以前は、PetrofのPianoが、未だ共産圏であったのと、並行輸入業者を見つける事が出来たので、安く仕入れる事が出来たので、オケ教室の私のsparePiano用(lesson用に)買った。
流石に、音やtouchも良く、非常に気に入ったので、教室の父兄達で希望者に売ったのだが、ヤマハの販売員が来て、色々と悪口を言って、非常に安い下取り価格でヤマハのPianoに買い換えさせられたそうで、その父兄が烈火の如く怒って、教室に文句を言って来た。
「そんなに文句を言うのなら、私に買い戻させてくれれば、同じ値段で引き取ったのに!」と、その父兄には、言ったのだが、もう、ヤマハに、超安い値段で、下取りに出した後で、もう、何を言っても、耳に入らないようで、私に「騙された!」と思い込んでいた。
私は好意で紹介しただけなのにね。
だから、もう誰も紹介したくないのだよ。
そんなに(売らんかな・・の)ヤマハの販売員の事を信じて、私の言っている事が信じられなければ、さっさと教室をやめてくれても良かったのに、と思ったのだが、それからも、それはそれとして、その生徒は長く教室には在籍していたよ。
ヤマハの音楽教室に行けば良かったのにね。どうやら、それは嫌やらしい???
PetrofのPianoが非常に安く手に入ったのは、チェコが共産圏だから、レートが安かったので、violin等も当時は東独のviolinは非常に安かったのだよ。
Petrofの事で、悪く言う人は、見えない場所に関しては、塗装がヘボかったり、木が安っぽかったり・・という批判をするのだが、それはヨーロッパ人の気質で、世界を席巻しているワーゲンでも、見えない所は酷いもんだ。見えない所に金を掛けるのは日本人だけの気質だよ。そこが分からないと、基本は、steinwayでも同じなのだからね。
でも、今は、チェコも同じユーロ圏なので、Petrofはヤマハのuprightよりも、非常に高くなっているし、並行輸入も、以前ほどは、そんなに安くはならない。
その時だけの、掘り出し物だったのだが、誰も俺の事を信じなかったね。
似たような事が、violinの選定してあげた時にもあって、親同士でネットで、弦楽器の製作者のhomepageを見て、「f字孔の高さが揃っていない楽器は不良品だと書いてあった!」と、怒鳴り込んで来た。
その時には、偶然、私がその場に居たので、「気に入らなければ、直ぐに楽器屋に楽器を返却します。」と言ったら、驚いて「それで、問題がないのなら、返却する必要はありません。」と、矛先を引っ込めて、収まった。多分、やめさせられるのは、困るとでも思ったのだろう。
f字孔の先っぽが、キチンと揃っているのは、安物の新作の楽器だよ。
100年も前の古い楽器で反りにズレが来ない楽器はないし、そんな物は音には全く関係しない。
楽器屋に言えば、蒸気を当てて修正してくれるかもしれないが、そんな必要は何処にもない。
violinは古い楽器なので、傷だって無数に付いているのだが、音に関係しない傷は、査定には影響はしないのだよ。
骨董品には、傷は当たり前で、それをどう補修したかの技術が、査定では、見られるのだよ。
日本には金継ぎの技術だってあるのだからね。
私が教室の生徒に、Keyboardを進める事は原則としてありません。
もし、Pianoを学ぶ事がただの趣味に過ぎなかったとしても、Pianoを学んで行くのならば、アップライトのPianoであったとしても、一応は、本当のPianoを学べるからです。
でも、マンション等の集合住宅に住んでいると、或いは、一個建てだとしても、東京のような密集した場所に住んでいれば、音の問題は常に起こって来ます。
練習の時間が必要な音楽を目指す生徒になれば、尚更です。
という事で、私自身も音出しの出来ないマンションに住んでいるので、最初はPianoは置いていなかったのですが、どうしても必要に迫られて、ヤマハのクラビノーバと、カシオのプリビアを各部屋に置いています。
深夜でも、チョッと音を確認したい・・という時には、とても便利です。
勿論、ヤマハのアップライトピアノでも、サイレント機能の付いたピアノが売っていますが、結構、高価な値段がしますが、本当は、後付けで、普通のアップライトピアノに、簡単に、しかも、安く、取り付ける事が出来ます。
ただ、サイレント・ピアノは、本来のピアノのハンマー等を痛めたり、touchも大きく変わってしまうので、私は、もし、部屋に置き場所のゆとりがあるのなら、寧ろKeyboardを進めます。
