮の音は、私としてはミ♭であったとしても、楽典的には問題ないのでどちらの音でも構いませんが、発表会などの演奏会では一般の人たちが旧バージョンのミ♭の音に慣れてしまっているので、hk君が間違えて弾いたような風に思われてしまうので、ミ♭のままの方が先生の配慮としては良いと思います。(Mozartが愛用したコード進行の、フランスの56とドイツの56の和音の違いです。ちなみにMozartは両方を使用しています。)

 

[弾けなくなった原因になる小節は・・(vorbereit練習について)]

2回目のメトロノームを入れての通し弾きについては、4小節目辺りからメトロノームを感じられなくなってしまっています。

ここら辺のパセージでhk君がメトロノームを聞けなくなるのは、前回、前々回のレッスンでも同様です。これはどういった原因だと思いますか?

またどうすれば直ると思いますか?

その原因が分かっていて指導するのと、只、先生が生徒と一緒に練習するだけなのでは、生徒の上達に雲泥の差が出来ます。

Hk君がメトロノームが間に合わなくなる4小節目は鍵盤上に手を置いておける最初の3小節目から両手とも突然に動いてしまうpassageなのです。3小節目では右手だけが動きます。4小節目は両手が同時にpositionが動いてしまいます。そのpositionを目で探してしまうので、メトロノームが聞けなくなってしまいます。メトロノームを聞こうとすると、逆に音(shift)が取れなくなってしまうのです。右手の4小節目はすり替えをさせます。そうすると、音が飛ぶのは左手だけになるからです。後は、メトロノームを使って、vorbereitの練習をします。音を出す前に、ちゃんとshift出来るようになったら、メトロノームが崩れることはなくなります。

 

24小節目の「1.括弧で崩れるという事ですが、原因は、3小節目、4小節目の指導が上手く行っていないのがげんいんなのです。19小節目、20小節目とメトロノームに合わせられなくなってしまって、それが21小節目を過ぎても立ち直りが出来ない原因になっています。

でも、24小節目は、実は8小節目と全く同じパッセージです。

それが2回目の繰り返しで3拍目からcodaに入ります。

当たり前の事なのですが、しかし、繰り返しの有無は音大生でもよく間違うことがあります。

今演奏しているのが、1回目か、2回目で、「2.に行かなければならないのか、事前にしっかりと把握して演奏しなければなりません。しかし、hk君にとっては、19小節目からメトロノームと合わせることが大変になってくるので、24小節目のそこのターニングポイントの音では、今、何回目か?或いは先に行くのかの意識がすっかり抜けてしまっているのです。ようは、「それどころではない!」という事でしょうかね。

それがcodaがメロメロになった原因の一つです。

つまり最初の4小節目から見られたメトロノームの拍のずれが正しく指導されてないままに先に行ったので、ターニングポイントで積もり積もって、崩壊してしまったわけです。

 

[tempoを見失っているのにcheckがなされていない・・・(tempoにbeatの意識がない)]

Piu lentoの後の4分音符なのですが、ビートのない4分音符が出てくるのは初めてなので、拍子を見失っているのです。4分音符や全音符なども含めて楽典的に攻めてみるのもよいと思います。

分かり易く説明すると、29小節目迄は、beatは3連音です。だから、hk君がこの曲をC(四分の四拍子)で感じているか(数えているか?)は疑問です。それなのに、突然、Piu Lentoで4拍子取りをさせています。

つまり、3連音の4拍子と2分音符の4拍子はhk君にとって整合性がありません。ひょっとしたら、29小節目からの移り変わりを譜例のように、とんでもないbeatで感じているかもしれませんよ。

或いは、29小節目を3連音のbeatで感じて、次の4分音符を、8分音符が2個で4分音符になると勘違いしているかもしれませんよ。この勘違いが原因で30小節目でtempoを見失ってしまうのです。

同じbeatの勘違いによる間違いはBeyerの74番の最後の小節とかでも、全く同じ間違いをよく見受けることが出来ます。

 

 

