上の楽譜はoriginal版の、最初の5小節目から8小節目迄のスコアーです。
次はBritten版の同じ箇所です。
譜例:
最初の小節の3拍目の裏の8分音符や次の3拍目の8分音符はsostenutoで膨らますように演奏します。しかし、次の8分音符は16分音符に書き換えられています。つまり、鋭くskipして弾きます。しかし、このBritten版も演奏譜としては話半分くらいです。
本当は次のように演奏します。
譜例:芦塚陽二校訂版
1小節目、2小節目の3拍目の裏の8分音符はsostenutoでたっぷりと弾きます。それに対して、16分音符はもっと鋭く、あたかも32分音符のように、次の音に引っ掛けて演奏します。
譜例のように、skipの音符間には休符が入ります。
purcellのchaconneでは、「現代の作曲家が書いたのでは?」、或いは「Brittenがアレンジした譜面では?」というような、とても近代的な響きがするpassageが時々あります。
でも、それは、Brittenのアレンジでもなく、purcel本人が、長、短の両調性のためではなく、教会旋法というもっと古い時代の作曲法を、時々混じえて作曲したからなのです。
そのために、長短の両調にすっかり慣れてしまった私達には、寧ろ逆に新鮮に聴こえてしまうのです。
譜例: