このcelloのpartとviolinのpartの長Ⅶ度のぶつかりは相当練習しないと、ついつい怖がって逃げてしまいます。
最初はこのpassageを見た時に、Brittenが、「擬古典として、現代のharmonyで作曲したのかな?」と思ってoriginal版(原典版)を調べてみたのですが、なんとoriginalもそのように書いてありました。
それはチョッと驚きです。
次の譜例のpassageは100小節目に突然出てくるAeolian7度↓①のファの音の話です。
Aeolianの7度とは、短調の導音、所謂、7度の音が半音下がったなのですが、その音を正確に取るのはとても難しいのです。
通常の場合には、Aeolian7は、事前、事後の準備を伴って出て来なければなりません。しかし、古い時代には、旋法として出てくる時には、脈絡なく、突然出てくる事がよくあります。
つまり、Aeolianの7度が調性の中で、出て来る場合には前後関係で、その音のpitchが決まります。
しかし、旋法として突然出て来る場合には、その7度の音は倍音律上の音になるのです。
しかし、その後で、対斜として、次の導音の音が来ると前のファの音は調性上の音として奏さなければならなくなるのです。
それとも、導音をうんと低めの純正調で取るか???
このpurcellのchaconneの場合もそのように前後の準備(予備motion)なしに、突然にファの音が出てきます。
しかも、この曲の場合には、Aeolianの7の音の後に、他のpart(violaと第二violin)でファ#の音が出てきます。
異声部間で元の音から派生音(臨時記号の音)を使用するのは、とても演奏困難で、和声学的には「対斜」(querstand)と呼ばれる、やってはいけない禁則になります。
(古い時代、旋法の時代には、和声樂自体がなかったので、まだその禁則はありませんでした。)
やっていけない事を正確にやる事は、とても難しいという事は分かりますよね。
という事で、今回の子供達のオケ練習では、何度も「そのファの音は・・!とか、「ファ#が低い!」とか、抜き出し練習をしなければなりませんでした。高めのF#と低めのF#の弾き分けです。
私達の教室で使用している音律は、平均律という絶対音ではなく、相対的な純正の響きなのでね。
同じF#でも半音の10分の1を弾き分けなければならないのです。
443cycleを442で演奏するという話ではなく、その100分の1の世界です。
だから、教室の生徒達は、全員絶対音があるのですよ。
それでも、芦塚先生に「音程が・・・!!」と怒られているのですからね。
私達が通常耳にしている平均律という音のpitchの調律は、どの調にも転調出来るように、とか、どの和音でも和音が美しく響くように・・・という風に、音を均等に狂わせる方法なのです。
しかし、純正調で正しい音を出そうとすると同じファの音でも、和音の組み合わせで、無数のファの音が存在します。
という事で、音を正確に演奏する(pitchを取る)のは、難しいのですが、正確に狂わせるのは、もっと難しいのですよ!!
そういった微妙な音の違いは音楽大学では学べません。
それに、その音感を学習するには、もう既に年齢的に遅いのです。
正しい音感を学べるのは子供の内だけなのです。
よく知られている絶対音の習得と同様に・・・!!