[フィンガーペダルについての説明]

coda以降の右手4分音符の伸ばしはちゃんとできていますが、アルペジオの4拍目に出てくる4分音符は伸ばすことを全く忘れています。

25小節からの左手1拍目、2拍目は書かれたフィンガーペダルといいます。

当然1小節目から本来は書かれていないフィンガーペダルで弾くべきですが、(armoniosoという指示があります)それは、子供達がBurgmullerをどのNiveauで勉強してるかにもよります。

ですから、副科であるhk君は当然フィンガーペダルは学んでません。

しかし右手4拍目の音が4分音符で書かれているのは、フィンガーペダルのなごりであるということを説明しておくと、興味を抱かせることが出来ます。

 

[模範演奏のtempo(模範演奏のtempoは必ず生徒が演奏出来るtempoでなければならない)]

ほとんどの先生が同じようにやることですが、子供に演奏して聴かせる時には、子供の演奏しているtempoではなく、はるかに速い速度で弾きまくることです。

子供はそうすると、「速いtempoで、弾きまくることの方が良い。」という勘違いをします。

一般のコンクールなどで良く見受けられる、細部が全くできていないのにかかわらず、指だけですごい速さで弾きまくる・・・というような生徒が出来上がってしまいます。

そうなると正しく指導するのはとても大変です。

なにせ、指に任せて、音を聞こうとしないのですから!

 

ですから子供の指導時には、子供の弾いているtempoで(若しくは、生徒に弾かせたいtempoで)丁寧に模範演奏が出来ないといけません。

これは、ピアノのI先生には、楽器も違うわけだし、関係のない話かもしれませんが、一般的なヴァイオリン教室の先生達は、子供に模範演奏する時には、先生は自分のヴァイオリンで子供の曲を聴いて聞かせます。

しかし、私達の教室の先生達は、子供の分数ヴァイオリンをその場で借りて、模範演奏をします。

父兄は先生が自分の楽器で弾いた場合には、「先生の楽器がいいから・・」としか思いませんが、子供の分数楽器で先生が模範演奏した場合には、「こんな小さな楽器でも、先生が弾くといい音がするんだ!」と驚きと畏敬の念で先生をみます。

子供達も自分の楽器が、こんなにもいい音がするのだと思い、楽器を大切に、練習に励むようになります。

こういった何気ない事にも、細かい配慮をしています。これも生徒に対して(保護者に対して)の価値づけの一環です。

 

 

追記:

[レッスン時間と構成(lesson時間が伸びるという事)]

この話は(一般の教室の先生達にだけではなく、私たちの教室の先生たちにも良く注意していることではありますが)、まず子供がどの程度練習して来たのかを通し弾きをさせて確認しなければなりません。

子供が弾き始めたら、最初に間違えた所をいきなりlessonを始めてしまう先生が多いので、困ってしまいます。それでは、本当のその日のlessonのpointが分からないままにlessonをしている事になります。だから、先生は先ず、生徒が一週間どういった練習をしてきたかをcheckすべきです。

最初の通し弾きをさせている間に、その日の練習のポイントとなる個所、何カ所かを選択し、それぞれの個所の指導のポイントと時間配分を頭の中で構成します。

必要あれば宿題の解説や、事前の予習練習も時間の枠の中に入れておかなければなりません。

仮にAからCまで練習の箇所があったとします。

仮に順番にA,B,Cと練習をさせたとして、時間を持て余しだからと言って、AやBに戻ってはいけません。

子供や父兄に対して、だらだらしたしまりのないレッスンのイメージを与えてしまいます。

時間内に教える量が多すぎて全部を指導出来なかったとしても、それは悪いことではありません。

必要性を感じるのならば、親はレッスン時間の延長を必ず求めてきます。

「30分のレッスンを45分にしてほしい。」そういった申し出は、レッスンが非常に上手く行っている証しでもあります。

そのためにも、指導者は決められたレッスン時間は必ず正確に守らなければ行きません。

もちろん次の時間に生徒が居るか、居ないかという問題だけではないのです。

時間の正確さに対しての価値観は、父兄と先生たちとは微妙な違いがあります。

レッスンが上手く行ってレッスン時間が5分余ってしまったとか、逆にあと5分で生徒に今日のレッスンのすべてを伝えられるという事が、そのまま先生側の配慮や親切心とは受け取られない事が儘あるのです。

