1点支持と3点支持(弓の持ち方について)


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◆7/27(月)
cntさんとtmmさんとオープンキャンパスに見学に行きました。

@ 各学科説明会―弦楽器
usb先生(Vl.)の説明。
基礎はどんなに難しい曲を演奏することになっても、いつまでも必要なもので、その基礎力を大切にして表現力が生まれるもの。そのため、入試では基礎がどのくらいできているかを重視する。ただ、インスピレーションで弾くのはよくないが、機械的に弾きすぎるのもよくない。
 授業は、1年→弦合奏・室内楽・副科ピアノなどが必修。
2・3・4年→オケ。室内楽は選択可。カルテットやピアノを含む室内楽もおこなう。
1・2年は後期学期末に演奏の試験あり。
3年は15分のプログラムを演奏。(ソナタなど)4年は卒演が1月にある。


A ヴァイオリン一般人公開レッスン
urs先生―高1の女の子
聴講定員は60名だったが外で空席待ちの人が20人ほどいるくらい人気だった。
小学生〜高校生と聞きに来ている人の幅はさまざま。

1. バッハ Fdur Largo 4/4拍子の曲
・一度全部生徒が演奏した。
・音程が単音だとすごくびしっとはまっていた。和音だとすこし聞けていない。
・楽器が先生のほうが鳴っていなかった。
・楽器の構え方の指導。生徒は肩に力が入って首が前につきでていた。首のうしろから背中まで1本の棒が通っているように、と指導して、先生がお手本を見せたのだが、先生は肩当てを使っていなくて、姿勢が悪く胸が張れない、あまりお手本にならないかまえ方かなと思った。
・生徒の弓の持ち方が3点支持で、小指がつっぱってしまっていた。
本人もそれに気づいていて、毎日鏡の前で気を付けながら練習しているらしい。
弓はひじから動かしていた。そのため、移弦に雑音が入ってしまったり、和音などの音が雑になってしまったりしていた。
先生は、
腕・二の腕のまわりに力がはいってしまっていて、首回りもリラックスできて弾けていない、一番楽な姿勢で弾きましょう。と言っていたが、そもそも3点支持で弓を持ってしまっているため、手首が動かせるわけがないのに、手首をつかって弾かせようと頑張っていた。
また、教えるときに「手首」という言葉を全く使わなかったのが少し気になった。
細かい刻みを弾くところも、先生の説明では肘から動かして弾くのか手首を使わせたいのかあいまいで、わかりにくかった。(先生は1点支持で、手首は少しだけ使って弾いていた。)

・バッハの演奏など、「ピリオド奏法」というものがあると説明していた。近年はテンポを速めに演奏するのが主流らしい。
バッハのファクシミリ譜面についても少し解説をしていたが、(おそらく生徒が使っているであろう)今日の譜面とファクシミリ譜面のスラーの違いなどには触れていなかった。
ファクシミリ譜面の長いグニャグニャと書かれたスラーは、バッハが弾いてほしいような起伏でグニャグニャと書かれている。みたいなことを言っていた。
楽譜上にスラーが書かれているところはdim.で演奏するのが主らしい。

・トリルは全部下からかけていたが特に指導はなかった。
その音に入ってからしばらくしてから後押しも加えながらトリルをかけていたので、余計に聞いていて気持ちが悪かった。
ビブラートも、後押しのタイミングでかかる。
・移弦のときには弓を少しもちあげて浮かせぎみするのを意識すると弾きやすいらしい。
移弦の練習で、解放弦だけで練習していた。その時に、先生の調弦をしないままで、くるったままで気になった。調弦してほしかった。
・和音とその前の音がぶち切れになってしまっていたが指導はなかった。
これも弓が浮いて手首が持ち上がったままだからかなと思った。
・生徒の演奏が、2拍ずつbowスラーのところでフレーズがとぎれとぎれだったので、それを直そうと頑張っていた。
1小節の取り方を4/4拍子で円運動を感じられるように、と頑張っていたが、体を使って弾けば早いのに、と思った。
フレージングなどは特に、「生徒が普段のレッスンで教え込まれて家で反復して体に染み込んだもの」という演奏だったので、なかなかすぐにその場では治らなさそうだった。
ただ、体を動かすという指導は全くなく、生徒も、弓やアーテュキレーションに関係なく体を動かして弾いていた。
・「終わりの音」を弱くやさしくていねいに弾く、という習慣がないらしい。
生徒はもちろん、先生のお手本の演奏でもそういう風には弾いていなかった。
まず、フレーズのきれるところが聞いていただけでもおかしいなと思った。

