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芸術楽器としてのリコーダーの起源はおそらく14世紀中頃の北イタリアであると考えられており、16世紀初め頃までにはかなり成熟した楽器に発達しました。
バロック時代の音楽ではリコーダーは主流の楽器で、リコーダーの為の曲が沢山書かれています。
当教室の「音人(おとな)の会」のテーマ曲になっているテレマンの「ターフェル・ムジーク(食卓音楽)」はとても有名で、リコーダー3本とガンバなどの通奏低音で演奏されます。
又、私たちが良く演奏するルイエ作曲(ルイエ・ド・ガン)のトリオソナタも、元来はリコーダー2本と通奏低音(ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロ)の為のトリオソナタです。
リコーダーはマイナーであまりいい曲がないなんて思っている方がいたらそれは大間違いです。
リコーダーの為のコンチェルト(協奏曲)だってあるんです。
テレマンのリコーダーコンチェルトなどは大変美しい名曲でありますが難曲でもあります。
古楽器のコンサートではよく演奏されていますが、演奏がとても難しいので教室の発表会のプログラムには載ったことはありません。
バッハも自分の作品でリコーダーを活躍させています。
カンタータやブランデンブルグコンチェルトなどにはとても効果的にリコーダーが使われています。
このように、リコーダーの為に書かれた曲は、是非とも聴いていただきたい、また、是非とも演奏してみたいという素敵な曲が沢山あります。
学校では文部省唱歌のような曲しか習えませんが、リコーダーの本当のすぱらしさが分かるには、リコーダーの曲が一番盛んに作曲されて、多くの人達から演奏されていた、バロック時代のリコーダー音楽を抜きにしてはありえないと言っても過言ではありません。
学校で習う簡易的なリコーダーのイメージを捨て、たまにはプロのリコーダー奏者のきらびやかなバロック音楽の世界に酔いしれてみるのもなかなか乙なもんですよ。
リコーダーの名演奏家ですが、私はハンス=マルチン リンデというリコーダー奏者を、リコーダーの最高の演奏家として、彼のCDをbestselectにします。
日本では、あまり知られていない演奏家で、ドイツでレコードを手に入れて以来、30年間、40年間CD化される事を待っていたのですが、その2枚のレコーがやっとCD化されました。
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