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お米をとぐ時のとぎかたは大きく2種類あります。
お米を手のひらで揉むように、押す研ぎ方と、ざっつとかき混ぜて、白濁した米の研ぎ汁を2,3度捨てて、後は、流水で研ぎ汁が透明になるまで、さらす研ぎ方です。
ご飯の美味しい全国に名の轟いている料亭でも、この2種類のどちらかの研ぎ方をしているようです。

私の場合には、後述の、ざっとかき混ぜて白濁した米の研ぎ汁を捨てるやり方なのですが、それは揉むように研ぐと、お米の栄養の部分も削ぎ落とされてしまうし、今のお米は、とても衛生状態の良い管理された環境で育てられて、売られているので、そこまで神経質に洗う必要はないからなのです。

昔々の、戦後間もない私の子供時代の頃のお米には、よく、小石や木屑のような物が入っていて、食べていると
「ガリッ!!」と、なって、口の中から小石を出す・・という事も、日常的によくあったのですよ。
勿論、昔は田圃には、農薬も大量に使用されていました。今の中国のようにね??
赤い旗が幾つもその水田を取り囲んでいて「農薬注意」と書かれた札が貼られていました。

いつの頃からか、小石の混じった米は、全く無くなってしまったし、安いお米だったとしても、国産のお米を買う限り、農薬の心配も無くなったので、
「透明になるまで、よく揉んで研ぐ」という事は、健康的な意味からは、その心配はなくなった、と思います。

また、米の研ぎ汁は、1回目や2回目の濃い研ぎ汁は栄養の塊なので、そのまま捨てるのはもったいないので、暇のある時には取って置いて、植木にやったりします。
勿論、土鍋等の目地止めにも使いますしね。

米を研ぐ・・という事は、冬場は水が冷たいので、結構、辛いものがあります。
でも、私風の米の研ぎ方ならば、こういう便利なものも発売されているので、楽ですよ。

全く一度も水に手を触れないでお米を研いだりする事が出来るのですよ。

冬場の手の切れるような冷たい水でお米を研がなければならない時に、急いで雑にちゃちゃちゃと研ぐよりも、道具を使って丁寧に研いだ方が、より、良いと思いますが、それを忌み嫌って嫌がる人は結構多いようです。
不真面目・・と、捉えるようですよね。

昔、私が音楽教室を作ったばかりの頃の生徒のお話なのですが、小学生の女の子から、相談を受けた事があります。
「お兄ちゃんは勉強するのに、畳の上に寝っ転がって、教科書を見ていても、全く怒られないのに、私は机の前にちゃんと座って勉強しないと、すごく怒られてしまう。」という相談でした。「一応、お母さんとお話をしてみるけど・・」と、約束はしたのですが、家庭の教育方針の違いなので、お話をしたのですが、改善はされなかったようです。お兄ちゃんはお母さんの言う事を聞かないので、自分の勉強のstyleに徹していたようです。ここの家庭は、お兄ちゃんも本人もすごく成績の良い子でしたが、お兄ちゃんはPianoではなく、サッカーに熱中していたようです。妹は、成績もPianoも学校では一番のオールAの生徒でしたが、でも、そのPianoの水準は、教室の生徒の中でなら、普通の生徒のlevelになってしまいます。学校では幾ら一番でも、私の教室では、目立たない普通の生徒になってしまうのです。

日本の教育では、しっかりと、机に座って、形を整えて威儀を正して勉強する・・という事が、勉強をする上での必須条件になっています。畳に寝転がって、教科書を・・・、なんて事は、許される事ではない・・という家庭が多かったのは事実です。

机に座ってぼんやりと教科書(問題集)を見て、時間だけ掛けて、勉強したつもりになっている子供達には、
「やる気がなければ、やらない方が良い!」と、私は注意するのですが、学校の先生でも、「それは習慣付けだから・・!」と言って、否定する人の方が多いのです。
でも、
「集中をしなくても、その場に居さえすれば良い」という習慣が付いたら、逆に「良くない」と、私は思うのですがね。
芦塚メトードの
「手抜きの勧め」は、無駄な作業をしないで、その分、大切な作業に時間を掛けて、「手を抜いて実を取る」という意味なのですがね・・・??
機械に任せる事の出来る作業は機械にさせて、その分時間を稼いで、丁寧に仕事をする・・という意味なのですよ。

