前ページ



この6小節目の2ndのFの音や、violaのdo♯の音は問題である。
quintzirkelとしても成り立っていない上に、Sequenzの進行まで無視されている。。
下記に記したPiano譜の上の段は原譜通り、下のPiano譜はquintzirkelとSequenzによって、訂正、加筆された音符である。
quintzirkelの和音番号は太字のRoma数字で記した。
また、参考までに(老婆心までに)Sequenzのpatternの開始と終わりを、カギカッコで表示した。

@violaのpartがSequenzとして開始するのならば、開始音はDではなく、Fis→Dと開始されなければならない。

A校訂者は5小節目のsolocelloの3,4拍目のAとviolaのぶつかりを避けるために、B♭の音をDのままの保続音にしたと思われるが、和音番号の注でも分かるように、T→7、W→7、という風に三和音の後に、4和音を持ってくるのがこのpassageのSequenzである。だから、校訂者の訂正は誤りで正しくSequenzをさせなければならない。

B6小節目は、校訂者は、実に初歩的なミスを連発している。
だから、この楽譜(原譜)のままでは、この6小節目は、実に奇妙な珍妙な音がする。
多分、校訂者はsolocelloのG→G#の音のぶつかりを避けようとして、逆にdilemmaに陥ったのだろう。
作曲者の意図を忠実に再現すれば、この問題もいとも簡単に解決する。

まず、solocelloのpartのG⇒G#の音を生かす事を優先した場合で、しかも、Sequenzであるviolaのpartを生かした上で考えれば、2ndのFは、明らかにSequenzによる音ではないので、元の正しいSequenzの音符であるEの音に直すべきである。その後、いづれにしても起こるB♭とGisの音のぶつかりは、1stのB♭の音が誤りである事に起因する。
何故ならば、Sequenzによる正しい和声進行の音は、H(Bナチュラル)でなければならないからである。
それで、校訂者の苦肉の策が、何の解決も導き出していない意図も珍妙なこのpassageの音のぶつかりは、問題なく解決する。

参考までに:


スコアー上で書き表すと以下のようになる。


       上記の訂正を楽譜上ですると、以下のようになる。

次ページ