教室には教室所有のbaroque楽器と楽譜があります。・・・・と、書きたいところですが、残念ながら、実は、先生達が演奏活動をしている時に、使用しているbaroque楽器は、実は教室所有の楽器ではありません。
「それはどうしてか??」 というと、教室が有限会社として経営されている関係上、教室としては、baroque楽器や楽譜を、会社として、購入する事、所有する事・・は、出来ないからなのです。
法務局のお達しでは、音楽教室は、会社なので、営業活動をする場所でなければならないのです。
baroqueの楽器は、それ自体では、お金を稼ぐ楽器ではないので、直接的には、会社としての営業活動の道具にはならないからなのです。
・・・という事で、baroque楽器の大半は、芦塚先生の個人の所有(私財を使って買い揃えている楽器)であって、それから、教室の先生達に貸与する形になっています。
という事なので、芦塚先生の所有するbaroque-violinやCembalo、或いはrecorder等もensembleが出来るだけの数の楽器を揃えてあります。
複数の楽器を揃えるので、芦塚先生が個人的に所有しているbaroque楽器なので、普通のbaroque楽器というよりは、珍しい楽器をcollectionとして、集めていて、色々と面白い楽器が数多くあります。
上段は聖者の顔のbaroqueviolinです。
下の段の楽器を先に説明します。下の段の楽器は、大振りのviolinにも見えますが、非常にめづらしいbaroque-violaです。
何が、非常に珍しいか??・・と言うと、baroque時代には、未だに、violaは発展途上の楽器で、orchestra等や室内楽等では、未だ独立した楽器としての地位を得ていませんでした。
orchestraでも室内楽でも、基本はviolin2台とcelloとKontrabassで、violaは、なくても良いのだが、あれば、もっと良い・・という程度の価値付しかありませんでした。
・・・という事なので、baroque時代の前期、中期の時代では、violaは未だ楽器として、定形の確立した楽器ではありませんし、violin型のviolaは、寧ろ、baroque時代には珍しい物だったのです。
baroqueviolaは演奏の機会も少ないので、中々、市場に出回る事がありません。
芦塚先生も教室を開設してからの50年近くの間に、baroque−violaの本物の楽器を見た事は、2,3度しかありません。
その内の1台がこのbaroqueーviolaなので、大変な価値があるのです。
つまり、baroque−violinの復刻の楽器は100万以下でも購入出来ますが、本当のbaroque−violinが幸運にも手に入るとすれば、それは300万を下らないと思います。楽器の価値よりも、そのものの出物が無いのが現状だからです。
baroqueの前期、中期と言えば、violaは未だviole族のviolaが主流でした。私も昔は、Viole族のviolaを所持していましたが、当時は音楽教室を開設する事や、baroque音楽のperiod奏法を生徒達に指導する事等は、夢にも思わなかったので、displayとしての価値しか無かったので、また、お金に困っていたので、楽器店に販売を委託していたのですが、楽器店の内部のトラブルで紛失されてしまいました。
viola da gambaやviola d’amoreのような多弦の楽器ではなく、通常の4弦でしたが、Kontrabassのような背と真っ平らな裏板が特徴でした。
その当時は、未だbaroqueviolinやbaroquecelloを演奏出来る生徒を育成する以前の時代・・・というか、音楽教室を作って、子供達を育成する前の時代だったし、また、periodという言葉さえも無かった時代だったので、baroque音楽の実際の演奏に、その楽器を活用する事が出来なかったので、無用の長物・・所謂、displayにしかならない楽器として、楽器屋さんに依託して、売りに出していたのです。
個人的に委託していたので、伝票を起こしていなかったので、楽器店の家族間のトラブルで財産分けで、私の楽器が持って行かれてしまった時も、再三の抗議にも関わらず、楽器店の人達自身が私のその楽器の事を、記憶してくれませんでした。
つまり、お金が一銭も入らないままに、紛失という事で、うやむやになってしまったのです。
その時にその楽器の写真でも撮っておいたら良かったのですが、当時は、私がbaroqueの音楽を専門的に指導していくとは、考えていなかったのです。
非常に珍しい珍品だったので、返すがえすも残念ですが、音的には、もう箱的な音で、歴史的な意味しかありません。
芦塚先生のbaroque−violin とてもornamentが綺麗な楽器です。それがお気に入りで購入しました。
基本的なbaroqueのKoncertの時には、斉藤先生が使用しています。
芦塚先生のbaroque−violin Double−Purflingの楽器です。
Purflingとは、楽器の表板と裏板の周りを取り囲む黒い線の事を言うのですが、1_ぐらいの幅で掘って、そこに別の木を埋め込むという、超面倒くさい作業なのです。
安いprint合版の楽器は、実際には掘っていなくて、描いてあるだけの楽器もあります。
violinの製作者が自分の技術をひけらかす場所なのでしょうが、小さなヒビが入った時に、Purflingが傷をそこで止める意味もあります。
Double−Purflingは非常に珍しく、これ以外の楽器では見た事がありません。
楽器自体は安いCremonaのmodern−Italiaの楽器なのですがね??
