facsimile資料提供:武蔵野音楽大学音楽図書館
auftaktのappoggiatura(長前打音)は、非和声音を表す装飾音なので、16分音符になります。
auftaktなので、当然際立たせて弾きたいですよね。それなら、leggiero奏法になります。
譜例:春秋社版です。
次の譜例はHenle版の原典版です。
上のfacsimile版と比べても、色々な箇所が違います。
slurに付いてのみのお話でも、右手1小節目の3、4拍目はslurはfacsimile版にはありません。同様に、2小節目の3、4拍目のslurもありません。4小節目の2,3拍目はslurはあるのですが、今度は5小節目の左手にはslurは付いていません。この楽譜上にはでてきませんが、7小節目の左手も同様にslurが掛かってないのです。
でも、このslurの掛け方には、共通のpatternがあるとは思いませんか??
原典版の基本は、もし、作曲家が間違えていたとしても、その間違いを記譜すべきではないのでしょうかね。
そこに主観が入ってしまっては、天下のHenle版と言えども、原典版と呼ぶ事は出来ません。
出版されている楽譜なんて、Henle版をしても、その程度なのですよ。
こんな有名な曲の冒頭の5,6小節をとっても、この程度なのですよ。
上の写真は画面が小さくて見にくいですが、パソコンで拡大をするとハッキリとMozartの筆跡を見て取れる事が出来ます。