但し、Keyboardとは言っても、ヤマハのクラビノーバは結構高価で、教室にある2台のクラビノーバはそれぞれ55万ぐらいで購入したものです。
昔々のClavinovaなので、Cembaloの音はあるのに、Organの音が出ないのが、欠点です。
それと、電源を落とすと、その度にpitchが440に戻ってしまうのも面倒くさくて困ります。
Organの音は、持続性があるので、Bach等の指導をする時に、touchのreleaseを教えるのに、Organの音色は重宝だったからで、昔は、音楽大学に進学を希望する生徒達には、必ず、安いKeyboardを買わせていました。これはピアノのtouchや音色ではなく、あくまで、Organの音で、音の持続を指導するためでした。
しかし、今は、CASIOのpriviaが、非常に安く(殆ど、アラウンド10万程度)、思いの外、良い音を出しているし、touchもクラビノーバに比べて遜色を取るものではありません。
また、音色もパイプ・オルガンの音やstringsの音を持っているので、Bach等の複音楽を勉強させるのに好都合です。
pitchも一度、443に決めると、電源を落としても、その次に立ち上げた時には、ちゃんと443のままです。
443の状態でtransposeを掛けて、C DurをH Durに移調をすると、教室のbaroquepitchである、418も可能なので、Cembaloのbaroqueの練習も出来ます。
という事で、教室の生徒さんに、このpriviaをお勧めしたのですが、しかし、余りにも安いので、楽器店の店員さんに勧められるままに、50万ぐらいの、高価なKeyboardを買ってしまったようです。どのメーカーのどの機種かは忘れてしまったのですが、「子供のために少しでも良いものを」という親心と、楽器店のお勧め上手な販売員に、まんまと・・・でしょうかね。
私が、安いpriviaでも良い・・と、言った意味が、よく理解して貰えなかったのは、残念ですが、上に記したように、楽器の演奏が上手になると、周りから色々な引き抜きが入って来ます。
しかし、引き抜きをする先生達は、自分で生徒を育てられないから、引き抜きをする分けで、引き抜きされた生徒がproになった話は聞いた事がありません。
それは引き抜きを掛けた教授が芸大の教授であっても同じなのです。
生徒が上手になるには、それ相応の、上手にするための技術も然りですが、それよりも、methodeがあるからなのです。
だから、本当に芸大の先生達のように努力に努力を重ねさせても、生徒が上手くなる分けはないのですよ。
methodeに乗っているから、上手くなっているのに過ぎないのですからね。
もし、その生徒が音楽を趣味にして、勉強の合間に、息抜きにPianoを弾く程度の生徒であれば、その程度のKeyboardが持っているtouchや、音色でも、充分かもしれません。
楽器店の人が言うように、「この値段なら本物のピアノのtouchと同じ機能がしています。」・・で、通用するのですよ。
でも、もしその生徒が、将来、音楽の道に進む事を希望して、今日、勉強をしているとすれば、その考え方は大変な間違いになります。
つまり、Keyboardは、幾ら安くても、逆に幾ら高価な金額を出したとしても、所詮はKeyboardに過ぎないのですよ。
それで、Pianoの本当の音が、出せる分けではありません。幾ら、Pianoのタッチに近いタッチだったとしても、uprightのタッチには及ばないし、50万も出すのなら、uprightのPianoを買う事も無理ではありません。
私がuprightを勧めなかったのは、練習の利便性の意味であって、10万のpriviaでも50万のメーカー品であっても、その値段では、何の意味もないのですよ。それなら、安い方が良いのでは??・・というのが、私の考え方だったのですがね。
それに、本当の事を言うと、uprightPianoのtouchでも、本当のPianoのtouchではないのです。
uprightに、本当のPianoのtouchを求めるのは、所詮、無理な話なのですよ。
仮に、50万で中古の安いgrandを買ったとしても、安くても、grandはgrandなのです。
音を出す機構が全くgrandとuprightでは違うのですからね。
uprightのeinschlag(打鍵)は、機械で作り出したeinschlag(打鍵=タッチ)なのです。
