baroque時代や古典派の時代の 弦楽器の音の出し方

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baroqueや古典派の時代の弦楽器の奏法についての考証

古楽器の演奏 biberのRosarysonateの解説




時代考証に伴った、弦楽器特有の演奏の様式のお話で konsonanzのような、楽器の音の特性のお話ではありません。 konsonanzのお話はこのロゴをクリックしていただくと移動します。 (このロゴをクリックすると別のPageにlinkします。未だ書きかけのサイトです。)

弦楽器、特にviolinやcelloの音の出し方については、生徒達には、オケ練習の度に、常日頃から、口が酸っぱくなるほどに注意をしているのだが、不思議な事に、その事について書いた、私自身のhomepageが見当たらないのだな??

・・・というか、曲目解説の色々なPageで、その曲をAnalyse(分析)する度に、音の出し方についても、言及しているのにも関わらず、それ等を纏めたPageとなると・・見当たらないのですよ。

その、理由の第一点は、themaが、「音についてのお話し」なので、実際に演奏された音がない限り、言葉だけで、その微妙な音の変化をより具体的に説明をする事は、非常に困難であるからなのです。

baroque音楽や古典派の音楽の演奏法を研究していると、必ず言われる批判があります。
それは、「baroque時代や、古典派の時代の演奏が、録音されて残っている分けではないのに、どうして、その当時の奏法が分かるのか??」というご批判に集約出来ます。

そういう人達は、文明社会というものを理解出来ていない人達です。
石塊の1個から、大昔に生きていた恐竜を探し出し、DNAから、失われた生物を生き返らせることすら可能なのです。たかが、300年前の時代では、当時、活躍した大作曲家の書いた演奏に対する資料や、当時の楽器の絵画等・・・ではなく、楽器を作るための設計図や、当時の楽器そのものさえ、博物館等に残されているのです。教室で使用しているルーカス・モデルのCembaloや私が所有している二段鍵盤のグジョン・モデルのCembaloは、当時の楽器の復刻で、当時の音の再生をしています。
こんにち、(今、このPageを書いているのは、2014年の11月)ですが、baroqueviolinも、復刻されて、色々な場所で演奏されるようになりました。しかし、baroqueviolinで演奏しても、伴奏の楽器がPianoならば、pitchの問題も出てくるし、音量の問題も出て来ます。
baroqueの復刻Cembaloで、viola da gambaの通奏低音で、baroqueviolinや、triosonateの演奏を聞くと、なんと程よいbalanceなのでしょうかね。
「baroqueviolinは、音は綺麗だけど、音量が・・・」という多くの人達の批判は、balanceのとれた楽器の集合で、その音量という問題は、後世の楽器とのensembleによって引き起こされた、誤った時代考証の結果であるという事が、如実に理解出来ます。

勿論、今現在はbaroque演奏の方法は、未だ黎明期の域を出ていません。
そういう事で、C.P.E.BachやCouperinのような大作曲家の書いた書物を研究したであろう、現代の超一流の有名なbaroqueのviolinist達の演奏でも、C.P.E.Bach達が書いた微妙な演奏表現を、拡大解釈して、如何にもそういった風にbaroque時代には珍妙にeccentricに演奏されたかのように、演奏するbaroqueの団体が多いのも、事実で、「またか??!」と、baroqueの演奏団体の演奏を聞く度に、辟易する事が多いのです。

もっとも、その中でも、そのeccentricな演奏が、妙に、powerfulでexcitingで、私の大好きな演奏でもある・・という演奏があるのも面白い。

勿論、その事は、私がbaroque音楽の研究者という立場を離れて、「winetime」のprivateな時間に入った時の話・・・ですが・・??!!