また、水だけを足せば良いという無洗米もありますが、そこまで、不精をするのなら、いっその事、「レンジでチン」のご飯でも良いでしょう。勿論、人数が多い場合には、無洗米の方が、経済的にマシです。

「レンジでチン」は、一人辺りのランニングコストが高くなりますので、「レンジでチン!」でご飯を作る事は、家族単位の話ではなくって、あくまで、私のような一人暮らしの生活の場合の話だけの事ですがね。

改めて「レンジでチン!」のご飯を調べてみたら、色々なメーカーやご飯の種類がイッパイあるのに、すっかり驚いてしまいました。

先生達は、ご飯を炊く時に、ご飯が余らないように、結構、ギリギリに炊きます。残りご飯をレンジで温めるよりも、新しく炊き直した方が美味しいに決まっているからです。

しかし、私の場合には、その日に食べ残した夕飯を、次の日の朝、昼用に私の自宅に持って帰るのですが、おかずは結構あるのですが、ご飯が、朝の一回分、或いは、一膳分だけで終わってしまいます。
どうしてもご飯が足りない・・・、そういった時に、この「レンジでチン」のお世話になっています。


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土鍋のお話
  写真は、2合炊きの万古焼の土鍋です。
分厚い土鍋のお釜なので、遠赤外線が出て、ガスでとても美味しく炊けます。
私がこのお釜に目を付けたのは、電気釜は、4合炊き、1升炊きと、炊くお米の量が増えれば増える程、美味しく炊けるのですが、私の一人用に、1合だけ炊くと、美味しく炊けないのですよ。
昔々には、私も電気釜の1合炊きを持っていたのですが、一人暮らしを始めた音大生の弟子達に
「欲しい!」と言われて、持っていた電気ガマ、2,3台を、生徒達にプレゼントしてしまいました。
それ程、気に入っていた分けではなかったので、愛着もなかったしね。

それで、次に、この土鍋に目を付けた分けです。
但し、この土鍋は手抜き料理ではありません。
丁寧に、お米を研いだり、事前にお米を冷蔵庫で冷やしておいたり・・と、手間の掛かる調理器具だと思います。

手間を掛けたくない時用に、私が使っている磁器の1合炊き用の「レンジでチン!」とする、土鍋・・ではなく磁器もあります。

買った磁器では、レンジ用の1合炊きの磁器の方が、利便性があるので、使い手があるのかもしれません。
  その磁器のお鍋はお釜の部分が、そのまま、お茶碗になるので、重宝していますが、欠点は沸騰した水がレンジの受け皿に少し溢れる所です。
勿論、土鍋で作る程は、美味しくはならないのですが、それなりに美味しく炊けます。

でも、私の自宅の電子レンジ(私の電子レンジは教室に取られてしまって、代わりに教室の安いレンジが来ているのですが、)は、耐熱ガラスのお皿なので、取り外しが楽なので、余り気にはならないのですが、お皿を取り外すのが難しいタイプのレンジもあるので、どうかな?・・と、思ったのですがね。


土鍋のお話に戻って、本当は、この万古焼のお釜は2代目です。
その理由は、話が長くなりますが、今年は、色々な方に美味しいお米を戴く機会が、多々ありました。
結構、電気釜で炊いたお米が、中々、思ったように美味しく炊けません。

・・という事で、
「もう少し、高い電気釜に買い直してあげようか?」と、先生達に言っていたのですが、それは保留になっていました。
それは、事務所の電気釜は、既に、結構、新しい物で、カタログでは、良さげな高い電気釜を買っていたからです。

それで、牧野先生が、どこで、聞きつけたのか、2合炊きの土鍋を欲しがっていたので、私がそれまで使用していた万古焼の土鍋を、椎名町用にプレゼントしました。

私だけなら、先程の、レンジ用の磁器のお茶碗でお米を炊いても良いかな?と思ったからです。

しかし、暫く、使っていて、やはり、チョッと物足りなかったので、2代目の万古焼の土鍋を買いました。
内蓋の厚みや、お釜の重さ、陶器の質感等々、微妙に違っていて、当然、炊飯時間も全く違います。
しかし、本来、然程、微妙な火加減が要らないのが、この土鍋の特徴なので、メーカーに寄って、細かい違いがあるのは当然かもしれませんね。

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