2.Bdur 6/8拍子 中間部はgmollの何かのエチュード
・移弦と弓の持ち方の指導が続いた。小指を「おく」ように指導していた。
・弓量配分を少しチェックしてほしかった。終わりの音に弓がなくなってしまっている。VVVVとアップが続くbowの時に、Fr.で腕をつかって弾いていたので大変そうだった。
・左手の指の押さえ方。小指は、第2関節はたっていたが、親指が(私の力が入っているときと同じように)力が入って反ってしまっていてネックを持って弾いていたので、特にG線のオクターブのハイポジション移動の時などが大変そうだった。忙しいところほど体が片側重心で、腰も高く大変そうだった。
・移弦の時は腕の重さを弓に乗せるようにと指導する一方、移弦の瞬間は弓を少し浮かせぎみにすると弾きやすい、弓や腕、肘をすこし持ち上げて肘をまわすように弾く、などと逆効果のことを説明していたり、矛盾していたことが多かったりとわかりにくかった。

先生に言われた弾き方を、その場でぱっと弾くのはふつうは難しいのだとわかった。
いろんなところで活躍されていたり、実績もあったり准教授でえらかったとしても、教える技術というのは全く別で、教えるのが上手だとは思わなかった。
「斉藤先生のレッスンの方が全然わかりやすいねー」と、CntとTmmが言っていました。




B 室内楽管打楽器前期発表会
曲目: 打楽器のためのトッカータ…カルロス・チャベス
フランス・ルネサンス舞曲集…クロード・ジェルヴェイズ
木管五重奏のための組曲「ルネ王の暖炉」より…ダリウス・ミヨー
木管五重奏曲 ト短調 Op.56-2…フランツ・ダンツィ
小室内楽曲 Op.24-2…パウル・ヒンデミット
私の勘違いで、弦ではなく管打楽器の室内楽でした。せっかく来たので奏楽堂の中も見られるし、室内楽の雰囲気の参考にもなったら、とコンサートの前半だけ聞いてきました。(前半だけで2人とも寝そうだったので。)
打楽器の室内楽に指揮者が出てきて、びっくりしました。
打楽器にも室内楽があるのだと知らなかったため、初めて見ておもしろかったです。
ほかの曲も合わせて、一番気迫があった気がしました。
管打楽器の室内楽はよくわからないので、よくわかりませんでしたが、「アンサンブル」として、管楽器だから自然に息もするためか、一体感というか各かけあいや絡みあいの見合い方、最後の音の取り方、アインザッツなどが上手でした。お客さんを意識した演奏だったと思いました。
木管五重奏が、私の知っている室内楽の形に一番近かったので、演奏自体はよくわかりませんでしたが3,4曲目はビジュアル的にも?曲の運びが参考になりました。
ホルンは粒がそろわないのはしょうがない楽器なのですか?
ホルンが弦楽室内楽のヴィオラみたいな役割をしているのかなと思ったのですが、あまりおいしいところを持って行ききれてない感じがしました。
ヒンデミットの曲は、ずれかかりそうな気がして、演奏もいっぱいいっぱいでした。


7/28(火)
一人で行きました。

ヴィオラマスタークラス公開レッスン
Ictb Tshk准教授
聴講定員は20名だったが、人の出入りはあったが15人ほどしか来なかった。レッスンは3人とも女の子だったが、聴講に来たのは男の子ばかりだった。
先生の教え子と思われる男の子が、仙台から来ていた。

@ 1年 **さん
1. 音階 fis moll
受験の時の同じ個所。
・小指がねている→たてる。第2関節をたてるように、アーチができるように。
・ポジション移動の時にさぐりが入ってしまう→ポルタメントが入ってしまうということは、余計な力がはいってしまっているということ。ポジション移動の時に大事なことは、脱力して、弦をなでるように移動すること。
・分散和音の頂点の音が高すぎてしまうのは、4の指を強くおさえすぎているからだといっていたが、分散和音の頂点の音は全部低かった。あれ?強くおさえすぎて高くなることはあるのか??
・芦塚メトードでいう「たたき」のことを「インパクト」「瞬発力」といっていた。音階の粒が出ていなくて、たたきがほぼない状態で弾いていた。
・半音階は、Va.のつよみのため、ビシッと音程を正確に弾こうと言っていた。(Vl.はハイポジションが狭すぎてしまうため)ただ、どうやったら正確に弾けるかは指導してくれなかった。生徒は指の感覚的に半音階を弾いているため、要・ポイントとなる音を意識すればいいのかなと思った。
・3度の音程が、全部はまっていなかったため、1和音ごとに丁寧にみていこうとした。最初のFisとAの和音は、Aの音は解放弦のa線が振動する場所が正しい場所だから、その正しいAをとってからそれに合うFisをとろう。と、説明、お手本を見せた。コンゾナンツのことを言っているみたいであったが、お手本の時にも楽器自体は鳴ってないし、でもすごくいい(だろう)楽器なために、力ずくで無理やり弾いたら楽器が鳴っている風に聞こえてしまう。生徒は、AをとってからFisをとったのだが、最初に弾いた音から「どう動かしたのか」(高かったか低かったか)がわからないらしく、適当にぐにゃぐにゃ動かしていたらあっちゃったと言っていた。
・3度は、指で弦をしっかりとおさえてしまうとはもらないので、ぼかして弾くことが大切だと言っていた。衝撃的でした。
・増2度は高めにとる
・8度は室内楽のunisonと同じように、音が一つに聞こえるように。室内楽と同じで、下の音をよく聞いて、下の音を豊かに弾く。旋律的な音程になるように。上の音はあまり弾かなくてよい。

2. カンパニョーリ カプリス No.22 Fdur
・ヴィオラは、音域の割に楽器の容積などが小さすぎて、音がくすんでしまうなど発弦のトラブルが多いため、常に気を付けなくてはいけない。発弦をしっかりと弾くように。と注意したら、なおさら後押しがひどくなってしまった。弓と弦の粘着について説明すればわかりやすいのかなと思った。「クリップ」のことかなと思った。
・この曲のスタッカートが全部突き弓になってしまっていたが、先生のお手本もそうなっていたので先生の中ではOKらしい。
・フォルテピアノを出すには、弓の場所(駒より指板よりか)を変えるとよい。弓のSp.やFr.については?また、駒よりにしても、きり弓にしていないから音が裏返ってしまう。→ヴィオラ奏者は駒よりを嫌う人が多いのだけど、弓にしっかりと腕の重さをのっけること・弓のスピードを上げることを意識すれば大丈夫。と言っていた。けれども、結局直っていなかった。
・VVVの弓は、全部Fr.で弾くものなのか?ヴァイオリンでもヴィオラでもみんなそう弾いていて、音が汚くなっちゃいがちなのになぜだろうと思った。
・和音まで後押しをする。それを残響だと思っているらしい。
・ぬきの部分は全部後押し。→「あとふくらみ」といって注意していたが、やはり先生のお手本も後押しの度が低くなっただけ。


A 2年 ++さん―伴奏の男の子
シューベルト:アルペジオーネソナタ T楽章(藝祭で弾くらしい)
・1点支持
・フルコンのグランドピアノで、指がのびきっていてあんまり音色を意識していない弾き方で伴奏していたので、かわいそうだった。その割には、ソナタなのにピアノとヴィオラが対等でなくて、掛け合いが聞こえなくて物足りない感じがした。あくまでも、「伴奏」といった感じだった。楽しそうに弾いていた。
・室内楽としてレッスンをする。
・全体的に長く聞こえた→全体のテンポをあげてみてはどうか?たしかに、ヴィオラの人が弾きたいテンポと前奏のイメージが違った。でも今まで2人で伴奏合わせ何度もしてきたみたいだが…?テンポの揺らしは2人でぴったりだったがアーテュキレーションがばらばらだった。また、長く聞こえたのは、曲全体の流れ・山が聞いていてもあまりわからず、意識されていないのかなと思った。
・楽譜に書かれたcresc.などは、シューベルトが細かく決めたものなので、忠実に守って弾きましょう。(といっていたが伴奏譜と書かれている強弱が異なっていたり、先生の楽譜とも違ったり…)
・cresc.の最後でしぼんでしまっていて、山がわかりにくかった。私みたいだった。
・dim,の中にも後押しがあるためか、山がいくつもあった。
・ドシレドドシレドドシレドドシレドのところまで、細かく後押しが入っていて、ここまでくると器用だと思った。
・ピチカートにビブラートを入れること、手の動きで余韻を出すことは知らないらしい。(逆に私はピチカートに向きがあることを知らなかった。)
・ルバートの法則を知らないらしく、Kadenzっぽいところが不自然。
・ロングトーンの弾きかたのコツを先生が教えてくれない→Pf.が合わせて、はやく入ってあげましょう


B 3年
ヒンデミット:無伴奏ヴィオラソナタ Op.25-1 TUV楽章
・3点支持
・時代背景を考えなくてはいけない曲。
・和音一つ一つに色がある曲なので、指の瞬発力を意識して和音をとる。
・バッハの順次進行が用いられている。
・アクセントは首を振って出すらしい。
・強弱・Vの発弦をしっかりつける。
・V楽章はバッハと同じで…といいつつ、和音の弾き方が3弦ばらばらで、雑だった。終わりの音の場所も違う。
・手首のことを初めて口述していたが、「ここのばね」と言っていた。T楽章の和音が連続するところでは、「ばね」を使わずに固い音で弾くらしい。
・とにかく、今までの3人の中で、(曲がヒンデミットだからかもしれないが?)音が一番雑で、聞くのがけっこう疲れた。ただ一番いい楽器で、コンゾナンツらしきものがかろうじて鳴っていた。先生の楽器よりも鳴っていた。


最後の3年生だけ、意識が違ったように見えた。
ヴァイオリンとヴィオラのクラスの差に驚いた。来ている親の顔つきも全く違った。
准教授たちは、もっと教えるのが上手だと思っていた。
ほんとに体はつかって弾かないのだとよくわかった。
学科説明会の親は、とにかく怖い人ばかりだった。(特に、近くにいたピアノ科と声楽科のお母様方)
学科説明会にはいろんな人が来ていてびっくりした。上に書いたように、恐ろしく怖い親と楽器より重いものは持ったことがないような子供から、説明会の声が聞こえなくなるようなくらいうるさい声で、学校の補習や夏休みの話をしているちゃらちゃらした高校生まで。

以上Risより報告


Subject: RE: Ot Cntです。html形式に変換したのだけど、スマホならそのまま送れるとRisが言っていたのだけど

実際には、私が聞いた分けではないので、想像の部分が多いのですが、先ず、・・・

@感想の音程が正確で・・・
というのは、チョッと気になりました。無伴奏は純正調で演奏しなければなりませんので、高校1年生で音程が正確で・・という事は有り得ないと思いますが。そこはRisさんの感想も聞いて見たい所です。Risさんは純正のpitchの勉強を今現在しれいる最中なので、より正確にpitchの判断が出来ると思いますので
A先生の楽器が調弦が合っていない
という事は、生徒のpitchの正確さが、指の型に依るものではなく、練習量と耳で合わせているのだ・・と思います。それは感覚的な音の取り方なので、永遠に正確にpitchを取るのに、練習量は変わらない事になって、大変ですよね!!
B先生の声が小さい・・
という事は、man-to-manのlessonしか、した事がない・・という事で、今、Risさんが、厳しく注意されている所です。Risさんは未だ学生だから良いけれど、先生がその程度では困りますよね。
C細かい刻みを
、手首や指で早く弾けるのは、皆さんが1点支持の弓の持ち方をするからです。
3点支持で弓を持って素早く弾けるか、やって見てください。
練習の量で何とか出来るようになったとしても、弓が前後に揺れてしまって、繊細な音を表現する事は不可能ですよね。
特に、オーケストラで一番効果的な音であるhighpositionの早いtremolo、Wilhelm Richard Wagnerのローエングリンの冒頭のviolinの格好良いpassageですが、Spitzeでfingerbowで演奏しなければなりません。
絶対に3点支持では演奏出来ないのですよ。
それが、3点支持の致命的な欠点ですが、日本では(世界でも・・)3点支持が主流なので、本当にproを目指す人達しか1点支持はしないのですよ。(もとい!!出来ないのですよ。)
1点支持は難しくって、指導する先生達自身も、出来ないから、3点支持が主流なのです。
日本で3点支持で学んで来た人達もproのオケに入るためには、Spitzeのfingerbowは必須なので絶対に出来るようにします。
それが出来ないとproのオケには入団出来ないので。

D打楽器は、室内楽の曲が数える程しかありませんし、それに拍を数える事の困難な現代曲だけです。
だから、よっぽどのproの打楽器の演奏団体でもないと、指揮者無しで演奏する事は無理です。
そこはbaroque、古典から室内楽やオーケストラの曲が無数にある弦楽器のensembleとは一緒にしないようにしてください。

E弦楽器のensembleは教室でよく、勉強しているので、是非、芸大や私立の音楽大学の演奏を聞きに行ってください。
しかし、lessonを受けるのは、問題です。
音楽に対する夢が無くなってしまうからです。




Sent: Wednesday, July 29, 2015 11:26 AM
Subject:Ot Cntです。

〜Gdオープンキャンパスの感想〜

公開レッスンでは、無伴奏を演奏していました。私もテレマンの無伴奏曲を練習し始めたのでためになることが聞けるかなと思いながら見ていました。
@弾いてる子は高校1年生で音程は正確ですごいなと思いました。
Aでもレッスンの中で気になった事を挙げるとすると、まず教えている先生の調弦があっていなくてすごく気になりました。直してほしかったです。
Bあと声が小さくて途中何言ってるのかわからなかったです。
Cあと細かい刻みのとこを肘支点で弾くと教えていて疑問に思いました。手首で弾くのではないんですか?
D室内楽の方は打楽器と管楽器で演奏の事はあまりわからなかったけど、最初の打楽器の演奏の時に室内楽なのに指揮者がでてきて驚きました。そういうものなのですか?

E次は弦楽の演奏を聴いてみたいです。
あと、私立の音大にも聴きに行ってみたいです。

ot cnt


読みました。なかなかよく書けています。漆原さんは日本では超有名な演奏家なので、violaの准教授よりも、格上になります。それは、見学者の集まり具合でもその差は出ていると思いますがね。もう一つ大切なことは、ちゃんと理解しておかなければならない事は、全てのmethodeは、一つの原則上に組み立てられるものなので、最初のmethodeの出発点を間違えてしまえば、どんなに頑張って練習したとしても、曲や技術が完成する事はない、という事です。漆原さんも准教授の人も最初が3点支持で習っているので、一応proなので、1点支持も弾けるのですが、それは正しい1点支持の弾き方ではなく、智さんが言っているそういう風に弾いているように見えるように弾いているのに過ぎないのです。智さんは、わざわざWienまで行って、3点支持に直して勉強したので、今は色々なtechnicが弾けなくなってしまっているのですよ。もったいない話ですよね。でも、有名な先生や、留学や、芸大や・・と言ったら、そうなってしまうのは当たり前の事ですよね。
有名である事と、実力がある事は別の話で、本当の本物を追求する事は、必ずしも、有名になる事には繋がらないのですよ。
これも私がいつも言っている事ですがね。
有名になるためには、スター性や、大衆に対してのperformanceが必要なのです。
私は音楽は好きなのだけど、大衆に媚びるのは好きではありません。
別便で、cntの感想文も転送しておきます。



Sent: Thursday, July 30, 2015 1:06 AM
Subject: gdオープンキャンパス

遅くなりました。
gdオープンキャンパスの感想です。
感想と報告がまざってしまうような書き方になってしまったのでみにくくなってしまいました。
すみません。

Ris

2016/03/06 (日) 10:56
学校が始まるまでの心構えについて
今のRisには、言う必要のないことかもしれませんが、老婆心から一応確認をしておきます。
大学のcurriculumが軌道に乗ってきて、Risが学校生活に慣れる辺りまでに、周りの人たちもお友達のことを観察します。

昨日Risに、伴奏者を探すためにピアノの生徒の伴奏の技術をよく観察するように注意しましたが、これは逆に、室内楽を組みたい生徒やオーケストラを対外活動としてやりたい生徒達が、Risのビオラの水準をチェックして、本当にビオラが上手で入って来たのか、バイオリンが下手なので、ビオラで受験した生徒なのかを観察してきます。

ここまでは昨日話した話なので、Risも当然分かっている事でしょうが、社会で最も困った事は、多くの人達が、最初の第一印象を、その後もなかなか変えようとしないという事です。

男子二日会わずんば刮目して迎えよ・・という諺があります。
曰く、諺になるほどそれは難しいことなのでしょうかね?

そのために、出発点が立ち遅れていると言うRisの問題は、今更どうすることも出来ませんが、芦塚マジックで、その立ち遅れが分からないようにするという事は出来ます。

それが昨日説明した、pointを絞って短期間で仕上げていくということです。
その第一が、3種類のvibratoです。
@ highpositionの細かく速いvibrato
A通常の(しかしviolaなので、violinより当然振幅の幅が大きなvibratoになります)
B低音域の幅の広いうなりのある独特の楽器によく乗っかったvibratoになります。

この3種のvibratoを聞き分ける事が出来るようになれば、 殆どのvibratoはその応用になり、いつでも楽に弾き分ける事が出来るようになります。

後は音の聴き方の問題です。
まだ、Risには、「質量感のない抜けた音」を、楽音として捉えています。
つまり、Risには、未だ正しい音に対してのimageが出来ていない点が、問題なのです。

lessonで、1音符、1音符ずつ注意していけば、その場では、ちゃんと理解は出来るようですが、未だ、自分で練習する段階で、そういった音を聞き漏らす、或いは気にしないで聞き流す(弾いてしまう)傾向にあり、1人での練習が、私にとっては、まだ心配です。

そのためにvideocameraを買ったのですが、ステレオ録音の音に対しては、高性能のvideocameraでも、「質量感のない抜けた音」を聞き取る事は難しいので、実際に演奏している時に、体感でそういう音を出した時に、反応出来るようにしなければなりません。

練習に関する問題は、自分自身が練習に対する集中力や意識をcontrol出来なければならないので、普段の日常の自分に対する克己心が磨かれなければならないので、いちばん難しいことかもしれません。
それが出来れば、pro意識というのは自ずから出来るようになるからです。


