Rakhmaninovの Vocalise arrangeと奏法について  

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Lebenslauf

arrangeへの経緯

奏法について





Lebenslauf

Sergei Vasil'evich Rachmaninovは、(1873年4月1日 - 1943年3月28日))ロシア帝国出身の作曲家、 ピアニスト、指揮者である。

この年代になると、写真やレコード等で演奏を知ることも出来るし、Lebenslaufの資料もかなり詳しく精度も高くなります。

言い方を変えると、資料が有り過ぎて、逆に、かい摘んで・・という事が、難しくなるという事でもあります。
Pianoの演奏のレコードも豊富に残っていて、その自作自演のレコードは、いつでも購入する事が可能です。
写真も豊富に残っているし、その点、簡単に調べる事が出来ます。

という事で、LebenslaufはWikipedia辺りに任せる事にします。

Vocaliseは、時々、上級生達が演奏するので、私の弟子や生徒達へのlessonvideoも豊富だし、その演奏もYou Tube等にはupはしていませんが、dataは沢山あります。


「 Vocaliseの意味」
Vocaliseとは、コンコーネの教則本でもしられるような、発声の練習のための教材(Etude)という意味である。
所謂、ChopinのEtudeに表されるように、Etudeに名を借りた(教則本の形態を取る)音楽であり、当然、「歌詞のない歌」という意味でもある。

コンコーネの教則本は、(コンコーネ、 Giuseppe Gioacchino Concone,《 1801年9月12日イタリアのトリノ生 - 1861年6月6日トリノ没》が作った発声練習のための教則本であり、コンコーネは、作曲家、教育者であり、所謂、ヴォカリーズ(voicetrainingの教則本)の教本で特に有名である。当然、ドイツのChorubungen 「合唱練習書」と共に音楽大学を目指す学生達の必須教材でもある。
ChorubungenはFranz Wullnerの考え方で、基本的に伴奏を伴わないで練習を要求しているが、それはPianoが平均律に調律されるから、正しい音感が育たないという理由からである。日本では、violinのscaleでも、violinの先生がPianoを叩きながら、(とても「弾く」とは言えないから・・・)「音が違う!」と間違えたscaleを延々と指導する。
その結果、諏訪内さんのように、Tchaikovskyconcoursに入賞した後であるが、憧れのヴァイオリニストから、「あなたは音程が悪い!」と指摘されて、ジュリアードで勉強をし直した、という逸話がある。
これは、歌でもviolinでも、日本の教育では、Pianoのpitchが基本として指導しているので、困ってしまう。
教室の生徒達がオケ練習の時に、厳しく要求されて、毎回手直しされているのは、それぞれの調の音階であり、純正調の和音と、puresoundなのだから、音楽大学に入った途端に、間違えた素人の領域を要求されるからだ。
正しく勉強するのは、とても難しいのだが、間違えて勉強するのは、とても簡単で、一度間違えた奏法が体に入ると、その人達が昔、出来ていた事であるのにも、関わらず、元に戻るのは不可能に近い。
一度、麻薬に手を染めた若い女の子が、二度と麻薬から手を切れないのにも似ている。
・・・まあ、それは、さて於いて、chorubungenは正確な音程やrhythmを習得するための教則本で、solfege寄りであり、コンコーネの教則本は、発声法の教則本寄りである。

そのために、chorubungenを習得した後にConconeの教則本を勉強する・・というpatternが一般的で、そういった理由で、低く軽く見られる傾向にある。しかし、本当にchorubungenで純正調の音程を勉強しようとすると、これは超難しい。

発声の教則本は、本当は、結構、色々な教則本が出版されているのだが、この2冊の教則本が、音楽大学等の入学試験の課題曲に取り上げられて、声楽家を目指す受験生達にとっての、必須教材になっている。)


当然、Rakhmaninovは、歌曲を想定しているので、参考には、歌とorchestraの演奏が一番だという事で、色々と推薦出来る演奏を探してみました。
Kiri Te Kanawa や、Anna Moffo 等の名歌手と言われる人達の歌を聞いて見たのですが、
「う〜ん、イマイチ!」なのですよ。勿論、上手下手という意味ではなく、私の個人的な趣味としての感想なのですが、・・・。
という事で、個人的な好みで、Inessa Galante の演奏を探してみたのですが、You Tubeにはupされていなかったので、至急CDを取り寄せています。その内に事務所に届くと思いますが、感想はその歌を聞いてからにします。
ニルソンおばちゃんが歌っていると良いのですが、幾ら調べても分からないので・・・・。

