Sonatine Album Index

まえがきのindex
まえがきが大変長くなってしまいましたので、まえがきにindexを付ける事にしました。
sonatine albumこもごも
出版されているsonatine albumについてのお話です。
古典派という時代区分についてのお話
古典派という時代は僅か77年か80年ぐらいの時代なのですが、楽器がCembaloからforte-pianoに変わっただけでなく、為政者も教会から貴族、民衆へと目まぐるしく変わった変革の時代でもありました。そのために、作曲様式も大変大きな変革を遂げたのです。
Cembaloからforte-pianoへ
音楽の作曲様式の変化は作曲家の座右の楽器の変化でもあります。


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まえがき
sonatine albumこもごも

こんにち、私達がsonatine albumと呼んでいる曲集は、日本版(所謂、全音版)なのでしょうが、現在も日本版として出版されているsonatine albumの底本になっているのは、ケーラー(Louis Kohler1820年-1886年)とルートハルト(Adolf Ruthardt 1849年?1934年)が編集しドイツのPeters, C. F. Musikverlag(所謂、Peters版)から出版されたSonatinen Album ISBN 979-0014006723と、有名所では、Barenreiter版の二種類でしょうかね。但し、Barenreiter Urtextの方は、 Kabalevskyまで、載っていて、古典派のsonatineとは言い難い作品も多いので、今は同じ全音の標準版のsonatinealbumとは、一線を画すようです。

Barenreiter Urtextとして全音出版社から出版されて、今は既に、絶版になっているようですが、これは絶版のままで良いと思います。
古い方のBarenreiter Urtext版と、原点版のPeters版は今、海外発注中なのですが、何時、手に入るかは分かりません。通常では半年後になるので、・・・。

私が教材を使用する場合には、時代考証を伴ったlessonをするので、同一の教材に古典派やロマン派の作品、或いは現代曲が混在していると、すこぶる教材としてはやりにくい。
その時代時代の勉強としては、教本を区別してlessonをするので、Barenreiter Urtextのsonatine albumは使い辛いのです。

私達が少年期を過ごした時代とは、もう随分違っていて、sonatine albumと言えば、こんにちでは、勿論、古典派の作曲家達以外の作曲家の作品も多数出版されていて、sonatine albumが固有の教材の名前としては、成り立たなくなっているのですが、しかし、今でも、殆どのPianoの先生達が「sonatine album」と呼んでいる曲種(album)は、全音版の標準版のsonatine albumの曲集を指しているのではないでしょうか。

勿論、Kohler達が編集した時代が19世紀の中期なので、古典派の作曲家の作品から、Beethoven迄の作曲家までを集めた曲集です。

主に前期、中期の古典派の有名な作曲家の作品の中から、初級程度の演奏技術を要する作品の中で、特に代表的な作品を集めた曲集であります。

ピアノ演奏上の教育教材として、非常によく使用されているのですが、子供の教材として、乱暴に演奏されたりする事が多いし、有名なpianistによって「参考に・・」として演奏される事も多いのですが、それは子供の教育教材として演奏しているのに過ぎないので、本当のこの曲集の美しさに触れられる事は無いようです。

現代の子供達の教育教材として、「指の練習曲としての、sonatine album」としての評価しかないのでしょうから、そこの所は致し方無いのかも知れませんが、子供達にとっても、この曲集の時代考証(古典派のforte-pianoへの奏法を)きちんと守って演奏しているCDでもあれば、子供達やこの曲を指導する先生達も、この曲集の美しさ、素晴らしさを知る事が出来るのでしょうが、まだまだ、古典派のperiod奏法としての演奏を聴く事は難しいようです。

音楽大学で、古典派のforte-pianoの奏法や演奏法を研究しているpianistの方に、
「ちゃんとしたforte-pianoのtouchで演奏している演奏家のCDはないのか?」と、尋ねたのですが、世界中にはまだそういった奏者はいない、そうです。
同様に、forte-pianoの製作者の人に、
「教室で子供達にforte-pianoのtouchや奏法の指導をしたいので、子供達のために、forte-pianoが安く手に入らないのか?」と、尋ねたら、「今は、未だ黎明期なので、ちゃんとしたforte-pianoが一般の人達が買う事が出来るようになる迄には、後、30年待つように!」と、言われてしまいました。後、30年もしたら、私は100歳を越しています。
そりゃ、無理だわサ!!