 

[レッスン時間が延びる事に対しての、父兄の受け取り方とその実例]

以前、私が経験した事では、(コンクールや)発表会を直前にした生徒の曲の仕上げが間に合っていないので、時間を15分ほど伸ばしてあげて、レッスンをしていました。

そのとき母親は家に電話をして「まだ終わらないのよねえ~!」と私に聞こえるように、これ見よがしに、家族に電話をしていました。

私も、他の生徒の時には、レッスン時間を正確に守ります。

時計がないのに、レッスンが30分やぴったり1時間で終わるので、父兄が驚いていたことがあります。「先生はどうして、そんなに正確に時間が分かるのですが?」仕事に追いまわされて常に時間を気にしながら動いてる人には、かなり正確な体内時計があります。

今現在、私は、病後のリハビリの関係と欝で眠れない(睡眠障害)のために、起床時間も目茶苦茶ですが、それでも仕事等で予定の決められた時間には、目覚まし時計などをセットしなくても、ちゃんと起きることが出来ます。

 

父兄にとっては、たとえ自分の子供の曲の出来がいくら悪かろうと、親達とっては家族の食事の準備や明日の子供の学校への準備などの方がもっと大切なのです。

時間内に必要な情報をきちんと子供に指導出来ない(時間内に教えられない)のは、『先生の能力不足』としか考えないのです。

私がまだ大学で勤めていた頃の話ですが、大学の付属音楽教室で教えていました。

生徒が30分ごとに入れ替わり、立ち替わりくるのですが、レッスンが終わって必ず話し込む父兄がいました。

当然、次の子供のレッスン時間にずれ込まないように、その生徒の時間を早めに10分ほど切り上げていたのですが、それでも2.3分、次の子のレッスン時間にずれこむことがありました。

それで学校からお叱りを受けて、仕方がないので、その話こむ親のレッスン時間を、(子供がまだ小学生、低学年で、ちょっとかわいそうだったのですが)レッスン時間の1番最後にして、少々レッスン時間が伸びても、他の子には影響がないようにして、事なきを得ました。

勿論、先ほどのコンクール組の女の子はとても良く勉強してくるので、レッスン時間が足りなくなることがままあるので、他の子供達への影響がないように、レッスン時間は最後にしていました。

それで、コンクール直前の最後のレッスンにかかわらず、そういったことを母親が言ったのです。

私が本当に親切心でレッスンを少し余分に見てあげたのですが、「時間内に指導出来ないのは、あなたの実力不足でしょ?」と言われた気がしました。

それ以来、正確にレッスン時間を守るようにしたのですが、先ほどの父兄はすぐに、「45分レッスンから1時間レッスンに変えてください。」とか「追加レッスンをしてください。」とかを積極的に言ってくるようになりました。

私が時間を正確に守ることで、逆に父兄の時間に対する価値付けも出来たように思います。

これはまた別の話ですが、学校の音楽教室では時間が学校側によって定められていますので、私達先生側の立ち入る事は出来ません。

ですから、レッスンの時間内にアンサンブル(連弾)の授業を子供同士で組み込みたいと思ったのですが、30分のレッスン時間ではとても無理でした。

レッスン時間を延長する事はそのままレッスン代を上げる事に繋がります。

まだ、教え始めたばかりで、そこまでの意識がない生徒や父兄にとっては、それは負担と感じてしまいます。

と言う事で私が取った苦肉の策は、子供同士のレッスン時間を、その生徒の前の子供で、その子供よりも下手な子を5分前に来らせて、その子供のレッスンの最後の5分から連弾の勉強を次の生徒と一緒にやります。

そして、次の生徒の始めの5分までするのです。

それから通常のレッスンをして5分前に切り上げるとそこに、その子供より上手い次の生徒が来るのです。

そしてレッスン最後の5分と、次の生徒の5分で都合10分間連弾をします。

これは、先生が連弾の相手をすると子供は先生にくっついて合わせてきます。

アンサンブルは常に上手い人がリードをする形になります。ですから常に先生とアンサンブルを組むと、子供は自主的に音楽を作る事が出来なくなります。

それではアンサンブルの練習にはなりません。

ですから、その生徒よりも下手な生徒と組むとその生徒をリードする事になり、上手な生徒組むとリードされる側になります。

それが教育的な配慮です。

しかも、生徒は前の生徒から5分と、次の生徒から5分を貰う分けですから、30分レッスンなのに40分のレッスン時間を貰うことになります。

しかも教える先生はレッスン時間は変わらないのです。

つまり、定められた枠内で、工夫すればちゃんとアンサンブルの教育も組み込むという事が出来るとのです。

 

