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88小節目のoctaveの分散音になってから、初心者の場合には、拍を見失ってしまいます。
左手の装飾音を入れるために、どうしても右手のtimingがズレてしまうのです。
殆どの初心者が上の譜例のように、timingをずらして弾いてしまいます。
前の小節の最後の16分音符に、32分音符の3連音を合わせれば良いのですが、頭では和音の響きが狂ってしまうので、それは逆に難しいようです。
この場合には、古典的に小節の拍頭に合わせて弾く方が簡単です。
譜例:17

装飾音と実音の絡め合わせが聞き取りやすいようにMetronom=50で演奏しています。




老婆心ついでに
この曲は行進曲なので、元気よく力強く弾かせている先生が多くて、辟易させられる。
Mozartが指定したのかは、facsimile版を見たわけではないので、定かではないが、弾き始めのpassageのdynamikmの基本はPianoである。
私の場合には、5小節目のschleiferもPのままに演奏させる。
forteらしいforteのpassageは25小節目のauftaktから32小節目までの、 alla Turca の部分であり、それまでは、基本的に、leggieroのfingerstaccatoのMozarttouchで、軽やかに優美に奏するのが妥当である。
leggieroのtouchは、Mozart奏法とも言われる事があります。
古典派の時代は、未だdouble actionのPianoが出来てないので、single actionのforte-pianoで演奏されていました。
ロマン派の巨匠でPianoの詩人と呼ばれるPianoの名手であったChopinも、生涯single actionのPleyelのPianoを愛用していた事が知られていますし、一見するとdouble actionの名手と思われがちなBeethovenも、1803年にエラール制作のイギリス式アクションの鍵盤を試演した時には、その鍵盤の重さに辟易して、「このようなPianoで演奏しなければならないとするのならば、二度とPianoの曲は作曲したくない。」と、不平を言うほどでした。

イギリス式のactionは、それまでのforte-pianoと比較して、重厚な和音の響き、音量的には優れていて、イギリスのような大ホールを想定した演奏会には適していますが、しかし、鍵盤の重さや微妙な表現力の不足は、当時の殆どの作曲家達の非難の的でした。

forte-pianoは指先のチョッとした力でもvividに音に表れてしまいますので、完全な脱力をした指先のspeedが必要で、演奏には細心の注意が必要でした。

詳しくは下のurlをクリックしてください。
forte-pianoのお話






ほんじゃあ、またね??