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B一段のコンサートCembaloをオーダーメイドしました。
何で一段のCembaloか?と言うと、女性の先生達が自分達で運べる重さが、一段の二列が限界だからです。
いずれにしても、復刻のRuckers-modelなのでそれなりに高価ではありますが、結果的にはその方が安いので。
それが今生徒達が発表会で使用しているCembaloです。
先生達が自分で運ぶのですが、歳を取るに従って、段々と、それも大変な作業になって来ました。


Cこのspinetは、元々は江古田教室に置いてあったものなのですが、今は椎名町のlesson室に置いてあります。
椎名町のlesson室でbaroqueの練習をするために、spinetの音域の広い方のspinetのtuningを426から418に変更しました。
(花園にも全く同じspinetが置いてありますが、そちらのspinetは少し音域が狭いのです。)

今では、世界的にも、415cycleが、あたかもbaroquepitchのように言われていますが、それは違います。
あくまで、A=440cycleとした場合に、半音低いGisの音が415cycleになるので、slide鍵盤や、Keyboardのtransposeで対処出来るので、便宜上baroquepitchとしたに過ぎません。
発表会で子供達が443で演奏するので、簡易のbaroquepitchが418になるからです。

pitchとして知られているのは、ベルサイユ・ピッチ(392Hz)とか、recorderの(435Hz)とかですが、ドイツでは、460Hzを越すpitchもあって、定まってはいないのです。
乱暴な言い方をすれば、その日の天候で、一番良く鳴るpitchを、その日のpitchにした・・という方が正解でしょうね。

私達のorchestraの練習でも、天候が不順で、生徒の乗りが悪くて、練習が上手く行かない時には、443から444へpitchを変える事もあるのですから。


実は、この現在、椎名町に置いてあるspinetは、一段の大型Cembaloよりも音域が広いのですョ。
でも、spinet-typeだと、楽器が小さく感じるから不思議ですよネ。
それでも、大型2段よりも遥かに音域は狭く、一段の Lucasmodelもspinetも下の音は同じ音のHまでしかありません。
ですから、今回演奏するHennry purcellのChaconyのcantus firmus(ground)で、左手でoctaveでmelodieを演奏する事が出来たとしても、音域が足りないので、Basのground(定旋律)をoctaveで演奏する事は、出来ないのです。

・・・という事で、baroque時代の特徴的演奏法である「short・octave」のお出ましです。

「short・octave」とは、使わない鍵盤に、足りない音をtuningする事です。
Hennry purcellのchaconneは、Basのground(定旋律)の最低音に、b(シ♭)の音が出て来るので、spinetの最低音のシnaturalを、シ♭にtuningします。

           

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