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確かに、facsimileでも、inventionの14番の9小節目の右手の最後の音がAになっている!
「間違えて、覚えるはずはないのだがね〜っ??」

歳を取って記憶力が衰退してしまった・・という事で、その日は、そのまま終わってしまったのだが、次の日になっても、奥歯に物が挟まったような感じがして、諦め切れない。


何気なく、inventionの楽譜を見ていた時に、突然、ふと思い出した。

「そうだ、私は子供達には、Wilhelm Friedemann Bachの版(Bishoff版)で、装飾音を付けて指導していたのだった!」
慌てて、本棚から楽譜を出しして来た。

改めて、確認をしてみて、安心をした。
「いやいや、未だ、大丈夫だ!未だ、アルツハイマー病ではなかった。版の違いを忘れていただけだ!!」という事で、Wilhelm Friedemann Bachの練習帳(所謂、Bishoff版)のcheckである。

上の楽譜は、Wilhelm Friedemann Bachの練習帳によるBischoff版で、全音楽譜の出版になるものです。
下は、Wilhelm Friedemann Bachの練習帳のBachの直筆譜です。
兎に角、とても美しい筆跡です。

要するに、facsimile版が、2冊あって、非常に美しい有名な版と、Wilhelm Friedemann Bachの練習帳のfacsimile版があって、Bach自身の手によって、音が変えられているのです。
どちらが正しい音か??って??それは、私の決断する領域ではありません。
それぞれの版に従ってください。(ドイツ語で、それを「Das ist Geschmackssache」それは趣味の問題だ!と言います。)


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参考までに:

◆7/27(月)
CNさんとTMさんと行きました。

@ 各学科説明会―弦楽器
****先生(Vl.)の説明。
基礎はどんなに難しい曲を演奏することになっても、いつまでも必要なもので、その基礎力を大切にして表現力が生まれるもの。そのため、入試では基礎がどのくらいできているかを重視する。ただ、インスピレーションで弾くのはよくないが、機械的に弾きすぎるのもよくない。
 授業は、1年→弦合奏・室内楽・副科ピアノなどが必修。2・3・4年→オケ。室内楽は選択可。
カルテットやピアノを含む室内楽もおこなう。
1・2年は後期学期末に演奏の試験あり。3年は15分のプログラムを演奏。(ソナタなど)4年は卒演が1月にある。


A ヴァイオリン一般人公開レッスン
****先生―高1の女の子
聴講定員は60名だったが外で空席待ちの人が20人ほどいるくらい人気だった。
小学生〜高校生と聞きに来ている人の幅はさまざま。

1. バッハ Fdur Largo 4/4拍子の曲
・一度全部生徒が演奏した。
・音程が単音だとすごくびしっとはまっていた。和音だとすこし聞けていない。
・楽器が先生のほうが鳴っていなかった。
・楽器の構え方の指導。生徒は肩に力が入って首が前につきでていた。首のうしろから背中まで1本の棒が通っているように、と指導して、先生がお手本を見せたのだが、先生は肩当てを使っていなくて、姿勢が悪く胸が張れない、あまりお手本にならないかまえ方かなと思った。
・生徒の弓の持ち方が3点支持で、小指がつっぱってしまっていた。本人もそれに気づいていて、毎日鏡の前で気を付けながら練習しているらしい。弓はひじから動かしていた。そのため、移弦に雑音が入ってしまったり、和音などの音が雑になってしまったりしていた。
先生は、
「腕・二の腕のまわりに力がはいってしまっていて、首回りもリラックスできて弾けていない、一番楽な姿勢で弾きましょう。」と言っていたが、そもそも3点支持で弓を持ってしまっているため、手首が動かせるわけがないのに、手首をつかって弾かせようと頑張っていた。
また、教えるときに
「手首」という言葉を全く使わなかったのが少し気になった。
細かい刻みを弾くところも、先生の説明では肘から動かして弾くのか手首を使わせたいのかあいまいで、わかりにくかった。(先生は1点支持で、手首は少しだけ使って弾いていた。)

・バッハの演奏など、「ピリオド奏法」というものがあると説明していた。
近年はテンポを速めに演奏するのが主流らしい。バッハのファクシミリ譜面についても少し解説をしていたが、(おそらく生徒が使っているであろう)今日の譜面とファクシミリ譜面のスラーの違いなどには触れていなかった。
ファクシミリ譜面の長いグニャグニャと書かれたスラーは、バッハが弾いてほしいような起伏でグニャグニャと書かれている。みたいなことを言っていた。
楽譜上にスラーが書かれているところはdim.で演奏するのが主らしい。

