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という事で、Cembalo奏者は、下のように、上の段のA、下の段のA'、上の段のB、下の段のB'・・・という風にページをめくりながら演奏しなければならないからである。
しかし、そういう書き方は、baroque時代に於いては、寧ろ一般的であり、Couperinだけではなく、Bachや他の作曲家達もそのように書いている。


ちなみに、上に掲載したCouperinの楽譜の校訂者はBrahmsである。

Doubleというのは、前のmelodieを、即興して演奏するように、作曲者がその即興のsempreを、自ら書いたお手本なのだから、melodieを演奏して、Doubleを弾く場合には、repeatはしてはいけないのだよ。
Doubleがrepeatそのものなのだからね。
それにも増して、紛らわしいのは、Doubleにもrepeat記号が書かれているのだな!
これが!!!
AとDoubleのA'を弾かなければならないのに、忠実にバカ正直にA、A、A'、A'と弾いたら、そりゃ倍の時間が掛かるわさね。
勿論、sampleなので、演奏者が自分で作ってもよいし、そのsampleを元にさらにarrangeを重ねてもよい。

多くの作曲家が、Doubleのsampleを自ら書いているし、教材として教則本を書いている人もいる。
彼の大作曲家であるBachのCembaloの曲にも、探してみると、Doubleは結構書かれているのだよ。
例えば、イギリス組曲の第V番のsarabandeにも、そのDoubleが書かれています。

ところが、私も音楽大学の学生であった時代には、教授に、馬鹿みたいに「A、A、A'、A'」と弾かされたのよね!!
阿呆っぽいのだけど、泣く子と教授には逆らえないもんね!!!
かよわい生徒の立場では、「先生、それは違いますよ!」という一言は言えないのよね。

分からなかったり、疑問を持った時に、それを、自分から率直に言わなきゃ、逆に先生から怒られる巷の音楽教室である私達の教室とは大違いでね・・・!!


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