Inessa Galante の歌うCacciniのAve Mariaです。
泣けて来るよね!!

https://www.youtube.com/watch?v=dc5bILQlejQ

この演奏はRakhmaninov自身が指揮をしている演奏です。RakhmaninovのPianoの名手なのですが、指揮は・・・??と、思っていたのですが、この演奏は、とてもずば抜けて素晴らしい。
但し、
「さすがは作曲家自身だから、曲が良く分かっていて、素晴らしい!」という言葉はないのですよ。
餅は餅屋でね。
有名な演奏では、Ravelが指揮をしたboleroがあります。とても下手な演奏なのだけど、何か味があるのよね。
逆に、上手すぎて、下手な演奏もあります。SarasateのZigeunerweisenの演奏があります。もう、弾き過ぎて、演奏自体を飽きてしまっているような演奏です。
Stravinskyも自作の殆どの曲をrecordingしていますが、「春の祭典」等の初期の作品は、そのほとんどを初演したPierre Monteuxの演奏の方が優れている事は、Stravinsky自身が認めています。
まあ、殆どの作曲家と演奏家では、餅は餅屋で、演奏技術も表現も優れています。それでも、何かしら、自作自演の演奏も良いのですが、それは演奏とは別物です。
その話を、ちゃんとしようとすると、文章がとてつもなく長くなるので、次の機会にします。
だから、このRakhmaninovの演奏の例は、名演奏の極めて希な例と言っても良いですね??
しかし、1929年のrecordingなので、なにせ音が悪い。・・・・とは言っても、当時の録音をこれだけしっかりと聞き取れるように、手直し出来たのは、大変な技術ですよね。本当のsp・recordでは、これ程は聞けませんからね。


https://www.youtube.com/watch?v=QAwETLTAHHM

という事で、演奏の基本は全く同じなのですが、現代の演奏家(指揮者)の演奏で、現代の録音技術を参考に掲載しておきます。音源が美しいという事と、originalityに優れているという事が、両天秤に掛かる程であるとは、思わなかったのですが、意外や意外ですよね。
演奏は、Andre Previn & London Symphony Orchestra の「Vocalise, Op.34 No. 14 (1999 Remastered Version)」 です。




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arrangeへの経緯
生徒達の年齢が、上がって来て、音楽の表現を勉強するような、年齢に差し掛かって、斉藤先生から、「 「揺らし」や「タメ」等の難しい音楽表現を勉強するための、ensembleの教材はないのか??」と、相談を受けました。私としては、技術的に余り無理のない曲で、Tchaikovskyの「andantecantabile」とか、数曲をpickupしたのですが、斉藤先生は、Rakhmaninovの Vocaliseをselectしました。

2015/02/04 (水) 12:24
四日市のアンサンブルで、実黄ソロでカルテット伴奏、悲しげでゆっくりで歌う曲ってなにがありますかね・・・・? 音がきれいな実黄の良さを最大限に引き出してみようと思うのですが、それこそグルックのメロディーやヴォカリーゼ、夢のあとに、みたいな雰囲気の曲がいいのだけど・・・・・


以前、外での営業活動で、教室が購入した市販の楽譜を使用して、lessonをしようと思ったのだが、orchestraの曲を無理やりに、Quartettにしているので、演奏に技術的に無理がある・・・という事で、手直しをするように頼まれました。

2015/02/05 (木) 13:41
ヴォカリーゼのカルテット版があったのですが、無理にVa.とセカンドに和音を弾かせている感じなので、セカンドをプラスして(Solo+カルテットにして)セカンドにファーストとVa.の和音の片方を担当させるように書き直そうかと思いますが、どうかな?もともとの編曲がへぼくてダメなようなら、それも無意味かもしれないし・・・・・ご意見お聞かせください。