(絶対音感の100分の1cycleのお話ですからね。)
音楽の基礎(耳)は子供の内に作られるのです。
芦塚先生が音楽大学で生徒達を指導するのを諦めて、子供を指導するようになった理由の一つはそこにあります。「大学のたった4年間の中で、一体何が出来るのか??」という切実な悩みです。
もっとも、根本的な理由は、それとは全く別の理由ですがね。
まだ、一般の音楽界では知られていないbaroqueと言うジャンルも、詳しく研究していくと、とても新鮮な驚きがあって、面白いですよ。
こういったbaroqueには、baroque特有の演奏のstyleがあるという事で、その時代の時代特有の演奏法(様式)を取り上げて、説明していくと、その時代の他の作曲家の作品も同じ水準(Niveau)迄、自分一人の力で持って行く事が出来るようになります。
こういったlessonの方法を芦塚先生はmaterialによる指導法と名付けて、個人のlessonやオケ練習等で子供達に説明をしています。
baroqueや、古典派の演奏法には、こういった特徴があり、こういった技術が必要なのだと、或いは、この作曲家はこういった作風でこういったstyleで演奏するのだ・・・と、いう風にです。
一つの曲を丁寧に、詳しく分析していくと、1曲を理解するのに、大変な時間と労力が掛かります。
しかし、それをmaterialとして捉えていくと、次の曲では、新しい曲(新曲)であったとしても、殆ど曲の練習の8合目辺り迄を生徒が自主的に練習が出来るようになります。
という事で、次のlessonは、いきなり8合目から、オケlessonを開始する事が出来、先生の負担も減って、lessonの時短に継っていきます。
これも芦塚メトードの基本的な考え方なのです。
(参考までに:文章系)
chaconneの奏法についてのお話(発表会のprogramからの抜粋)
Pachelbelのchaconne(発表会programからの抜粋) (・・・と余談pipeorganのお話)
generalbass、 basso continuo、 ornamentのお話
揺らしのお話Ⅱ Valse Menuet等の舞曲のtempo (baroque時代のdanceの当時のchoreographyを含む)
You Tubeにupされた芦塚音楽教室の生徒達による公開演奏風景よりchaconneとla foliaの(抜粋)
Vivaldi la folia triosonate
2006年9月23日東京都練馬区大泉学園ゆめりあホール
originalbaroqueとClassicconcert
教室の先生達の演奏です。
Fiori musicali baroque ensembleとしての演奏です。
大泉学園のゆめりあホールは、席数170席のこじんまりとしたホールで、音響もとても良いです。
音響がとても良い・・・というのは、色々と語弊があるので補足説明しておきます。
ホールには、残響と音飛びの音域の特性があります。良く見受けられるホールは、残響が少なめで中音域が良く響くホールですが、それは色々なeventの会場として作られているホールの特徴です。
ゆめりあの場合には、残響が多く、客席数も少ないので(通常は小ホールで500名ぐらいなので)baroqueや室内楽には理想的なホールと言えますが、Pianoのコンサートには響きすぎて向きません。勿論、このホールもフルコンのsteinwayとヤマハのPianoを置いていますが、本来ならば、semiコンぐらいが妥当です。
何が何でも、最高のものを・・・と思うのは日本人の悪い癖で、ホールの大きさや響きによって楽器も変えるのが本当の考え方です。フルコンが高いから、セミコンがあるわけではないのだけどね~ぇ??
分かんないかな??
分かんないだろうな~ぁ!!
Corelli=Geminiani la folia
2011年5月9日八千代市生涯学習プラザ主催スプリング・コンサート
清水梨衣14歳
八千代の第一回目の演奏会に、このCorelli=Geminianiのla foliaを演奏しました。
なかなかの好評でした。
というか、OB,OGと教室の生徒達の比率は、半々ぐらいで、オケ・バックを先輩諸氏に助けて貰った感がありますがね。
Corelli=Geminianiの演奏も、教室では、これまでも、たくさんのお友達が演奏しているのですが、記録が見つからなかったり、βやVHSのtapeが劣化して、再生出来ても、視聴に堪えられなかったりで、You
Tube等にupする事が出来ません。
下の演奏は、大元のmaster・tapeがS-VHSで残っていたので、辛うじて、tapeを再生する事が出来ました。
Corelli=Geminiani la folia
1996年3月10日浦安市文化会館小ホールにて武藤朋弥(小6)の演奏です。
tempoが、通常の芦塚先生の解釈からすると、非常に遅めなのですが、朋弥ちゃんの「tempoが遅くて大変だった!」という感想とは違っていて、朋弥ちゃん自身のimageのtempoで、芦塚先生も朋弥ちゃんのtempoが「遅い!遅い!」と、ブーブーと文句を言っていました?
それなのに、早くはならないのよね??
どうして???
不思議!不思議!
