古ぼけたuprightの黒Pianoのお話 (見かけじゃあないんだよ・・というお話)
 

今は亡き、花園教室の私たちが「黒ピアノの部屋」と読んでる部屋には古びた傷だらけのアップライトピアノがありました。

今は新しい教室の1階のviolinのlesson室にあるuprightのPianoのお話です。

子供達が「いやだー!このボロピアノ鍵盤も黄色く薄汚れているよ。」と言ってしまう古ぼけたuprightのPianoなのですが、しかし、この古ぼけたピアノが芦塚先生を音楽大学に入学させて、しかもミュンヘンの国立音楽大学まで連れていってくれた芦塚先生の最愛のピアノなのです。

それだけではなく、芦塚音楽研究所で使用している無数の楽器の中で一番高価な楽器でもあります。



では、この古ぼけた貧相なuprightのPianoが、何故、教室に数多あるグランド・ピアノよりも高価で教室で一番高価な楽器であるかの説明をしましょう。

この古ぼけたピアノには、実は、レンナーのハンマーとレスローの弦が張ってあって、これは音楽家たちのあこがれのピアノであるスタインウェイのgrandPianoに張ってある弦とアクションと全く同じものです。所謂、steinway仕様という事です。勿論、steinwayではありませんがね??

子供達に評判の悪い「薄汚れた黄色の鍵盤」とは、もうお分かりのように、今日では使用することが禁止されてしまった象牙の色で、所謂、本当の象牙の鍵盤です。

本当の・・という意味は、こんにちでは、象牙を取る事は世界中で禁止されているからで、それ以前に作られた高価なPianoだけが本物の象牙の鍵盤なのだからです。

勿論、この象牙のみっともない黄色い色は、漂白をして、真っ白にする事が出来ます。
しかし、敢えて、漂白をしないのは、子供達に、この鍵盤の価値を分かって欲しい・・・という芦塚先生の配慮からなのです。

音楽家は本当の本物を見分ける目が必要だからです。

鍵盤が黄色いから・・・と言って、ベークライトの鍵盤の方に価値を見出したり、こんにちのように、イミテーションの象牙を本物と思うようでは、優れた音楽家になる事は難しいと思えるからです。

偽物と本物を見分ける目を養うように・・という芦塚先生からのメッセージなのですよ。




 教室で子供たちが結構乱暴に使っているため、傷だらけになってしまった黒いニスは、何と宇和島の七回塗りの塗装であります。

実はこの塗装だけでも相当高価なものです。
宇和島塗りは1回、2回塗りでも、Piano全体を塗ると非常に高価になる事は、宇和島塗りのお箸、1本が幾らかを知れば、その値段は理解出来るでしょう。

宇和島塗りのお茶碗ともなると、桐の箱に布に包まれて入っていて、冠婚葬祭の時にしか使わないでしょう?? ウン万円はするよね??それがpianoの全面に塗られているのですよ。7回も重ね塗りで・・・!!

それで価値は類推出来るのではないのかな??


uprightpianoの弱点は、先ずは音量と音質なのです。

通常は、grandpianoに対して、非常に短い弦長のハズなのですが、このuprightpianoの弦長は、グランドピアノ並みに長く、そのために高さは通常の大きなアップライトピアノの高さとほぼ同じですが※)、横幅は鍵盤に15センチほどプラスして長くしてあります。

そのために、重さはgrandpianoと同じぐらいの450キロにも達します。(通常のuprightpianoは重たい楽器でも250`ぐらいしかありません。)

※)今のuprightpianoは、interiorとしての、imageを大切にするので、弦を短くして、音を犠牲にして、その分、日本の家屋に合うように、小さめに作ってあります。
その方がよく売れるからです。



このピアノは、まだピアノが非常に高価で、庶民には手が届かず、街に数台しかピアノがなかったころ、畑1反とほぼ同額の値段で特別注文で作らせたハンドメイドのピアノなので、当時の最高水準の楽器なのです。

(・・・・とか、子供たちにこのPianoの薀蓄を話すと「おお、すごい!」とか言って尊敬の念でピアノを見つめます。はっ、はっ・・・!)


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検見川教室には、芦塚先生が探して来た古いヤマハのgrandpianoの他に、先生用のピアノとして、Petrofのuprightpianoがあります。(今は新しい教室の2階のHallのlesson用の先生用のsubのpianoとして使用しています。)
通常のlessonで芦塚先生が弾いている場合が殆どなのですが、2台のpianoで演奏する時には、生徒がsecondpianoとして弾いている時もあります。

昔は、並行輸入業者から、Petrofのpianoを安く仕入れて生徒さん達に紹介していたのですが、千葉のpianoの業者がヤマハのpianoを売りつけるために、酷い事を言ったので、芦塚先生は頭に来て、それ以来、二度とpianoの紹介はしなくなりました。

並行輸入なので、市価の半額ぐらいで購入する事が出来たのですが、Petrofも今は自由主義諸国の仲間入りしたので、非常に高価な楽器になってしまい、並行輸入は出来なくなってしまいました。
だから、Petrofのpianoを生徒さん達に紹介するのも、そろそろ潮時だったのかも知れませんよね。

音量は楽器が小さい分、少し弱いのですが、芦塚先生の場合には、touchが違うので、それでもgrandpianoに負けない音量で演奏されています。
音質は、とても素晴らしく、猫脚のrococo風もニスもとても良くってお気に入りのuprightpianoなのですが、残念ながら、もう生産されていないので、お薦めする事は出来ません。

猫脚の部分のupの写真です。
猫脚の曲線が無骨でぎこちない日本の楽器とは違って、流石はEuropaの伝統の猫脚で美しいslopeです。

芦塚先生が以前、pianoの紹介を頼まれて、このPetrofのrococoーmodelのpianoを紹介したのですが、pianoの業者の人に散々悪口を言われて、芦塚先生の所に、claimを言って来ました。
芦塚先生は、このpianoを捨てて、ヤマハのpianoに買い換えた保護者の人に「Petrofのpianoを処分するのならば、私に戻して・・」と言ったそうなのですが、そのヤマハの業者が新品のヤマハの下取りに、二束三文で引き取って行ったのだそうです。
まあ、勿体無い事を・・・、と芦塚先生は絶句していました。
気に入らなければ、戻してくれればその金額で引き取るのに・・と嘆いていました。

口八丁で業者に騙されているのだよね??