教室には、各教室に、各種の教材と一緒に、必ず上下、2巻のsonatine albumが置いてあります。
勿論、私の部屋で、生徒を指導する事はありませんが、部屋で論文を書いたり、先生達の質問に答えたりするので、私の部屋にも一応は資料としてのsonatine albumとsonate albumが置いてあるのですが、その全てが、全音版の標準版です。勿論、資料としてなので、それ以外のsonatine albumというTitleの曲集も置いてあります。

今回、sonatineをちゃんと検証するにあたって、その元になった、Barenreiter Urtext版とPeters版を買って、それに全音で新たに、参考までに「今井 顕氏の校訂版」も、勉強してみようと思ったのですが、(所謂、標準版は、各教室に置いてあるし、ハイツの自宅にも、2巻ずつsetで置いてあります。)  な、な、な、なんと、Barenreiter Urtext版はそれぞれが2690円で、計5380円、Peters版に至っては、1巻が4450円、2巻が3650円、の8100円、それに参考までに、と買った今井 顕さんの2,592円と2,700円で、5292円・・・と、云う事で、合計1万8千7百7拾2円も掛かったのだよ。
sonatine albumって、Pianoの初心者が皆弾く曲なのだから、もっと安くないと・・・嘘だよね!!
いやあ、ショック!!

・・・って、言うか、本当の事を言うと、私が未だ20代、30代の頃に論文の注文が来ると、たかだか2万円とか、4万円の原稿料に対して、その論文の資料のために、惜しみなく、20万、30万掛けて資料を買い込んで、論文を書いていたのだよ。
よく、それで、お袋に怒られていました。
「そんなお金にもならない事に、お金を使って・・!!」ってね!!
後で、お袋の尊敬する広島大学の医学部の学長さんに、
「本を書くためにそれぐらいのお金を掛けるのは当たり前です!30歳になったか、ならないぐらいで、科学技術庁の広報に論文を書かせて貰うという事は、凄い事なんですよ!!」と怒られていました。

amateurの人達は、なるべくお金を掛けないように、図書館の資料でお茶を濁したりします。
しかし、論文を書くために、或いは生徒達に説明をするために、一々図書館に行くだけの時間等々は、(それが仕事になると、そんな時間は、)ある分けはないのですよ。
仕事では、時間が命なのですからね。

貧乏をしながらでも、本や楽譜、CD(私の場合にはレコードという代物ですが)、或いは、時代が下ると、video等の動画の資料等々も、長年の蓄積で、家の1軒や2軒ぐらいは建てられるぐらいの量と、財産になってきました。
コツコツと集めたものなので、音楽大学の図書館や、国会図書館にも、無い資料の本が沢山あったりして・・・!!当時の武蔵野音楽大学の図書館長であった、古庄先生から
「芦塚君、その本、図書館に寄付してよ!!」と、半分、冗談交じりに言われたりしました。

今では、ネットの発達で、海外の出版社でも、出版されていない楽譜等や資料等も、netで集める事が出来ます。
これまでの、長年の蓄積もあって、大概の、資料は、改めて本屋に行って買い揃えなくても良いぐらいに、今まで買い溜めて来た資料や、本で何とかなるようになって来ました。
但し、今回の資料みたいに、初歩の教材に関しては、今まで、資料として、買い揃える必要性はなかったので、例外中の例外の話なのです。

だから、2万以内で楽譜の資料をある程度、集める事が出来るとすれば、それは安い出費なのですよ値!!


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古典派という時代区分についてのお話

長々と、sonatine albumのお話をしましたので、さて、次は、時代区分のお話をしましょう。
sonatine albumとは、つまり、一般的には、古典派の作曲家達の易しいsonateを集めたalbum(作品集)を言うのです。
「なんで、古典派なの??」

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