grandのtouchはgrandPianoでしか、出せないのですよ。
もし、proのいpianistになりたいのなら、Piano選びは、もっと大変です。
この場合の「Pianoに進む」という意味は、proのpianistを目指すという意味です。
「音楽大学のPiano科を目指す」という意味ではありません。
音楽大学に進学するのならば、ヤマハのgrandPianoで充分だからです。
violinの生徒達もproを目指す場合には、500万,600万の楽器を購入します。
Pianoも、steinwayか、BosendorferのPianoでないと、本当のtouchを追求する事は無理です。
確かに、ヤマハは大手かもしれません。
でも、ヤマハの技術者の人がNHKのドキュメントで、自分で言っているように、ヤマハはフェラーリではないのです。
勿論、フェラーリは大手の企業ではありません。
家内工業の小さな会社なのです。
それは、日本の焼き物でも同じです。
大手は量産では優れているかもしれませんが、proを目指す人達が望む非常に優れた一点物の作品ではないのですよ。
つまり、私が言った、「安くても良い」というrankのお話とは、その水準の話なのです。
音楽を勉強すると言っても、それぞれにrankがあるのです。
だから、もし、将来proの演奏家になりたいのであったら・・・という前提のお話だったのです。
それなら、Keyboardが10万でも50万でも、同じrankなのですよ。
所詮は、一時しのぎの楽器に過ぎないのですからね。
このケバいgrandPianoは、往年の(100年も前の)steinwayのgrandPianoです。
Rakhmaninovや多くの作曲家や歴史的なpianist達がこのPianoを演奏したそうです。
こういったPianoの事をhistorische(歴史的)Pianoと言います。
勿論、violinの名器、Stradivariの楽器と同様に億の金額がします。
violinやcelloの場合には、その楽器の殆どがhistorischeなのですがね。
Cembalo(harpsichord)の場合には、現代に古楽器を復刻して作ったものが殆どです。
教室のCembaloである Lucasmodelや、芦塚先生所有の Goujonmodelの二段鍵盤のCembaloは、復刻の新作です。
originalの楽器をrepairする事は、容易ではありません。
本当のoriginalの楽器は、博物館にでも置いておいて、寧ろ、復刻した方が良い音がする場合が多いのです。
これは、violinやcello等の弦楽器とPianoのような楽器では、根本的に考え方が違います。
Pianoの場合には、Pianoという楽器が高価なので、安い中古を買うという考え方なのでしょうが、弦楽器の場合には、新品の楽器の方が安く、中古の楽器はとても高価です。
中でも、名器中の名器とされるStradivariの楽器はいずれも、数億の単位の金額です。
steinwayもBosendorferも、今の価格は知りませんが、大体5、600万ぐらいから2000万ぐらいはします。
勿論、これは新品の値段ですが、これらの楽器は中古になっても、あまり値段が下がりません。
昔々の話ですが、私が未だ日本に帰国したばかりの頃、楽器屋さんからsteinwayのfullコンを18万で買ってくれないか?という話がありました。女性pianistの方が、余りにも、巨大なので、ヤマハのgrandに買い換えるので、引き取り手を探していたのです。
残念ながら、音楽教室を作る前の時代のお話なので、江古田の部屋にはフルコンは無理なので、当時教えていた女の子の家で、預かってくれないか?とお話をしましたが、自分で買うのなら、考えるけれど、預かると言うのは・・と言われて、断ってしまいました。steinwayのフルコンは余りにも巨大なのでね。
舞台で見ているとそんなに大きく感じないのだけど、本当は普通の家庭に持ち込むには、20畳以上はないと無理なのですよ。勿論、入れるだけの話なのですがね。
その後は、音楽大学の歌の先生が弾いていたので(lessonで使用していた楽器ではない・・という意味で)とても綺麗な楽器だったのですが、小型のsteinwayを200で引き取ってくれ!という話もあったのですが、何せ置き場所がないので(ハイツは楽器禁止なのでね)、未だにsteinwayが買えません。
楽器購入advice index (芦塚音楽研究所のサイトへlinkします。)