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Variation4の9小節目は、困った事に、音符の単位と拍が合わないし、8分の6拍子のrhythmをkeepすると、Basのrhythmが大変な事になります。


このpassageに関しては、色々な演奏家達の解釈があって、それぞれの解釈で演奏しているので、定番の演奏はないと言う事が出来ます。

その演奏例の中で、代表的な例を、幾つか、あげてみます。
譜例1:Basのthemaに、引っ掛けるように(装飾音のように)、鋭く演奏する弾き方です。

多分、この演奏例が、二番多い演奏例だと思われます。

この譜例よりも、更に鋭く、32分音符を、恰も、skipのように、32分音符ではなく、更に32分音符の3連音のように鋭く演奏している人達も結構、いました。
しかし、余りにもskipが鋭すぎて、私としては、不自然に感じました。


次に、それ程数は多くはないのですが、譜例1とは、真逆の例で、譜例2:のように、引っ掛けをゆっくりと、演奏する例もありました。

その場合には、上のmelodieのtempoというか、rhythmが変えられないので、上のmelodieの8分音符に、下の音を合わせて演奏している演奏家も見受けられた。
確かに、鋭くはないので、下のgroundは、自然に聞こえるのだが、音のmelodieの音と、上下の音が絡んでしまうと、それも、Biberの意図とはちょっと違うように思えるのですがね。






という事で、groundのrhythmを犠牲にして、8分音符のbeatを活かして、その小節だけ拍を長めに演奏する演奏者もいます。

譜ヅラ上は、不自然に見えるかもしれないが、実は聴衆は8beatで音楽を聴いているので、この演奏も不自然には聴こえないのだ。
この演奏法が上手く行くか、それとも失敗に終わるかは、聞き手に予め8beatのtempoで聴くように、印象付けるのが、その技術です。
audienceが、8分音符を単位に聴いているのか、付点四分音符を単位に聴いているのかによって、どちらの演奏が、より自然に聞こえるかが決まる。
勿論、どちらのrhythmで聴かせるかは、演奏者の演奏の技術によるのだがね。




実際の演奏を聴いて、一番多いのは、1番の奏法と、3番目の奏法の中間の折中的な弾き方である。
1番目の弾き方のskipを少しtempoをずらしながら、演奏するか、3番目の弾き方のBasのrhythmを、元の付点四分音符のtempoに近づけると、良いので、簡単そうに見えて、問題はなさそうにも見えてしまうのだが、その奏法では、上の旋律が端折られて聴こえてしまう、という欠点も持つ。

上のmelodieのrhythmがそのまま、繰り返されているように、弾きながら、下のrhythmを端折って弾くと良いのだが、その場合にも、melodieが不自然にズレて聞こえないように、細心の注意が要る。。

You Tubeを聴いていたら、上記の方法とは別の奏法をしている人を見つけました。
なかなか、自然で良いので、こちらの方も悪くはないです。



いずれにしても、このpassageの解答と呼べる模範の演奏はありません。
前後の小節のチョッとした、timingの演奏とか、演奏者の技術力が見れる場所で、とても面白い所です。
弾く方にとっては、ちっとも面白くはないのですがね。





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