前ページ

パイプオルガンがorchestraとか、ensemble、或いは滅多にありませんがsoloと一緒に共演する時には、相手を押しのけて、専制君主のように、上から目線で抑え付けるようなimageに、殆どの人達がなってしまっていると思います。
でも、そのimageは現代のヨーロッパの人達も同じなのです。今日では小さな村の小さな教会まで、パイプオルガンが完備されているヨーロッパの国では、もう、ポジティーフ・オルガンのimageは薄れてしまったいるからです。
私の制作したオルガンは、パイプが鉛の金管であるのだけれど、音はHolz(木管)の柔らかい音にしてあります。
電子楽器のキーボードと違うのは、音が弦楽器に全く溶けて(融けて)しまうのですよ。
かなり強い音で演奏しているのに、弦楽器の音にかき消されてしまうのです。
不思議ですよ。
orchestraやensembleを邪魔しない事、・・・それが、ポジティーフの特徴なのです。
しかし、一般的には、パイプ・オルガンというと、大orchestraでさえも、威圧的に圧倒しひれ伏させる・・・、そういったimageが強く、いにしえの何処かの国の女性のように、出しゃばらないで、それでいて、影でしっかりと支えるような、力強いポジティーフ独特の良さが、理解される事はありませんでした。
つまり、古いbaroque時代の演奏のstyleというものが、全く理解される事がなく、basso continuoという歴史が失われた事によるのです。
そういったポジティーフ・オルガンの良さ、素晴らしさが、近年(この1,2年で・・・)、やっと、(まだまだ非常に稀ですが)理解されて来て、古楽器の演奏等で、ポジティーフの音を聴く事が出来るようになってきました。
私がポジティーフを作ってから30年以上経っての話ですがね。
このパイプオルガンの音は、今回(13年12月15日)の京成検見川のオケ練習の芦塚versionによるPachelbelのchaconneの練習風景の中でも聴く事が出来ます。
lesson室の、videocameraを取り付けている場所の関係で、残念ながら美帆ちゃんのオルガンを演奏している所は、ちょうどビデオのアングルとは逆になるので、写っていませんが・・・。
という事で、ビデオの位置は動かせませんが、代わりに今回のオケ練習の時に、写真をオルガンが写るように撮って貰いました。
次ページ