・トリルは(生徒が)全部下からかけていたが特に指導はなかった。
その音に入ってからしばらくしてから後押しも加えながらトリルをかけていたので、余計に聞いていて気持ちが悪かった。
ビブラートも、後押しのタイミングでかかる。

・移弦のときには弓を少しもちあげて浮かせぎみするのを意識すると弾きやすいらしい。
移弦の練習で、解放弦だけで練習していた。
その時に、先生の調弦をしないままで、くるったままで気になった。調弦してほしかった。

・和音とその前の音がぶち切れになってしまっていたが指導はなかった。
これも弓が浮いて手首が持ち上がったままだからかなと思った。

・生徒の演奏が、2拍ずつbowスラーのところでフレーズがとぎれとぎれだったので、それを直そうと頑張っていた。
1小節の取り方を4/4拍子で円運動を感じられるように、と頑張っていたが、体を使って弾けば早いのに、と思った。
フレージングなどは特に、「生徒が普段のレッスンで教え込まれて家で反復して体に染み込んだもの」という演奏だったので、なかなかすぐにその場では治らなさそうだった。ただ、体を動かすという指導は全くなく、生徒も、弓やアーテュキレーションに関係なく体を動かして弾いていた。

・「終わりの音」を弱くやさしくていねいに弾く、という習慣がないらしい。生徒はもちろん、先生のお手本の演奏でもそういう風には弾いていなかった。まず、フレーズのきれるところが聞いていただけでもおかしいなと思った。

2.Bdur 6/8拍子 中間部はgmollの何かのエチュード

・移弦と弓の持ち方の指導が続いた。小指を「おく」ように指導していた。

・弓量配分を少しチェックしてほしかった。終わりの音に弓がなくなってしまっている。VVVVとアップが続くbowの時に、Fr.で腕をつかって弾いていたので大変そうだった。

・左手の指の押さえ方。小指は、第2関節はたっていたが、親指が(私の力が入っているときと同じように)力が入って反ってしまっていてネックを持って弾いていたので、特にG線のオクターブのハイポジション移動の時などが大変そうだった。忙しいところほど体が片側重心で、腰も高く大変そうだった。

・移弦の時は腕の重さを弓に乗せるようにと指導する一方、移弦の瞬間は弓を少し浮かせぎみにすると弾きやすい、弓や腕、肘をすこし持ち上げて肘をまわすように弾く、などと逆効果のことを説明していたり、矛盾していたことが多かったりとわかりにくかった。

先生に言われた弾き方を、その場でぱっと弾くのはふつうは難しいのだとわかった。
いろんなところで活躍されていたり、実績もあったり准教授でえらかったとしても、教える技術というのは全く別で、教えるのが上手だとは思わなかった。
「斉藤先生のレッスンの方が全然わかりやすいねー」と、CNとTMが言っていました。




B 室内楽管打楽器前期発表会
曲目: 打楽器のためのトッカータ…カルロス・チャベス
フランス・ルネサンス舞曲集…クロード・ジェルヴェイズ
木管五重奏のための組曲「ルネ王の暖炉」より…ダリウス・ミヨー
木管五重奏曲 ト短調 Op.56-2…フランツ・ダンツィ
小室内楽曲 Op.24-2…パウル・ヒンデミット

私の勘違いで、弦ではなく管打楽器の室内楽でした。
せっかく来たので奏楽堂の中も見られるし、室内楽の雰囲気の参考にもなったら、とコンサートの前半だけ聞いてきました。(前半だけで2人とも寝そうだったので。)

打楽器の室内楽に指揮者が出てきて、びっくりしました。
打楽器にも室内楽があるのだと知らなかったため、初めて見ておもしろかったです。ほかの曲も合わせて、一番気迫があった気がしました。
管打楽器の室内楽はよくわからないので、よくわかりませんでしたが、「アンサンブル」として、管楽器だから自然に息もするためか、一体感というか各かけあいや絡みあいの見合い方、最後の音の取り方、アインザッツなどが上手でした。お客さんを意識した演奏だったと思いました。

木管五重奏が、私の知っている室内楽の形に一番近かったので、演奏自体はよくわかりませんでしたが3,4曲目はビジュアル的にも?曲の運びが参考になりました。ホルンは粒がそろわないのはしょうがない楽器なのですか?ホルンが弦楽室内楽のヴィオラみたいな役割をしているのかなと思ったのですが、あまりおいしいところを持って行ききれてない感じがしました。
ヒンデミットの曲は、ずれかかりそうな気がして、演奏もいっぱいいっぱいでした。