その演奏は、中々、面白い演奏なので、是非ご紹介を・・・と思って、このPageに、You Tubeのurlをlinkをしようと思ったら、その人の演奏のサイトが、全て削除されていました。
著作権の関係だそうです。

という事で、残念ながら、その演奏はご紹介は出来ません。
演奏団体の名前や演奏家の名前を、覚えていれば良かったのでしょうが、時代考証的に学術的に、資料として・・・とは、認めていなかったので、その団体名も残していなかったのです。
あくまで、趣味としての扱いだったので・・・・。


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baroqueや古典派の時代の弦楽器の奏法についての考証

私がbaroque音楽に興味を抱いて、orchestraのscoreやpartを買い漁って、自分の個人のorchestraで演奏(指揮)を開始した昭和30年から40年頃は、baroque音楽のレコードも、全く発売されていなくって、時代考証のために、比較対照する演奏のレコードすら手には入らなくって、譜面だけを片手に、暗中模索をしなければならないbaroque音楽の黎明期の時代でした。

その頃の私達の唯一のbaroque時代の奏法の手掛かりは、先程上げたC.P.E.Bach等を中心とする、当時の多くの作曲家や演奏家達が残した、奏法の手引書(教科書)のみの状態でした。

こんにちでは、誰でも知っているであろうCembaloという楽器ですら、一度は時代の流れで、完全に絶滅して、Wanda Landowskaのような、Cembaloの再生に人生を捧げた演奏家の出現を待たねばなりませんでした。

しかし、当時のCembaloが廃れて絶滅した原因は、20世紀の当初では、Cembaloの音量とその性能である・・所謂、楽器としての性能の悪さ・・・と考えられていて、 LandowskaCembaloのように、Cembaloを愛し、信奉していた人達ですら、baroqueや古典派の時代のCembaloの復刻ではなく、現代の音楽や演奏にも耐え得るような、強弱forte、Pianoの音量は当然の事、何と、crescendoやdecrescendoも出来るし、あれもこれも・・という、baroqueや古典派の時代のoriginalのCembaloとは、似ても似つかぬ、本来のCembaloの姿からは程遠いmonsterCembaloだったのです。

そういう事で、1960年代の私が未だ音大生であった当時、私が接していたCembaloは、私が通っていた音楽大学に入っていたNeupertのCembalo等の現代的なactionを使用したmodernactionのCembaloでした。
当然、当時の、レコードの演奏でも、当時のCembaloという楽器を席巻していたNeupertのCembaloや、全盲のCembalistであり、organistでもあるHelmut Walchaの愛用するCembaloであるAmmer 社のCembaloの音を、私達はCembaloの音として聞いていたのです。

それ等のCembaloは何れも、Cembaloの撥弦をするために、錘のついたtangent、を自然に重さで落とすのではなく、springで強制的に落とす事によって、強い音量を出すように改良(?)されていました。
それを機械式actionと言い、baroqueCembaloに対して、modernCembaloという言い方をします。

Cembaloの音量は、baroque時代よりは、ほんの少しは、強くなりはしたのですが、やはり小ホールの大きさ(500名程度のホール)での演奏は、音量的には、難しいし、強制的な撥弦で音量を上げたmodernCembaloの音量ですら、小ホール程度の大きさのホールの音量を満たす事は出来ず、しかも、Cembalo特有の美しい響きを失わせるには充分でした。
曰く、日本でしか使用されていない(本場であるはずのドイツでは全く誰も知らない)ドイツ式のrecorderのような、あだ花になってしまったのです。


やっと、1970年代から、80年代に掛けて、少しづつではありますが、Cembaloの復刻が試みられるようになったのですが、こんにちのforte-pianoと同様に、天文学的な値段で、買う事は元より、その楽器に触れる事も難しい時代でした。

やがて、本当に、Cembaloが、楽器として普通の音楽家達にも買えるようになる程、普及していったのは、90年当たりからです。何とか、Cembaloの値段もsteinwayやヤマハのgrandPianoの値段までにはなってきました。

