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私はbaroque独自のbasso continuoのグループを、ソリスト群として捉えて、orchestraのセンターにsoloグループとして配置します。
このbaroqueconcertoの独特のセッテイング法は、私独自の考えに基づいたものです。

右側の写真は、cellosoloの子供がお花の前でsolocelloを演奏しています。
basso continuo(通奏低音)celloを担当するお姉さんは、同じbasso continuo(通奏低音)を受け持つCembaloのお姉さんと、ほぼ同じ位置で演奏しています。
オーケストラのcelloはオーケストラの楕円軌道上の位置に居ます。
特筆すべき事は、この曲の並びは、通常の教室のbaroque並びではありません!
1stヴァイオリン、2ndヴァイオリン、ヴィオラ、チェロと、その後ろにコントラバスが位置する現代の通常の並び方になっています。
この曲に限っては、どうしてオーケストラはバロック並びではないのか??
その理由は、このチェロのコンチェルトにはファースト・ヴァイオリンとセカンド・ヴァイオリンの交唱が出てこないから、1stと2ndのviolinを両サイドに配置しても、baroque並びの特性が生かされないからです。
この曲の場合には、寧ろ、オーケストラ全体の響きを優先した方がよいからなのです。

ちなみに、ソロ楽器は出てきませんが、Pachelbelのcanonは、1st,violinと、2nd,violin,それに3rd,violinという同じ種類の楽器がカノンという追いかけっこをする形になります。
ですから、追いかけっこする楽器のmelodieが聞き取り易いように、音楽の立体性がもっとも生かせるように、各声部の交唱を生かして、左から1st,violin、
3rd,violin、cello、2nd,violinの順に並んでいます。
この並び方も教室独自の並び方になります。


6.orchestraの歴史
Vivaldi時代のbaroqueの時代には、通常は指揮者もいませんでした。
ソロヴァイオリンの人が指揮者の役も兼ねていたのです。
当時のorchestraは、オーケストラと言っても弦オケだけなので、orchestraの団員の人数も通常12〜15名ぐらいでした。(それでも大きい方かもね!?)
それにソリストや管楽器が曲にあわせて、その都度、補充される形をとっていました。
俗に言うトラよ!トラ!

Haydn、Mozartの古典派の時代になると、弦楽器の人数も増えて大人数になってきます。
とは言っても、私達が考えるオーケストラの人数とはまだまだ隔たりがあります。

で、ここで恒例の蛇足:
イ・ムジチの編成
イ・ムジチは1952年聖セチーリア音楽院の卒業生12名によって組織されました。当時の編成はヴァイオリン6、(所謂、1st、2ndの合計です。)ヴィオラ2、チェロ2、コントラバス1、Cembalo1です。
この人数は、baroqueensembleとしては、オーソドックな(標準的な)編成だといえます。管楽器はそのつど、外部から入れて演奏していました。


古典派になると、少し編成も大きくなります。
Haydnの残している資料によると、1stが8名、2ndが6名、viola、4名、cello、4名、Kontrabass、な、な、何と4名だそうです。(通常、この編成なら、Kb.は2名か3名で良いと思いますがね。Kb.はよっぽど、下手だったのかな??)

では、何故、baroque時代にはfullorchestraがなかったのか?
それは、管楽器の発達の歴史に関係してきます。
Haydnの時代には、まだベームが管楽器を改良する前だったので、クラリネットはまだ一般的ではなく、他のクラリネット以外の管楽器も自然管なので演奏は超人的で大変難しかったのです。
という事で、もし一般的な2管編成のオーケストラと言っても、金管楽器抜きの、クラリネット抜きの木管・・・・flute、oboe、fagotto・・と、運よくhornかな??
勿論、2人ずつ!
でも、管楽器は自然管なので、実際にはどんな音がしたのかは、想像に難くはありません。
10発音を出す時に、その内の9発の音は外れても仕方がないかもね。
それぐらい音を出すのが難しいのですよ。
興味のおありの方は、自然管で演奏したHaydnやBeethovenのシンフォニーのCDがあるそうなので、聞いてみてください。
(私のは何と、オープンリールなので、目下聞くことが出来ません。当時はオープンリールが一番音が良かったのでネ!)
ということで、baroque時代も古典派の時代も、作曲家は基本的には弦楽オーケストラのために作曲をしました。
それに、その時に作曲家の身近に優秀な管の奏者が居たら、適宜に、曲の中に管のパートを取り込んだのです。
ですから、Stamitzや初期のHaydnの作品等は、管楽器奏者がいなくても演奏には困らない曲が多いのです。

私がまだ音楽を勉強し始める前の中、高生の頃の話ですが、Beethovenのシンフォニーの譜面(スコアー)を初めて見て、「Beethovenは何で管楽器にこんな変な(不自然な)動きをさせるのだろう?」って疑問に感じていました。
でも、当時、音楽の先生でシンフォニーのスコアーなんか見る先生はいなかったし、ブラスも等々、私が高校を卒業するまで無かったんだよね。
そんな、戦後の段階の世代の時代さ!

当然、その疑問に、質問しても答えてくれる先生はいなかったね。
ただ「Beethovenの時代の管楽器は、全部、自然管で出来ているから、その書かれた音しか、出なかったのだよ!」と教えてくれれば、それで良かったのですがね。
今は、戦後も66年ぐらい経っているから、そんな初歩の初歩の事ぐらい、何所の中学、高校の先生でも、ホイホイと答えてくれるよね!    

ネ・・? ・・・・ネ・・・???