まあ、「売らんかな??」の業者の姿勢も悪いけれど、自分が習っている先生の事を信じられないで、音楽教室で音楽なんか学べる分けは無いのにね??

そういった事があって、芦塚先生は超、Shockを受けたので、pianoを生徒達に紹介するのはやめてしまいました。
だって、芦塚先生が進んで紹介する程ではなく、普通は一般の家庭にもpianoがある場合が多いので、敢えて紹介する必要は無いからです。
頼まれたから、紹介したのに過ぎないのに、営利目的でpianoを売ったように業者から言われてしまって、芦塚先生はpianoを生徒達に紹介するのはやめてしまいました。
もっと、質が悪いのは、芦塚先生に楽器のbestchoiceを尋ねるだけ尋ねて、買う時には業者の言いなりで購入する人達が結構いた事です。
でも、業者の言っている音楽の水準と教室で求めている水準は全く異次元のお話です。
ですから弦楽器の生徒達には、そういったtroubleは起こらないのですよ。
何故ならば、その生徒の技術のlevelで楽器を買い換えて行くから、お店も水準で変わってしまうからなのです。
pianoの場合には、steinwayやBosendorfer等の楽器を買うような生徒はいないのでね??

中野坂上のBosendorferのlesson室での、lectureーlessonの風景です。

という事なので、当然、弾いているgrandpianoは、Bosendorferのgrandpianoです。
勿論、1千万円以上の値段がします。
芦塚先生は、Bosendorfer派ではなくって、steinway派です。
それはBosendorferには自分の音があるので、その音を引き出すのですが、steinwayは、出したい色の音を出してくれるので作曲にはとても良い楽器だからです。

ヤマハ??テレビでヤマハの人が言っていたのだけど、「ヤマハのgrandpianoに1千万払ってくれるのならば、steinwayと同じ水準のpianoを作ってあげるけれど・・」と言っていました。
そりゃ、そうだよね??

誰が出すか??だよな??

芦塚先生がいつも言っている言葉があって、「大嫌いな凄い優秀な先生に学ぶよりも、大好きなダメな先生に学ぶ方が、子供は伸びるのだよ}という箴言があります。
ヨージーの法則と言うのだけどね??

どんなに優れた先生に付いて学んでいても、その先生が嫌いならば、その生徒は(勿論、或程度は伸びるかも知れないけれど)本当に伸びる事はないのですよ。

それは保護者も同じです。
最愛の子供に学ばせるには、自分が敬愛出来る先生でなければなりません。信じられない先生の下に最愛の子供を学ばせるべきでは無いのですよ。
それを勘違いしている人達がこの所多いようですね??

今でも、Petrofのrococoーmodelのpianoを探している人達がいるので、どこかに眠っていないのかな??
ヤフオクでも見てみたのだけど、ヤマハとカワイが殆どだったよな??
Petrofは一台も出品されていなかった。
antiqueは2,3台だけだったし、超、高かったよな??






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江古田教室から椎名町に事務所をお引越しするにあたって、古ぼけた家のimageに合うように、昭和レトロな100年ぐらい前のuprightpianoを調律師の方に探して貰いました。江古田教室のgrandpianoが椎名町教室に、入らなかったからです。

江古田教室のgrandpianoは、一緒に開設したユーカリが丘教室に持って行く事にして、新たにuprightpianoを椎名町教室用に購入する事になったのですが、どうせ、新しくpianoを買うのならば、芦塚先生の趣味を兼ねて、昭和レトロか、明治レトロのpianoを探す事にしました。どうせお金を出すのは芦塚先生だからなのですがね??

色々と倉庫をまわって見たのですが、それなりに古いpianoは結構あるのですが、、気にいったpianoは、とうとう見つからなかったので、大正年間の古い国産のuprightpianoがあったので、已む無くそれを購入する事にしました。

まあ、それ以外の選択肢が無かったので・・

純国産の100年前とは行かなかったのだけど、相応に古い楽器で、ornamentはそのpianoのoriginalの物です。

良いpianoにするには、暇に任せて手入れをすると良いのですが、なかなかそういった趣味の時間が無いので、買った時のままに使っているのですがね??

いずれにしても、昭和レトロのuprightpianoである事には変わりはありませんがね??


鍵盤数が76鍵しかありませんが、それにしては無骨で、大きいのよね??スッキリとしたPetrofのpianoとは真逆の対照的です。
音も結構昔風で重厚なので、手入れをすると良い楽器になる・・・か・・な???・・??・?

以下は、partsのupの写真です。

pianoの正面のoriginalのornamentです。燭台なのですが、勿論、一度も火をつけた事はありません。足は結構重厚な感じですね??
action部分は古いままなのですが、使用に耐え得るだけの、保存状態なので、弄ってはいません。

     



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