その頃には、やっと、CembaloがCembaloらしい美しい音で、constantに一般の人達にも手に入るようになりました。(勿論、高価な楽器である事には変わりませんが、それはgrandPianoを考慮した常識の範囲の金額です。)
baroque時代、当時の作曲家が使用したCembaloの復刻版が、社会に普及して、Cembalistという職種が出来るとともに、飛躍的に当時の奏法が、飛躍的に解明されて来ました。

偉大な作曲家達の残した教科書が、机上の空論に過ぎなかったのですが、実際に、当時使用されていた楽器が手に入る事によって、多くのCembalo奏者達に、その演奏法が、分かって来たのです。

そして、徐々にではありますが、今までの想像の産物であったeccentricな演奏のstyleが、美しく節度のとれたbaroqueの絵画のように、重厚でおしゃれなものに変わって来たのです。

またbaroque時代や古典派の時代の音楽の持つrhythmも、(私がドイツ留学中に買ったballetのコレオグラフィー( Choreography)の書物で、正確に、中世やbaroque時代のstepを正確に学ぶ事が出来ます。
また、ドイツ諸国を始めとして、Classic balletとしてではなく、民族の舞踏として、ヨーロッパでは、Menuetや、Tambourinのような踊りは伝統として残っているので、そのrhythmは、失われた分けではありません。
私が何時も、子供達に「Menuetは、誰の作品であったとしても、MenuetのtempoでMenuetのrhythmで・・・!」と口やかましく言っている意味もそこにあります。
参考までに:baroquedance
baroquedance passacaglia
https://www.youtube.com/watch?v=I_xZ6tiOZLQ

baroquedance Vivaldi la folia
https://www.youtube.com/watch?v=B_mP7PdpEdg

Altenglischer Countrydance
https://www.youtube.com/watch?v=B_mP7PdpEdg
このdanceのstepがMenuetとかのdanceの基本的なstepになります。
時代区分では、かなり古いdanceのstepになります。

Napoleonic Ball - Menuet
https://www.youtube.com/watch?v=O-a2D0Rwr8w
ナポレオン時代ですから、19世紀に入ってからの衣装や風景になりますが、Menuetの踊り自体は、原則的には同じstepになります。
時代が変わっても、stepやtempo、rhythmはMenuetである限り変わらないという、証明にもなります。
舞曲は伝承のものですからね。

ここら辺まで説明すると、
「当時の録音が・・・」という頑迷な人達でも、当時の演奏の再現は可能であるという事が分かって頂けると思います。

baroque音楽の真髄が本当の意味で、研究されるようになったのは、1990年代からの事なのですよ。

だから、本当のbaroque時代のbaroque音楽(所謂period奏法として)が、聴けるようになったのは、1990年からのホンの20年、25年ぐらいに過ぎないのですよ。
(それまでのbaroqueの演奏とは、現代人が考えたbaroque音楽に過ぎない時代考証を伴わない演奏だったのですよ。ある意味では擬古典と言っても過言ではないかも知れません。

baroque音楽や古典派の音楽のRenaissanceは、Cembaloやviolinの復刻だけではなく、パソコンとネットの発達によって、今までは、絶対に目にする事が出来なかった、無数のbaroqueの偉大な作曲家達の作品が再び日の目を見る事になったのです。国立の図書館や、楽器博物館は、そういった作品や資料を、秘蔵するのではなく、結構、その作品や作曲家を世に知らしめるために、公開する所も多いので、思いもかけぬ名曲を見る事が出来て、非常に助かっています。




という事で、折に触れては、注意を喚起しているbaroqueの音の作り方や、古典派特有の奏法等を、特にその事のみに説明しているサイトをlinkさせておきます。


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古楽器の演奏 biberのRosarysonateの解説
上記の文字をクリックすると
「芦塚先生のFacebook」からの抜粋の「period奏法」の解説のPageに飛びます。
少し、baroqueの演奏法についての、説明もしてあります。


generalbass und ornament 通奏低音と装飾音


Antonio Vivaldi Stravaganza Op.WNr.2 violinconcerto e moll T楽章(Analyse)


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