[クライアントに評価されない努力はしてはいけない]

私が良くS先生に注意することがあります。

S先生はとても生徒思いで、教育熱心なのですが、私が彼女に心配しているのは、そういったひたむきな努力が、相手の生徒の保護者や生徒自身にそのまま伝わっているであろうか?・・という1点です。

S先生には、「相手から認められない努力、評価されない努力は、ただの徒労にしかすぎない。」ということを、常に注意しています。

勿論、大半の指導者たちは、逆にその努力が足りなくて、私たちを怒らせているのですが・・・・。

 

いずれにしても、Iさんの去年の夏ぐらいまでの指導からみると、レッスンの時間分配や指導のポイントの指摘なども別人のように上手に出来て来ています。

後は指導の為の小さな色々なテクニックを身に着けると、生徒の指導に対しての自信が付いていくと思います。

 

2008/03/28 (金) 18:42

追記:Barcarolle

[片手で弾けないものが、両手で弾けるわけがない。]

「天使の合唱」がvideoで29分掛かっていたので、lessonは「天使・・」だけだったのかなと思っていました。

DVミニの後半にバルカローレが入っているのは気がつきませんでした。

・・・と言う事で、夕方再び確認してvideoを見せてもらいました。

天使の合唱のpiu lentoの4分音符のところのリズムも拍子感を見失っているようですが、同様にバルカローレもimageだけで弾いていて、正しい8/6のrhythmが取れていません。

そのような状態で(譜読みもろくすっぽ出来ていない状態で)両手でいきなり合わせてくるのは、いかがなものか?

「左を制するものは・・・」の文章でも分かるように正しい左手の弾き方を指導してください。

左手が引きずらないように、べたべたしないように、軽やかなrhythmで引かなければなりません。それでいてちゃんと大きなゆれるような2拍子を感じられるようにしてください。

ちゃんとBarcarolleのrhythmとtempoになるように・・・・。

私の方針は、「片手で弾けないものが、両手で弾けるわけがない。」と言う言葉に表されていると思います。

本当は、この言葉は私がピアノを指導する時に、上級生の生徒に対してよく言う言葉です。

実は、私がこの言葉を使うときには、生徒がちゃんと両手で曲をミスなく弾けている時が多いのです。

曲が弾けている・・という事と、本当に曲を理解して演奏しているかどうか・・・と言う事は、全く別の話です。それは片手で弾かせてみると、よく分かります。

両手で、ちゃんと弾けていたとしても、片手だけで曲を弾かせると、全く弾けなくなったりします。

その時に私が良くこの言葉を使います。「片手で弾けないものを、両手で弾けるわけがない。」

「分かったと思ったほどのあいまいさ」これも私の川柳です。

曲を弾く時に無意識に犯す誤りが「あいまいさ」です。

それを絶対に子供達に許さないように指導しなければならないのです。

勿論、殆どの人は右利きですから、左手が弱くなります。

(弱いとは「音が・・」とか言う意味ではありません。意識が弱いと言う事なのです。)

ですから、「左手7割に右手3割」それくらいのウェイトバランスの与え方で、レッスンは丁度良いと思います。

 

2008/03/28 (金) 23:12

ビデオ見ていただいてありがとうございます。
ご指摘いただいた点、5の指が腹で接してしまっている点、今後注意して見ていきたいと思います。

次に12小節目、4拍目の部分、確かにhk君の譜面にも3の指が指示してあるのですが、当初から5で弾いてしまっています。

実はこの点に関して、少々迷っているのですが、この部分に限らず、hk君の指使いを見ていると二度や三度を1-3あるいは1-4等の縮める形は得意なようですが、逆に基本の5度の形より広げるのが苦手な様子で(5度で2-5の指示があっても1-5で弾くなど、わざわざ縮めて1を持ってきている) 今のところ彼の縮める形の指使いのまま弾かせてますが、これはやはり広げる形でやった方がよいのでしょうか?