Vitali chaconne g
2011年10月30日八千代市生涯学習プラザ主催オータム・コンサートにて
清水梨衣、14歳
Marin Marais=Ashizukaversion la folia
2013年6月30日八千代市生涯学習プラザ主催 earlysummerconcertにて
清水千聖 13歳 cellosolo
4,3の分数のcelloで、芦塚先生のorchestraのarrangeの音量に対抗するのはかなり難しいかもしれませんが、頑張りました。
Vitali chaconne g
1992年2月16日浦安市文化会館にて 廣川智11歳
Vitali chaconne g
1995年9月10日千葉市教育会館にて 武藤朋弥(小6)、保護者の方からのVHSのtapeからのダビングです。
Vitali chaconne g
1998年2月15日浦安市文化会館にて、風戸星那13歳
この曲の動画には最初の2分10秒間の音声が入っていないので、これまではYou Tubeには、upする事が出来ませんでした。今回は、芦塚先生が、別の音源からアフレコして補正をしていますが、初めての試みなので、「ソフトの使い方を覚えるのが、とても、難しかった!」とこぼしていました。相変わらず、PAの用語がコンピューターの用語で、音楽用語でも、現場のPA用語でもなく、結構、finaleと一緒で、パソコン専用の用語なので、その意味を調べながらの作業になりましたので、二重手間、三十手間なので・・・。
purcellのchaconne、Cとgの演奏です。
purcell chaconne C originalversion
2012年4月1日千葉地区発表会千葉市文化センター・アート・ホール
purcell chaconne g originalversion
2012年4月1日千葉地区発表会千葉市文化センター・アート・ホール
purcell chaconne g Ashizukaversion
2012年6月24日八千代市生涯学習プラザ主催Early Summer Concert
purcell chaconne C Ashizukaversion
2012年6月24日八千代市生涯学習プラザ主催Early Summer Concert
Pachelbel chaconne Mueller-Hartmannのversion
2012年11月23日八千代市生涯学習プラザ主催Autummconcert
Pachelbel chaconne Ashizukaversion
2013年12月22日千葉市花園自治会館クリスマス会
Greensleevesはイングランド民謡と言われているわけなので、la foliaとは関係がないように、思われるかもしれない。
イングランドでは、chaconneや foliaのように、bassに定旋律(cantus firmusカントゥス・フィルムス 略してc.f)を持った音楽の事をgroundといいます。
chaconneや folia、或いはcanonも 、groundの一種になるのです。
という事で、前回、八千代で演奏したGreensleevesを、新しく芦塚先生がground「Greensleevesによるground」に改編しました。
という事で、2013年6月30日の八千代市の生涯学習センターのコンサートで公開演奏されました。その光景です。
また、今回演奏を予定していたMarin Marais=Paul Bazelaireのla foliaも(Marin MaraisのSecond
Livre de Viole 1701ヴィオールのための第二組曲をパリ・コンセールバトワールの教授であるPaul Bazelaire先生がorchestraに編作曲した曲ですが、オーケストレーションがあまりにも軽妙洒脱なために、ちょっと子供達の演奏では無理なので、私が更に改訂をして、おしゃれなフランス風ではなく
、重厚な感じにアレンジと曲を追加しました。
Paul Bazelaire先生の曲とは、似ても似つかわない作品になってしまいましたが、原曲は結構、深刻な重たい曲なので、私のアレンジの方がbaroque時代特有のMarin Maraisの原曲のスタイルには近いと思っています。
この曲も上記と同じ2013年6月30日八千代市の生涯学習センターのコンサートで公開演奏されました。
以下は、その公開演奏の風景です。
Marin Marais la folia Ashizukaversion
チェロ・ソロ 清水千聖(13歳)
それはそうと教室を開設するか否かで、悩んでいた頃、・・・・若しくは教室を開設するための準備をしていた頃で、未だ大学で教鞭を取っていた頃の生徒のVitaliのchaconneの演奏です。
所謂、教室創設時以前の生徒達です。
1982年4月18日東京都豊島区南大塚ホール、での発表会です。
violinは奥村朋子(小2)7歳、Piano伴奏は工藤広子(中1)12歳です。
βからのダビングです。
音声、解像度極めて悪いので悪しからず