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2016/03/05 (土) 9:12
日本の音楽の勉強への考え方
日本の音楽界という意味ではなく、広く日本の教育界には一芸に秀でると言う諺があります。二兎を追う者は一兎も得ず、という諺も同じ意味でしょう。
確かに、学校教育と音楽や、アスリートたちのトレーニングとの両立は難しい!
そういった意味では、日本古来のこの諺は私も賛成するところです。
しかし、日本人が根本的に誤っている事は、一芸に対する考え方です。
音楽に進みたいという人たちは、副科楽器としてピアノを選択しなければなりません。
教室の多くの音楽志望の生徒達は、バイオリンは主科なのか、ピアノが主科なのか、判断が出来ないような両方とも卓越した技術を習得する1連の生徒達がいます。
私は作曲がメインなので、ピアノやバイオリンなどの楽器を練習しようとしたら、兄貴に
「それはamateurのすることだ! 」と批判されてしまったことがあります。
弦楽器や管楽器の人達が音大を受験する時に、音大のpianoのlevelが、いつまでもsonatineのlevelであるということが、或いは受験までに1度もpianoを習ったことがなく、受験のためにその1曲だけを大急ぎで仕上げるという人達が居る…ということよりも、そういう指導者が多いという現実があります。
作曲家が、広く浅くでも色々な楽器が出来る事は周知の事実で、当たり前のことだと思われるかもしれませんが、 Genzmer先生のClarinetやorgan 、violinやpianoはproの域であるという事はよく知られていることです。

一芸に秀でるという事が、 1つの教科、 1つの楽器しか勉強しないということは、日本独自の儒教の教育による結果です。ヨーロッパでは寧ろ色々な楽器をこなせるということが、proの条件となります。
当然、芦塚メトードでも、指導の過程でいろんな楽器をlectureして、弾きこなせるように指導します。
ここまでは、ただの前振りで、Risが音大に通いだして後、日本の教育界の実情にculturshockを受けることでしょう。
芦塚メトードでは、ある1つの楽器がその生徒のものになるまでは、基本的には他の楽器や、他のお稽古事とは、並行させないようにします。
生徒にゆとりが出てくるに従って、他の楽器にも目が行くように指導して、その生徒のcapacityを増やすように心掛けていきます。

今現在、Risに注意してsuggestしていることは、音楽に関係する諸々の勉強に対しての話です。
芸大であっても、桐朋であっても、他の私立の音楽大学であっても、音楽を勉強する人が、美術史や文化史を勉強することがないのは周知の事実ですが、それ以上に、音楽家の伝記や楽器の歴史、本来の奏法(period奏法)等の勉強を全くしない… 、技術の向上に対して無駄だと積極的に考えているのです。それが日本の音楽を卑小なものにしています。
それなのに、未だにそういったことに気がつかない…気がつこうとしない音楽界の現場があります。
私がいつも、質問している事は、その作曲家はどの時代の人か、その時代はどういう様式によって演奏されていたのか、その歴史はどういう時代背景に基づいているのか?等々の事を速やかに述べられるようになっていなければなりません。
日本の(世界でも似たようなものですが)伝承教育のように「師匠がそういったから」では、話にならないのですよ! ! 。
日本では、いろいろな職種に堪能であるということが「広く浅く」どういう意味のように誤解され、それはamateurismであると曲解されます。
しかしヨーロッパの本当のproはその分野の専門家と同等にディスカッションができるくらいの知識を持っています。
オケマン程度の技術レベルでよければ、日本流でも構わないのですが、室内楽にしても、ソロ活動にしても、ある程度自分を表現していきたければ、その知識は絶対条件になります!
期待の音楽大学で学べる知識は、微々たるものです。自分自身が、積極的に1分1秒を惜しんでその知識を学ぶように努力をしなければ、 proとしての教養は身に付く事はありません。


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