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V楽章

この曲は、あたかもfugaのように、soprano(1stviolin)主調(dux)g moll から始まり、2ndviolinが応答(comes)の属調のd mollで答え、更に、「violaとcelloとKontrabassがunison」で(1声部として)(dux)で、入り部を形成します。

しかし、このfugaのような「入り部」は、最初の一回で、提示されると、そのfugaのthemaが、melodieのthema(旋律)としては使用されるのですが、fugaの「入り」としては、99小節目でもう一回繰り返されるだけで、「入」の断片は見せるのですが、fugaの入りとしては、その2回以外にはfugaの入りとして使用される事はありません。

そこでは、Bach等の、厳格な迄にtheoryに従った作曲法ではなく、古典派の自由な作曲法が見受けられるのです。
そういった所に、Monnの折中的な、推移期のstyleが見受けられます。


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