後は、裏板が一枚板なのも、結構凝っているのかな??
この珍妙な形をしたviolinは、baroque時代・・・というか、Renaissanceの時代には、よく見かけたviolinです。
でも、どちらかというと、violinよりは、gamba族の方が多いような気がします。
大学の楽器博物館にあるこの楽器もgambaだったのよね??
勿論、芦塚先生の個人所有のreplicaで、今は、指板等も交換して、gut stringを張って、一応、baroque−violin仕様になっています。
時代的にはRenaissanceから前期baroqueまでの音楽、Biber, (Heinrich Ignaz Franz von)のRosarysonate等の演奏を想定しているのですが、斉藤先生が弾いてくれません。
これぐらいの珍妙な楽器になったら、neckの渦巻きも獅子頭の方が良いよな〜ぁ??(獅子頭のbestchoiceです。)
(写真とかも、新しく作り直した後の楽器に、撮り直さないといけなかったのだよな??)
右側の写真はChanotのviolinのreplicaです。
私の所有しているオバQviolinやviolaは、似たような形をしているのですが、実際には古いbaroqueから古典の時代の楽器なのです。
Chanotの楽器は、それらの古いオバQ型の楽器とは全くconceptが違っていて、結構、新しい時代、つまり、1817年にParisで発表された、violinを改良するために色々と工夫された楽器なのです。
色々な変更箇所での大きな所は、f字孔の形や、neckの渦巻きを通常のviolinとは逆さまにした・・とか色々と改良された楽器なのですが、その改良は一般的に認められる事は無く、Chanotだけの楽器になってしまいました。
でも、この工夫は結構歴史的にも有名な話になっていて、大学の楽器博物館にも、Chanotのoriginalの楽器があって、普段も展示されていて、閲覧する事が出来ます。
この写真の楽器は、芦塚先生の個人所有のreplicaになります。
残念ながら、未だ実際に舞台で演奏された事はありません。
芦塚先生のオバQのviolinは、紗來ちゃんがVitaliのChaconneの時に、自分の楽器が修理になったので、代わりに先生の楽器を借りて弾いているので、音を聴く事は出来ます。
楽器はその楽器に慣れて弾き熟せるようになるまでには、結構時間が掛かるのですが、本番前の急遽の修理になったので、そういった楽器に慣れるための時間は無かったのですが、なかなか良く弾き熟していますよね??orchestraの音量にも負けないで・・ね???
Chaconne g Vitali orchestra-Bearbeitung und dirigierte bei 芦塚陽二Violin-solo古川紗來(小6)12歳 - YouTube (参考までに:)
実際には、まだまだこういった珍しい楽器はviolinだけにしても、あります。
baroque−Koncertの時に、展示しましたが、19世紀後半のdance教師がlesson用にフロックコートに忍ばせて持ち歩いていた、pochette−violinとか、オケ練習用に作った5弦のviolaと、5弦のviolin(violinであるか、violaであるかは、そのサイズ=容量で決まります。)
左側は、作成途中の5弦ののviolaです。
5弦のviolaならば、音域はCelloとoctaveなので、violinのpartからCelloまでのpartが網羅されて、オケの指導にはとても良いのですが、演奏をする時に、弓の角度が5弦の分、微妙になるので、結構弓使いが難しいのですよ。
折角作った5弦のviolaなのですが、neckの渦巻きの女の子の表情が気に入らなかったので、あまり弾いていません。
駒の角度の微調整や指板の角度の調整等も一応はやっているので、作ったばかりの以前よりは弾きやすくなっていて、オケ練習の時等には重宝するハズなのですが、結構、子供達はみんな嫌がって弾いてくれません。
アハッ!