天使の12小節目に関しては、もし2-1-5で弾くのであれば、左手の3つ目の付点二分音符のドは必ず1を持ってくるように(5-3-1という縮める指で)約束をしてます。

(ビデオでは一回目それを忘れてしまって確かその後がとんでもない指使いになっていたと思います。) 

五度の幅なので自然と1-5となってしまってるのですが、13小節目の5は今でも直すべきかどうか迷ってます・・

30小節目の左ミ♭、私もミ♭の方が自然だと思うのですが、譜面にわざわざ(記譜法上、書く必要がないにもかかわらず)ナチュラルがついていたので、そのまま弾かせてしまってます。

ご指摘頂いたように、発表会で弾く場合等を考えて一応♭の説明をしたいと思います。

4小節目後半からメトロノームが聴けなくなってる点について「どういったことが原因か?」という問いについて。

これは間違ってるかもしれませんが、5小節目からは前回右手の指使いを1-3-4-5に統一するように指導して(彼は五小節目右手3-4-5で弾いて次の小節は2-3-4で弾いていたので)、指使いやポジションの確認をしてから2日しか経ってないので、まだ指に迷ってしまって、そこの個所だけまだ拍を感じる余裕がないのだなと判断してしまったのですが・・。

⇒6小節目を2-3-4で弾いた、と言う事は、然程、問題ではありません。どっちみち、7小節目では2-3-4の指使いになるので、7度の形で弾いたに過ぎません。

前回に説明したようにvorbereitの練習がちゃんと出来るかを確認してみてください。

 

次回、メトロノーム四分音符72で通せることが宿題なので、指摘のあった最後のレントの拍子を含め、テンポ、拍子をとらえてるか注意したいと思います。

⇒間違いを指摘するのは当然ですが、その前に、何が原因で間違えて弾いているのかを、先生が知る事が指導上もっと大切な事です。原因を知る前に、生徒が正しく弾けるようになってしまったら、生徒の原因を残してしまう事になり兼ねないからです。原因が分かった上で指導すれば、生徒は二度と同じ間違いはしなくなりますが、原因が分からないまま教え込んでしまったら、次の曲でまた、同じ間違いをする事になります。

フィンガーペダル、レッスンの構成等、為になるご指導たくさん頂きました。
今後活かせるよう努力します。

舟歌、まだ音間違いも多く、拍節もしっかりしてないので、左手がきちんとできるよう指導していきたいと思います。 

 

2008/03/29 (土) 3:54

返: [SPAM] Re: 転送: Iさんのhk君のレッスン:Burgmullerの天使の合唱

四日市組が東京に泊まりに来ることで、急遽合宿のような様相になり、その下準備で夜の3時にやっと自宅に辿り着きました。

ということで、ビデオのcheckの時間がないので、「指使いのこと」 についてのみ確認をしておきます。

次に12小節目、4拍目の部分、確かにhk君の譜面にも3の指が指示してあるのですが、当初から5で弾いてしまっています。

実はこの点に関して、少々迷っているのですが、この部分に限らず、hk君の指使いを見ていると二度や三度を1-3あるいは1-4等の縮める形は得意なようですが、逆に基本の5度の形より広げるのが苦手な様子で(5度で2-5の指示があっても1-5で弾くなど、わざわざ縮めて1を持ってきている) 今のところ彼の縮める形の指使いのまま弾かせてますが、これはやはり広げる形でやった方がよいのでしょうか?天使の12小節目に関しては、もし2-1-5で弾くのであれば、左手の3つ目の付点二分音符のドは必ず1を持ってくるように(5-3-1という縮める指で)約束をしてます。(ビデオでは一回目それを忘れてしまって確かその後がとんでもない指使いになっていたと思います。) 五度の幅なので自然と1-5となってしまってるのですが、13小節目の5は今でも直すべきかどうか迷ってます・・

⇒13小節目の頭のラの音を5の指で弾くのは、5-4-3-4となってはなはだは不自然です。

かといって5-3-1-と行った場合の次の音は2-3と進むのですか?