「締切の話」
いつもの、無茶振りは、斉藤先生が、四日市の教室に出発するのは、2015/02/07 (土曜日)の朝の6時なので、
「5時迄には、曲を完成させて欲しい。」と、いう事で、「5時から6時迄には、print outとpart譜印刷もしたい。」という事で、「徹夜ででも、修正して・・!!」という事で、仕方なく、マジに徹夜でarrangeしました。
まあ、3時迄には、mailで楽譜を添付して送ったのだけどね??
2015/02/07 (土) 9:04
無事
「プリントアウトとコピー、間に合って、今新幹線に乗りました。ありがとうございました。」


「移調楽器と読み替え」
一般的な Vocaliseの調性はe mollなのですが、原調はcis mollです。
市販の VocaliseのQuartettの譜面のcheckにあたって、先ず困ったのは、原曲とQuartett版の調性の違いです。それだけなら、慣れもあるので、問題はないのですが、Rakhmaninovの Vocaliseでは、orchestraの弦のpartと、管のpartに、melodieや大切な和音の響きが分担されている事です。つまり、管のpartは移調楽器で書かれているので、移調の移調になります。

「え〜と、何に読み変えるのだっけ??」時間に追い立てられると、頭が混乱してしまいます。先ず、移調楽器の調を調べてそれから、原調とe mollの調への移動です。
 
「編曲楽譜の困ったちゃん」
勿論、生徒に楽譜を手渡しする時には、手書き譜ではなく、finaleでprint outした譜面を使います。

それなら、「手直しをする前から、finale上に入力して、作業をすると出来上がりが速いよね。」・・・という事で、scoreをscanning入力をしようと思いました。
しかし、市販の楽譜が余りにも譜面が小さいのと、scoreを読み取るという事が、scanning的にも難しいので、part譜を一つ一つscanningして、それをtemplateとして、予め、作っておいたscoreに貼り付けるという、手間の掛かる作業をしました。
しかし、それでも、scanningで楽譜を取り込めると言う事は、大変な時間の短縮になります。

所が、困った事に、その市販の楽譜はrepeatの位置が変えられていたり、原譜とは小節数が違っていたり、果ては、和音も違っている所もありました。(Quartettにする時に、楽器の特性で、仕方なしに音を変更したのかもしれませんが。)
そのために、originalと編曲とを比較して、repeat記号の位置を直したり、和音を修正したり、果ては、小節数の整合をはかったり・・と、無駄な色々な努力をさせられてしまいました。それが、もう一手間も二手間も、手間が掛かった理由です。
そこまでの、手間を掛けて、やっとarrangeする環境を整えたのです。
そこで、上に書いた原曲と編曲版の調の違いや、移調楽器を更に移調するという手間の話になるのです。

編曲版の変更されているrepeat記号の位置や、和音の変更を元に戻したりしながら、無駄に難しくなっているpassageや和音を簡単に訂正する作業をしました。

2015/02/06 (金) 13:10
RE: でけた! Vocalise
音だけではなく、和音迄全部違う!!
全部やり直しだ!!!
最初からorchestra版でarrangeした方が早かった!!

2015/02/06 (金) 13:18
RE: でけた!
反復記号の位置まで違う!!小節の計算すら出来ない!!
困った!!

2015/02/07 (土) 3:52
Vocalise一番易しいversionは
必ずしも易しくはないので、タイトルは考えて於いてください。
part譜のレイアウトはしていません。


2015/02/07 (土) 3:55
Re:Vocalise一番易しいversionは
・・・ん? 2種類作ってくれたってこと?


2015/02/07 (土) 4:01
RE: Vocalise一番易しいversionは
3種類作っています。
教室の編成を無視した、原曲に近いversion
教室の生徒達を対象にした難しいversionだけど、教室では簡単version
四日市用のもっと簡単versionから、もう少し原曲に近づけた簡易versionが一番易しいversionです。
蛙のうたPianotrio のfinaleのbugっておかしくなったversionの手直しも、いま一緒にやるので、そこのそばにfileがあるのなら、ハイツに添付して送ってください。
勿論、scoreだけで良いので。




まあ、何とか朝の3時迄には作業を終わって、事務所に楽譜を添付して送りました。
この段階で、市販のarrangeの譜面とは全く違って、かなり原曲に近い形に戻りました。
しかし、orchestraの譜面をQuartettにtransposeした分けなので、かなり簡略化された形になってしまいました。

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