集中と観察

お話1

ある人が宝探しに一生をかけていて、やっとある場所の100メーター四方を掘れば、お宝が出てくるというところまで分かった。で、その人は100メーター四方を30センチの深さまで掘ってみたのだが、結局何も出てこなかった。そこでその人は諦めてしまったのだが、本当は31センチの深さのところに宝が埋められていたのだよ。あ〜、残念だね!

 

お話2

今度はその反対のお話(周りが見えない)

地震があった。ドアが家具で塞がってしまった。逃げようと家具を退かしている間に、火が回ってきて焼け死んでしまった。ちょっと、後ろを見てみると窓があってそこから飛び出して逃げる事ができたのにね。出入り口はドアしかないと思い込んで、周りを見なかったんだよ!ア〜、残念だね!

 

お話3

いつも私が言っている事だから、そろそろ耳にたこが出来た頃だとは思うけど、二兎を追うものは、一兎も得ず!と言う諺についての話だけど、よく意味を誤解されるんだよね。

先生の諺では、二兎を追うものは、3兎も4兎も得る事が出来る・・と言う話なのだけどそれは一芸に秀でた人の話なのだよ。富士山のように高い高い山は裾野が幾つもの県にまたがっているけど、上野の山のように低かったら、山があること自体誰も気がつかないよね。

 

お話4

お蕎麦屋さんのお話

とても美味しいお蕎麦屋さんがあった。だから次にもう一度食べに言ったら今度はお蕎麦が伸びきっていてぐちゃぐちゃで、非常にまずかった。演奏家でもそれによく似たような人がいて、乗って弾くときには、神がかり的に上手いのだが、乗りが悪いときには全くつまらなく投げやりに弾く。多分芸術家なのだろうが、そういう人は職人ではないよね。

 

お話5

みんなが練習をしていて、「(練習が)出来た」ということはどういうことなのかな?

まずは間違えないように弾くよね。[1]


10回弾いて、10回ともちゃんと間違えなく弾けるようになることを、「できた」と言うんだよね。

10回弾いて、1回だけ上手く弾けたので、「あっ!出来た!」とは言わないよね。

 



[1] 練習の仕方については、それぞれのグレードで、練習の仕方(方法論)が違います。このお話を聞いている対象の生徒達は、芦塚先生のlessonを受けるグレードのレベルの生徒達です。それ以外のlevelの生徒の練習の仕方については、ホームページの「練習の仕方」を参照してください。