7/28(火)
一人で行きました。

ヴィオラマスタークラス公開レッスン
****准教授
聴講定員は20名だったが、人の出入りはあったが15人ほどしか来なかった。
レッスンは3人とも女の子だったが、聴講に来たのは男の子ばかりだった。先生の教え子と思われる男の子が、仙台から来ていた。

@ 1年 YMさん
1. 音階 fis moll
受験の時の同じ個所。

・小指がねている→たてる。第2関節をたてるように、アーチができるように。

・ポジション移動の時にさぐりが入ってしまう→ポルタメントが入ってしまうということは、余計な力がはいってしまっているということ。ポジション移動の時に大事なことは、脱力して、弦をなでるように移動すること。

・分散和音の頂点の音が高すぎてしまうのは、4の指を強くおさえすぎているからだといっていたが、分散和音の頂点の音は全部低かった。あれ?強くおさえすぎて高くなることはあるのか??

・芦塚メトードでいう「たたき」のことを「インパクト」「瞬発力」といっていた。音階の粒が出ていなくて、たたきがほぼない状態で弾いていた。

・半音階は、Va.のつよみのため、ビシッと音程を正確に弾こうと言っていた。(Vl.はハイポジションが狭すぎてしまうため)ただ、どうやったら正確に弾けるかは指導してくれなかった。生徒は指の感覚的に半音階を弾いているため、要・ポイントとなる音を意識すればいいのかなと思った。

・3度の音程が、全部はまっていなかったため、1和音ごとに丁寧にみていこうとした。最初のFisとAの和音は、Aの音は解放弦のa線が振動する場所が正しい場所だから、その正しいAをとってからそれに合うFisをとろう。と、説明、お手本を見せた。コンゾナンツのことを言っているみたいであったが、お手本の時にも楽器自体は鳴ってないし、でもすごくいい(だろう)楽器なために、力ずくで無理やり弾いたら楽器が鳴っている風に聞こえてしまう。生徒は、AをとってからFisをとったのだが、最初に弾いた音から「どう動かしたのか」(高かったか低かったか)がわからないらしく、適当にぐにゃぐにゃ動かしていたらあっちゃったと言っていた。

・3度は、指で弦をしっかりとおさえてしまうとはもらないので、ぼかして弾くことが大切だと言っていた。衝撃的でした。

・増2度は高めにとる

・8度は室内楽のunisonと同じように、音が一つに聞こえるように。室内楽と同じで、下の音をよく聞いて、下の音を豊かに弾く。旋律的な音程になるように。上の音はあまり弾かなくてよい。

2. カンパニョーリ カプリス No.22 Fdur

・ヴィオラは、音域の割に楽器の容積などが小さすぎて、音がくすんでしまうなど発弦のトラブルが多いため、常に気を付けなくてはいけない。発弦をしっかりと弾くように。と注意したら、なおさら後押しがひどくなってしまった。弓と弦の粘着について説明すればわかりやすいのかなと思った。「クリップ」のことかなと思った。

・この曲のスタッカートが全部突き弓になってしまっていたが、先生のお手本もそうなっていたので先生の中ではOKらしい。

・フォルテピアノを出すには、弓の場所(駒より指板よりか)を変えるとよい。弓のSp.やFr.については?また、駒よりにしても、きり弓にしていないから音が裏返ってしまう。→ヴィオラ奏者は駒よりを嫌う人が多いのだけど、弓にしっかりと腕の重さをのっけること・弓のスピードを上げることを意識すれば大丈夫。と言っていた。けれども、結局直っていなかった。

・VVVの弓は、全部Fr.で弾くものなのか?ヴァイオリンでもヴィオラでもみんなそう弾いていて、音が汚くなっちゃいがちなのになぜだろうと思った。

・和音まで後押しをする。それを残響だと思っているらしい。

・ぬきの部分は全部後押し。→「あとふくらみ」といって注意していたが、やはり先生のお手本も後押しの度が低くなっただけ。


A 2年 SUさん―伴奏の男の子
シューベルト:アルペジオーネソナタ T楽章(藝祭で弾くらしい)

・1点支持

・フルコンのグランドピアノで、指がのびきっていてあんまり音色を意識していない弾き方で伴奏していたので、かわいそうだった。その割には、ソナタなのにピアノとヴィオラが対等でなくて、掛け合いが聞こえなくて物足りない感じがした。あくまでも、「伴奏」といった感じだった。楽しそうに弾いていた。

・室内楽としてレッスンをする。

・全体的に長く聞こえた→全体のテンポをあげてみてはどうか?たしかに、ヴィオラの人が弾きたいテンポと前奏のイメージが違った。でも今まで2人で伴奏合わせ何度もしてきたみたいだが…?テンポの揺らしは2人でぴったりだったがアーテュキレーションがばらばらだった。また、長く聞こえたのは、曲全体の流れ・山が聞いていてもあまりわからず、意識されていないのかなと思った。

