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Bachのoriginalの譜面で演奏する事は、その記譜(使用されている音部記号)によって、一般の人達は、楽譜を読む事は、無理であろう。
私の教室では、(私の生徒に限っての話なのだが、・・・)音楽を専門に勉強している生徒は当然であるが、学業の片手間に、音楽を趣味として勉強しているのに、過ぎない近所の子供達でも、原典のBachが書いた記譜通りの譜面を使用している。
昔の私の生徒達は、例え、趣味の生徒であっても、芦塚式のscale教則本と、Bachのinventionやsinfoniaの勉強は、そういった専門的な勉強は、私の教室のmethodeとして、通常のコースとしてやっていたのだが・・・、これは昔昔(1990年代の)お話であって、その後、私が心臓の手術で入院して以来、体力的な問題で、私が直接、生徒を指導する事は、していないので、そういった特殊なmethodeで、scaleやBachを勉強している生徒は、今はもういない。


scale教則本は、目下製作中であるが、「scale教則本が、私、独自のmethodeである」という事を、教室の先生達にも理解して貰えないので、(scaleはscaleにしか過ぎないので、私のmethodeが独特であるという方法論が理解して貰えないので・・・)20年経っても、未だ未刊のままになっている。

という事で、Bachのinventionenと、symphonienに限ってのお話ですが、若しも、断ってのご希望があるのならば、教室での簡易製本ではありますが、実費5000円+(消費税、送料)で、お分けする事は可能です。
但し、inventionenの15曲と、symphonienの15曲はそれぞれ、別売の@5000円(単価)+消費税8%と送料をいただきます。

但し、予め、ご注意しておきますが、この楽譜は、原典に記譜されている音部記号をそのまま使用して記譜していますし、symphonienでは、更に、それぞれの声部を3声部に分けて、scoreとして記譜した譜面を使用していますので、一般のピアノを勉強している人達や、音楽大学の学生には、この譜面を使用してのlessonや、この譜面から直接の演奏は難しい・・のでは、と思っております。

では、何で演奏不能な楽譜を作ったのか?というご質問には、私の教室(Ashizukaschule)では、昔も今も、子供の内から、例えPianoの生徒であったとしても、ハ音記号で書かれた譜面を、普通に使用しているので、このinventionやSinfoniaを、この楽譜で練習する事は、無理難題ではないのですが、教室以外の生徒さん達で、そういったいろいろなハ音記号の記譜を読む訓練を受けていない生徒にとっては、この楽譜を使用する事は不可能と思われますので、生徒に使用する事は、くれぐれもご注意ください。
・・・ということで、返品には応じられないので、予めこのPageに掲載されている譜面を熟読の上で、ご検討ください。



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Bachのinventionの指使いについて

当然のことではあるが、inventionやsinfoniaには指使いは書いていない。という事で一般の譜面に書かれている指使いは、校訂者の手によるものである。
しかし、その指使いが、Bachの意図に近いものであるか否かは、全く論外のお話である。
Bachや、古楽器の研究者がBachのinventionやsinfoniaを校訂したことはないし、指使いも楽譜を校訂したpianistの手によるもので、Bachの意図等という前提すらない。
また、Bach当時の指使いは、「Cembaloという古い楽器を演奏するために、親指の使用を極力控えて、eccentric(エキセントリック=奇妙)な指使いが多用された。」と書かれた文献が多く、また、それが一般的な解釈であるから、当時の指使いを記す事自体がありえない事であった。
しかし、実際には、Bachの指使いに対する考え方は、父親を尊敬し、折に触れて父親の音楽の指導者としての考え方を伝えようとしていた忠実なる息子、Emanuel Bachの手によって、かなり詳しく知ることが出来る。
Emanuelによると、寧ろ、Bachは黒鍵にも平気で親指を使用したり、同じ音型のmelodieのSequenzには、同じ指使いを使用する等、その指使いの使用法は極めて論理的で現代的でもある。
C.P.E.Bachの「Versuch uber die wahre Art das Clavier zu spielen 」という著書にも、Emanuelは「父親からそのように学んだ。」と書いている。

同じ音型に同じfingeringを使用するというTechnikは、Prokofievが彼のPiano作品で、そういう風に指使いを使用するように指示している。
それによって、繰り返されるthemaのphrasierungのarticulationが、自然に無理なく演奏出来るからである。

実際の指使いの例: inventioのT番のfingeringの例:

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