Parfring(象嵌)のお話


芦塚先生所有のヴァイオリンには変わったものが多いのですが、愛用の変型ヴァイオリン、所謂、オバQviolinの他に、縁取り(Purfling)が二重になっているものがあります。
この楽器は、クレモナの古い楽器なのですが、未調整ですので、木は充分に枯れているのですが、残念ながら、本当の音はまだ出ません。

演奏会に耐えれるぐらいに調整をすると、多分30万程は掛かると思われるので、二の足を踏んでいるのです。

それにしても、結構珍しいviolinで、何よりも縁取りが二重になっている所が、大変珍しく、古い楽器にはダブル・パーフリングといって、時々あったらしいのですが、実際には私はDouble-Purflingの楽器は、この楽器以外には、見たことがありません。





Purflingの説明のために、普通のviolinを・・・と思ったのですが、ハイツの自宅が倉庫状態で、楽器がパッと出せません。
という事で簡単に出せた楽器が、普通では無く、大変珍しい楽器でした。


この楽器は見た目には普通のviolinと同じに見えますが、実は、大変珍しい分数sizeのviolaなのです。
手作りの分数violaという大変珍しい楽器なので、小学2,3年生の子供が、難しいviolaの曲を弾き熟す時に、それなりの音を出してくれるハズなのですが、未だ実際に子供が演奏した事はありません。

流石に、小学2,3年生でStamitzのviola-Concertoを弾き熟すのは無理なのでね??

瑞希ちゃんでも、小学6年生だったからね??
それに無理をして、full-sizeのviolaで演奏していたからね??



Viola-Concerto D Dur C P Stamitz 千野瑞希(13歳)芦塚音楽千葉教室2019年 - YouTube



Double-Purflingのお話に戻って・・・・


手作りの楽器なので、大変丁寧に作ってあるのですが、このPurflingは勿論、手で彫って、糸のように細く切った1ミリにも満たない細い線を埋め込んで行くという大変な技術を見せる場所でもあります。

細い2本の黒の色の間の少し色の変わった所は別の木を埋め込んでいるのです。
大変な技術ですよね??

響版の罅割れをPurflingでくい止めるという人もいますが、そこまでの力があるのかは、私は疑問ですがね??

いずれにしても、渦巻き(scroll)と同様のviolin製作者の腕の見せ所の場所なのです。









   



 
裏側の全体

その面倒くさいPurflingをわざわざ2本も作っている・・という事は、何を考えたのかな??










安い練習用の合版のprint-violin(press-violin)では、この縁盗り(Purfling)が、彫ってあるのではなく、書き込んでいるだけなのです。
pressされたviolinに、Purflingをするだけの価値は無いのでね??






私の所有のviolinですが、baroque-violinとして、普段は斉藤先生が演奏会で弾いています。

このviolinのPurflingは、もっと装飾的で、美しいですよね??

Purflingの部分だけをupしてみましょう。





baroque仕様なので、駒もbaroque特有の装飾がなされています。

先ずは、弦がgut弦ですよね??

勿論、指板もmodernの楽器に比べて広いし、その他にも色々と違いがあります。

今回は、更に細かい細工のなされたPurflingを見てください。
書いているのではなくて、埋め込んでいるのですよ。
凄い!!の一言です。

これだけの細かい仕事がしてあるのですよ。

良い仕事をしていますね〜ぇ??