・楽譜に書かれたcresc.などは、シューベルトが細かく決めたものなので、忠実に守って弾きましょう。(といっていたが伴奏譜と書かれている強弱が異なっていたり、先生の楽譜とも違ったり…)

・cresc.の最後でしぼんでしまっていて、山がわかりにくかった。私みたいだった。

・dim,の中にも後押しがあるためか、山がいくつもあった。

・ドシレドドシレドドシレドドシレドのところまで、細かく後押しが入っていて、ここまでくると器用だと思った。

・ピチカートにビブラートを入れること、手の動きで余韻を出すことは知らないらしい。(逆に私はピチカートに向きがあることを知らなかった。)

・ルバートの法則を知らないらしく、Kadenzっぽいところが不自然。

・ロングトーンの弾きかたのコツを先生が教えてくれない→Pf.が合わせて、はやく入ってあげましょう


B 3年
ヒンデミット:無伴奏ヴィオラソナタ Op.25-1 TUV楽章

・3点支持

・時代背景を考えなくてはいけない曲。

・和音一つ一つに色がある曲なので、指の瞬発力を意識して和音をとる。

・バッハの順次進行が用いられている。

・アクセントは首を振って出すらしい。

・強弱・Vの発弦をしっかりつける。

・V楽章はバッハと同じで…といいつつ、和音の弾き方が3弦ばらばらで、雑だった。終わりの音の場所も違う。

・手首のことを初めて口述していたが、「ここのばね」と言っていた。T楽章の和音が連続するところでは、「ばね」を使わずに固い音で弾くらしい。

・とにかく、今までの3人の中で、(曲がヒンデミットだからかもしれないが?)音が一番雑で、聞くのがけっこう疲れた。ただ一番いい楽器で、コンゾナンツらしきものがかろうじて鳴っていた。先生の楽器よりも鳴っていた。


最後の3年生だけ、意識が違ったように見えた。
ヴァイオリンとヴィオラのクラスの差に驚いた。来ている親の顔つきも全く違った。

准教授たちは、もっと教えるのが上手だと思っていた。
ほんとに体はつかって弾かないのだとよくわかった。
学科説明会の親は、とにかく怖い人ばかりだった。(特に、近くにいたピアノ科と声楽科のお母様方)
学科説明会にはいろんな人が来ていてびっくりした。上に書いたように、恐ろしく怖い親と楽器より重いものは持ったことがないような子供から、説明会の声が聞こえなくなるようなくらいうるさい声で、学校の補習や夏休みの話をしているちゃらちゃらした高校生まで。

昨日、RSちゃんの芸大OCの感想文を新幹線の中で読もうと思ってプリントアウトしたのを持っていました。
演奏会が終わったあと次のレッスンまで時間が空いていてSOちゃん家で待たせてもらっている時に暇だったので、その感想文をSOちゃんとお母様にお見せしたら、色々言っていたので、一応報告します。

お母様 
「うわ〜辛口やね!これは、UH先生のことを言っているんですよね?芸大の先生達に対してこの辛口コメントですか?大したもんだわあ」
「この子は評論家とかになったほうがいいんじゃないですか?芸大には行かない方がいいんじゃ?留学とかの方がいいのでは?」
「冷静に見てますねえ。レッスンを見ながらメモとかとってたのかな?帰ってレポート書くまでにこんなに覚えてられませんよね?文章力とかもなかなかですよね。」
「先日芸大卒の演奏会とか聞いたのだけど、バッハのシャコンヌと、バッハ=ブゾーニのシャコンヌを続けてやっていて、「なんで同じ曲?飽きるなあ」と思って聞いてました。特にviolinはPianoに比べられたら迫力がなくてちまちましててまったくこじんまりと、それこそ全然体も動かずに弾いていたから、あんなふうになってしまうんならねえ・・・・RSさんのような子が芸大に行ってもどうなんでしょうねえ?」

SOさん
「アクセントを首を振って出すって?こうやんの?ええ〜??!」(SOが首振ってみて笑っていた)
コンゾナンツらしきもの とか、 後押しを残響だと思っているらしい とか、言い回しにトゲがあるところが面白かったみたいで、SOちゃんとお母様でウケまくって笑っていました。

私としては「芸大の教授でもこんななんだよ。」ということを少しでも知ってもらおうと思って見せたのですが、お母様達にとっては、RSちゃんの辛口批評の方がインパクトが大きかったみたいです。

このメール、RSにも送っといたほうがいいかな?
しかし、そうすると
「やっぱり芸大行きたくない」とか言い出しそうだな・・・・