前ページ



U楽章のkadenzについて

このU楽章にも、kadenzの場所があります。
前回は、kadenzの作曲の依頼が遅かったので、・・・というか、ひかりちゃんが、曲が弾けるようになってから、牧野先生からのkadenzの注文が来たので、ひかりちゃんの練習が、間に合わなくて、かなり大変だったようなので、今回は、牧野先生の依頼がある前に、さっさと、この曲のオケ練習に入った時点の一回目のオケ練習に間に合わせて、11月の8日の時点で作曲してしまいました。

実は、今回使用するedition Petersのscoreには、出版されている市販の楽譜としては、珍しく、とても良いkadenzが載せてありますが、それは、U楽章の曲全体の3/1の長さにもなる長大なものです。

勿論、途中で、飛ばせるようにVi=deのmarkがありますが、それでも4/1くらいの長いkadenzなのです。

それともう一つの問題は、楽譜上に書かれたkadenzは、proの大人を対象にして、書かれているので、手の大きさが小学生であるひかりちゃんには、無理なので、どっちみち、そのkadenzを演奏するとしても、手が届くように、楽譜の訂正をしていかなければなりません。
上記の問題はひかりちゃんと発表会の問題なのですが、それ以上にYou Tubeの元曲の方にも根本的な問題があります。

それは、You Tubeで演奏されているkadenzの殆どが、時代錯誤的で、(古典派の作品なのに、ロマン派や近現代の音が混じり込んで、時代考証的にめちゃめちゃなので、使えません。
関ヶ原の戦いで、自衛隊の戦車が登場するようなものです。

お互いの連絡も、ほら貝ではなく、スマホで連絡しあっているような時代錯誤なkadenzなのです。

しかし、まあ、イギリスや中国やオーストラリアの小学生の教科書には、今だに、日本人の女性はポックリを履いて、中国式の髪(辮髪)に韓国風の着物を羽織っている不思議な絵が採用されていて、日本人達多くの人達の指摘にも断固として譲らないので、自分のお国の音楽を演奏する時にも、その程度の誤りをするのは、仕方がないか・・・・・・・???



You Tubeを聞いてみても、CDやDVDを買って、聞いて見ても、自称、「forte-piano奏者」は居るのですが、今、現在では、本当のforte-pianoの奏者、古典派の奏法の専門家と呼べる人は、今の所は、世界中でいません。

皆、暗中模索だし、ましてや、時代考証等の専門的な知識を持った演奏家がいる訳はないのです。

その、ネックとなっているのは、Pianoを学び始めた子供時代に、double actionの現代のPianoのtouchで勉強して来て、歳を取ってから改めて、そのdouble actionのtouchのままに、forte-pianoを演奏するからです。

また、forte-pianoの奏者の事を調べていて、超、驚いてしまう事があるのですが、それは、・・・
自称「forte-piano奏者」と言っている人が、その人の自宅にforte-pianoの楽器を持っていない・・という信じられないケースがまま見受けられるからです。
まあ、今はforte-pianoの黎明期で、復刻されたforte-pianoが非常に高価である・・・という事に、その理由があるようですが、それでも、steinwayのPianoやBosendorferのPianoを買うつもりならば、非常識な金額ではありません。
世界に一台の楽器を買う分けなので当然だと思いますがね。

Cembalo奏者やforte-pianoの奏者に必要な勉強は、Cembaloやforte-pianoのtouchの問題だけではありません。
勿論、一番の難しさは、touchの問題でしょうが、それ以上にCembalo奏者やforte-piano奏者に要求される事は、ornament奏法やkadenzの正しい時代考証に伴ったImprovisation(即興演奏)が出来なければなりません。

つまり、Pianoが上手なだけでは、ダメで、single actionのforte-pianoのtouchや、ornament奏法にも堪能でなければならないのです。
ましてや、forte-piano奏者を自称する人が、forte-pianoを自宅に持っていない、・・・・というか、現代のPianoで練習していると言う事は、そのPianoが幾らsteinwayのPianoであろうと、BosendorferのPianoであろうと、全くの勘違いです。
有り得へんわな〜っ!!

forte-pianoの奏法がちゃんと復活するには、或いは、forte-pianoの奏法の時代考証的な解釈がforte-pianoの奏者にとって普通に一般的になって、古典派の作曲家の作品の解釈やその奏法が理解出来るようになるまでには、forte-pianoの再現が最優先課題なのですよ。

つまり、forte-pianoの奏法が中々一般の人達の間に、理解されて、普及して行かないのは、forte-pianoの完璧な楽器が未だに再現されていない事にその理由があるのです。

確かに、世界中の多くの楽器製作者が、forte-pianoの復刻と製作に挑戦しています。

しかし、forte-pianoには、その時代の様式と呼ばれるものが確立していなかったままに、single actionから現代のdouble actionにとって変わられてしまったからです。

弦の太さや、ハンマーに貼られている布の材質、・・それだけでCembaloそっくりの音や、Pianoと同じ音まで、音色が変わってしまうのです。
1780年、所謂、Haydnの時代だから、Cembaloに近い音色で、Chopinの時代だから、PleyelのPianoは現代のPianoの音に近い音で・・・、という風に、単純に行く分けではないのですよ。

歴史で一番最初のCristoforiのPianoは現在2台現存しているのですが、J.S.Bachが聞いたという、そのforte-pianoは、何と現代のPianoと同じ音がするのですよ。

不思議だ!!


