(同教則本より、26番 ト短調等)
同じ音を、同じ指で弾くことは、ゆっくりしたtempoでは、何等問題は無いのだが、tempoが上がってくると、同じ指で演奏すると、過度に神経を使う弾き方になってしまって、筋肉や神経などを痛めて、腱鞘炎になってしまう。また、ピアノ自体の機構的にも、同じ指で弾くことは鍵盤が戻り切らない内に、再び弾く事になり、touchの正確性(音の粒の正確さ)を欠くことになる。そのために、同音連打の指替えは大変重要なテクニックになる。つまりBeyerの72番、73番の練習は、後日、より高度なテクニックを要する曲を演奏する技術を習得するための、重要な予備練習として捉えなければならない。
最も多い間違えた同音連打の弾き方
同音連打の弾き方は、それがBeyer程度のゆっくりした曲であれば、指先をすぼめるような誤った弾き方でも充分対応が出来る。しかし、それでは、打鍵の位置はめちゃめちゃになってしまい、misstouchを惹き起こしてしまい、演奏の確実性(安定性)にかけてしまう。
正しい同音連打の弾き方は、正しい正確な手の型をキープしたまま、手首を楕円に動かして、同じ打鍵の位置を正確にtouchする事である。
繰り返し述べるが、同音連打の奏法で、一番大切な事は、「touchの位置が常に同じである」ということである。それが音の粒の安定性を生み出す。
図挿入(仮の図)
シールの位置の軌跡が楕円になる。
このページは、あくまで打鍵の位置についてだけの、お話である。touchそのものについてのお話は、別文章として、別のページに掲載している。
とりあえず脱稿(2008年7月26日)
一静庵にて
芦塚陽二拝