右側の楽器は5弦のviolinです。
これは市販品です。
5弦のviolinは、baroque時代にも存在したので、それを参考にしてorderしたのですが、楽器を作る人達はそのdataを持ち合わせていないし、また、5弦のviolinやviola用の曲も書かれていないので、あくまでもオケ練習用の「なんちゃって楽器」です。
それはそうと、芦塚先生の収集癖は、結構限がなくって、勿論、viola da gambaや他の楽器も含めると、まあ、数えれば限が無いよな??
よく、集めたもんだよな・・・??
実は、芦塚先生の楽器の収集癖は、orthodoxなClassicの楽器だけではなく、所謂、民族楽器や郷土楽器のようなものも、collectionの対象で、結構あるのですよ。
但し、展示する場所が無いので、ハイツに倉庫状態になっていますがね??
冒頭の聖者のneckのbaroqueviolinの話に戻って、上の写真のneckの部分のupした写真です。次の写真は裏板に書かれているお城
横板にも同じお城が書かれているので、多分このviolinをorderした人の自分のお城かも知れませんよね??
baroque−bowとmodern−bow(現代の弓)の比較です。
現代bowとbaroqueーbowの一番の違いは、弓の反り方です。
baroqueーbowは弓型の反りなのですが、現代bowは逆反りになっているのが、特徴です。
そのために、弓の張りは非常に強い張りになります。
両方ともbaroque−bowなのですが、古い時代のbaroque−bowと、比較的に新しい時代の、所謂、Tartinibowと呼ばれるbowです。
このTartini−bowと呼ばれているのは、Tartiniが作った弓だから・・(使った弓だから・・)という意味ではありません。あくまでも、通り名に過ぎないので、深く考えないように・・・
同じbaroqueーbowなのですが、下の古い時代のbaroqueーbowは切っ先が非常に鋭いので、とても華奢で折れ易いのですよ。
比較的に新しいTartiniーbowは、先の曲がりも大分現代のbowに近づいています。
勿論、古いbaroqueーbowに比べて、格段に弓も強く、強い力に耐える事が出来ます。
とは言っても、現代bowとは比較にはなりませんが・・??
当然、baroque−violinに張る弦はガット弦gut stringなのだが、先ずは、大きく裸のplainの弦を選ぶとしても、弦の種類と、その径の多さには辟易させられる。
makerと、弦の種類と径を絞って、先ず取り敢えず購入して楽器に張ってから、次のより良い弦を探すという、手探りの状態で探さなければならないのだけど、また、一つ一つの弦の値段はそれなりに、高価である。
つまり、自分の楽器に合った弦を探すには、大変な投資がいるのだよな。
それに、練習用の弦として切れ難い弦にするには、油を絡めるのだが、その油も人に寄って、あれこれと感想がまちまちなのだよな??
だから、自分の好みのbaroque弦を決めるまでは、大変な努力が必要になるのだ。
演奏会用には、油を塗らない弦を張る人達が多いのだけど、実際には、それで音がどれぐらい変わるのか??どれくらい切れ易くなるのか、は弦に慣れてしまわないと、分からないし、ましてや、どのmakerの弦がお薦めかまでは、人の好みも大きいので、それを紹介する事は、とても無理だ。
私達の場合には、色々な弦を取っ替え、引っ変えして、弦と楽器の相性の具合を試す程の経済力は無いので、自分の好みの弦を見つけるには、それこそ何年越しの作業になるのだろうかね??
自信の無い人はPirastro(ピラストロ)社/Chorda(コルダ)〜バロック楽器用が大手企業のmaker品なので、間違いは無いだろうが、それじゃあ、面白く無いよな??
イタリアの製品では、TORO社のシープ・ガットが面白いかも知れない。
日本でもbaroque−violin専用に、gut stringを販売している会社もあって、なかなか良質の弦を作っているので、私も試しに何本か購入してみた。
でも、楽器との相性となると、色々と難しいのだよな??
とどのつまり、一言でいうと限がない・・という事なのだよな??
まあ、baroque楽器をやる・・という事は、そこいらのmaniacさが面白いのだろうかね??
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