指使いに整合性がありませんね。

それも不自然です。ということで、やはりこの場合のベストアンサーは、残念ながら譜面どおりの3の指になります。もし、折衷案を取るとすれば4の指で取るという手もあります。いずれにしても2-1-3の子供にとっては少し難しい指使いをするか、弾き難くとも正式な指使いである5-4-3-4の指使いをとるかの二つでしょう。

I先生のご指摘の、14小節目の左手のドの音は、付点2分音符ではなく、ただの2分音符です。記憶違いがないように注意してください。(もう少し、指摘するとすれば、付点2分音符と思い込んだのは、右手が3連音のbeatだからです。それの、もっと初歩的な、mistakeがhk君の29小節目から30小節目の2分音符の単位を失う事です。)

4小節目後半からメトロノームが聴けなくなってる点について「どういったことが原因か?」という問いについて。
これは間違ってるかもしれませんが、5小節目からは前回右手の指使いを1-3-4-5に統一するように指導して(彼は五小節目右手3-4-5で弾いて次の小節は2-3-4で弾いていたので)、指使いやポジションの確認をしてから2日しか経ってないので、まだ指に迷ってしまって、そこの個所だけまだ拍を感じる余裕がないのだなと判断してしまったのですが・・。



5小節目から6小節目の指使いが2-3-4の指使いは、基本の7度の型です。

7小節目で6度の型になりますから、その指使いで通すとすれば間違いとは言えません。(勿論そのつど指使いが変わるのは良くありませんが)ですから、譜面どおりの指使いは、5小節目が7度の型で、6小節目、7小節目が6度の型になっています。

むしろ問題は、(5度で2-5の指示があっても・・・・)という一節です。

2-5で5度を取るのは基本的に不自然な型です。

この左の譜例の指使いは論理的ではありますが、子供用の指使いではありません。あくまで、上級者が音楽的に表現するための指使いになります。特に31小節目3拍目からの4分音符についている5-4-3の指使いは、小学の上級生から中学生には可能性はありますが、小学低学年の子供には手が広がりすぎて無理です。同様に、左手の最後の小節の25の指使いは不自然で、無理です。素直に15で良いと思います。
Burgmüllerやソナチネまでのレベルでは、子供の体躯を考えた場合には、2-5の指を広げたり縮めたりするのは、極力避けなければなりません。
まず基本の形を完全に習得してから、それから「広げる」とか「縮める」の例外の指の形を勉強しなければいけません。
つまりチェルニー教則本や、その他のクレメンティなどの基本的な教育用の楽曲には、そういった例外的な指使いは極まれにしか出てきません。

Hk君にとっては、譜面上難しく感じるのかもしません。

しかし、7度の型や6度の型と言うのは、基本的な親指の位置が全く動いてないということを、気づかさなければなりません。

ずっとレの鍵盤上にシフトされたままですから、経過音を抜いた和音で練習させればシンプルな動きに気づくと思いますから、ゆとりがないということはなくなると思います。

そのための型なのですから・・・。

次回、メトロノーム四分音符72で通せることが宿題なので、指摘のあった最後のレントの拍子を含め、テンポ、拍子をとらえてるか注意したいと思います。
hk君にはまず29小節目まで3連音の動きであったということ、それから2分音符でリズムの刻みがなくなったということ、・・・で、次に出てくる音が4分音符なのでhk君にとっての刻みは8ビートの二つの音を感じているはずです。

そのためにpiu lento以降のリズムが分からなくなってしまうのです。


4時になってしまったので明日は早いので、これぐらいで切り上げて寝ます。

 

2008/03/31 (月) 11:20

Re: 返: [SPAM] Re: 転送: Iさんのhk君のレッスン:Burgmullerの天使の合唱

お疲れのところ、深夜の時間にも関らず、返答頂きましてありがとうございました。
30日はベートーヴェンの合わせをやったので、ピアノは次週行う予定でおります。
次回のhk君の様子や練習具合もみながら、ご指導いただいた個所を活かせるよう考えてみます。