古典楽器センターのCembalo製作者の佐藤さんが言っていたように、楽器博物館に所有されている、forte-pianoの設計図や材料の一覧が公表されたからと言っても、直ぐにforte-pianoの楽器が復刻出来る分けではありませんし、当時の音が再現される分けでもありません。

forte-pianoが、時代考証的に、ちゃんとした音が出るような楽器になるようになって、一般的にも、そういう楽器が作れるようになって、私達が普通にgrandpianoと同じぐらいの金額で買えるようになる迄には、これから先、後、30年くらいは掛かるのでは・・・という事が、佐藤さんの話なのです。

そう言った悲劇の中で、唯一、時代錯誤ではない模範解答のkadenzがあったのですが、それは逆にkadenzというには、短すぎて、eingang程度の長さしかないので、今回の発表会には使えませんでした。
本当にkadenzは、「帯襷(おびにたすき」の困ったちゃんです。


Pageの topへ

下の譜は、梨紗さんの(You Tubeからの)Ariacheckを、私がfinaleに入力したものです。


この16beatのrhythmは、「見た目」・・的には、綺麗なのですが、orchestraのpartのtempoからの整合性はありません。
このままでは、大変遅いtempoで、kadenzとは呼べない代物になってしまいます。

その間違いは、梨紗ちゃんの、単純ミス、所謂、音の単位(音価)の勘違いなので、大した間違いではないのですが、その事について、何気なく梨紗ちゃんに送ったmailで、引っ掛ってしまいました。
大変なミス(勉強不足)が発覚してしまったのです。

それは「beat」「音価」「拍」「拍子」「rhythm」等々の、拍子とrhythmに関する言葉の問題です。
この言葉の意味を正しく把握出来ていないと、mailでのchatは出来ません。(mailには、実際の音を伴わないのでね!)

以下、梨紗さんとのchatです。
斉藤先生へのmailです。
「梨紗のYou Tubeでの書き取り」
梨紗のYou TubeのJ・C・Bachのkadenzの書き取りは、音符の単位が実際の曲とは違うので、orchestraのrhythmと、梨紗のkadenzのrhythmの単位をちゃんと合わせるようにしてください。
一応、彼女の書き取った手書き譜を、finaleに打ち込んでおいたので、finaleのプレイバックの音源で聴けるので、(梨紗が書き取ったままのrhythm(音価)では、どういう演奏になるのかを、)聞かせてやって下さい。

実際のorchestraの演奏のtempoは、4beatで40ぐらいなので、梨紗のkadenzの書き取りの音符の単位は、8beatは80でないと遅い。このままだと、kadenzとは言えません。

8beatで1.5倍で、4beatなら120になるので、やっとkadenzのtempoになります。
実際の曲も、それくらいのtempoにしないとkadenzのtempoにはなりません。


2014/11/10 9:00
梨紗のkadenzの書き取りの話
昨日、オケ練習の時に、梨紗に、kadenzの音価について確認をしたら、
「scoreにそう書いてあったので、それでも良いのか?と思った・・」と言っていたので、「scoreは音価はちゃんと16beatではなく、32beatで書いてある」と言ったら、(理解出来なかったらしく、)そのまま、うやむやにされてしまったので、今、scoreで確認をして見たのだが、梨紗の言っている「そう書いてあった」 と、いう意味が、私には全く分からないので、もう一度、梨紗に確認をしてください!!
(・・・と思ったけれど、丸投げすると)面倒臭いので、梨紗の携帯にも、一括送信で、直接送ります。

Sent: Tuesday, November 11, 2014 7:51 AM
Re: kadenz
返信遅くなってすみません。
音価が違ったことには気付いたのですが、スコアに元から書いてあったカデンツは16beatだったので、それでいいのかと思ったのですが、スコアのカデンツは16beatで弾くということですよね。
すみません。


RE: kadenz
だから、前回と全く同じ質問ですが、
「scoreに、元から書いてあったkadenzは16beatで書いてあった」・・という意味が分からないので、何処の所に16beatで書いてあったのですか??
私が見た限り、16beatで書いてある場所はないので、どのpassageの事を梨紗が言っているのか・・わかりません。

曲は8beatでも、Metronom=40にしかならないので、梨紗の言っている意味がわからないのですが??

fermataのkadenz ad.lib.の後は、64beatでarpeggioが来て、その次の音価は、32beatですよ??

だから、何処に16beatがあるのか???・・・・分からないという事ですよ。

下の譜面はPeters版のkadenzへのpassageです。



2014/11/11 (火) 9:29
RE: kadenz
(ふと、思ったのだけど)・・・あなたは、私が言っている「音価」という言葉の意味が分かっていないのかな?
あなたの書いた音符を、そのままパソコンで再生した音源を送りますから、聞いて下さい。

ここに参考までに、音源を入れて置いたのですが、homepagebuilderの不具合で、autostartがoffに出来なくなってしまいました。
という事で、音源は削除しました。



2014/11/12 5:09
音源
梨紗ちゃんの.softbankへのmailが、全部、戻って来てしまったので、アドレスを確認して下さい。
このアドレスに送ったのでは、ダメなのかな?
添付の音源は、スマホに送れない程、重くは、ないのだがね??


Re: ・・
この上のアドレスは生きているはずなのですが…。
gmail.comこちらの方にも、送ってもらえませんか。
すみません。
あと、カデンツの音価の件は、自分で何を言っているのかよくわからなくなってきて、beatの定義がよく分からなくなってしまったので直接会った時に確認させてもらえませんか。
すみません。

You TubeからのAriacheck、正しい音価
finaleには、音価をそのまま一括で変換する機能もあります。
いや〜あ、便利だなや〜??!!

次ページ