Vivaldi 四季より「秋」のオケ練習から

T楽章

Vivaldiの「四季」の秋のT楽章で、いつも私を悩ませるのは、tempoの設定である。

秋のT楽章のtempo設定に関しては、tuttiのtempoで、soloを演奏する事は、技術的に不可能に近いので、solisteの限界のtempoでオケを指揮するか、それともsoloのpartは自由にad.lib.で演奏させて、オケはin tempoで対比させるように演奏するかで、何時も悩むところである。I Musici等の色々な団体の演奏を聞いても、そこは相変わらず曖昧である。

という事で、私もご多分に漏れず、毎回tempo設定を変えて、演奏している。
そう言う分けで、今回はsoloはad.lib.で演奏させる事にして、全体のtuttiはorchestraのin tempoにして、126以上のtempoで演奏する事にします。

今回は敢えて、練習のthemaにはしなかったのだが、厳密に言えば、soloviolinのpartに出てくるダブルストッピングの問題もある。
soloviolinは常に3度や6度の重音を奏くのだが、Aが解放弦である場合が多い。しかし、下のFとAを純正で取ろうとすると、上のAが5サイクル程高めになるという問題が生じる。しかし、オーケストラが下のFを下げて演奏する事はすこぶる難しい。
という事で、今回はこのthemaには触れず、次の機会に回す事にした。


 12年11月4日(京成検見川オケ教室の)四季の秋の通し練習です。この動画は非公開です。

3日前の、11月1日にsolisteが、突然、出演をドタキャンした関係で、今日の練習で violinsoloを演奏している斉藤先生は、この曲を初見で演奏しています。・・・とは言っても、四季は教室の常設曲なので、常時、演奏出来なければなりません。何時でも、何処でも・・が、教室のモットーなのでね。



@最初から、(14小節目のsoloの部分を含めて)、32小節目まではin tempoで演奏する。

A 32小節目からのsoloは、ad.lib.で、最初はゆっくりと、よたよたとUbriaco(酔っ払い)が、道をふらつきながら歩いているように、下りでずるずると滑り落ちるようにだんだん早くなって、登りでは遅くなって、またちょっと早くなって、というように、TK35の3拍目で収める。
この酔っぱらいのmime(マイム)は、一番よく見受けられるmimeであるが、その滑らかな動きは、やはりチャップリンのmimeが最も印象的であろうか。

36小節目からは遅めから37の後半から、段階的に段々速くしていって(芦塚メトードでは段階のaccelerandoと言う)8小節目までには、tuttiの本来のtempoに戻す。

オケは、待たないで(feintしないで)ストレートに入る事!⇒これは前回の演奏とは全く違うので、よく意識する事。

譜例:

 

譜例:

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