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当時は、「本ワサ」なんて、超高級品は、寿司屋はおろか、当然、一般の人達の手には入らなかったからね。
有名デパートですら、当時は本山葵は置いてはなかったからね。
山葵と言っても、山葵、それ自体を見たこともなかったのだよ。
山葵と言ったら、粉山葵(缶入の)しか、なかったのだよ。

それが今じゃあ、本山葵でも、小さなものでは、350円とか、500円とかの超安値で、江古田の近所のスーパーで売っているもんね。
昔は、小さな山葵1本で5000円もしたのだから・・・。

・・・時代だね。

粉わさびは、香りが抜けやすいので、練り上げたら、おチョコを逆さまにして、香りや刺激が抜けるのを防いでいた。
また、超、ピリ辛の刺激が欲しい時には、水ではなく、お湯で錬ると、結構、飛び上がる程の辛さになる。



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再び蕎麦屋のお話

私は子供の頃から、蕎麦と鰻が大好きで、音楽大学時代から、全国を仕事で回る度に、その土地の一番美味いと言われる蕎麦屋とうなぎ屋を、土地の人に聞いて、食べ歩きをしました。

「土地の人に聞いて・・」というのは、その頃は、未だ、食べ物のガイドブックもなかったからです。

それに、ガイドブックに書いてあるお店が必ずしも、美味しいとは限らないからです。
でも、土地の人なら、その土地の老舗や美味しい店は当然詳しいので・・・

しかし、蕎麦屋にしても、うなぎ屋にしても、全国の有名店を回っても、なかなか、自分の好みの味には出会わないのだ。

結構、今でも名店と呼ばれて、マンガ等に登場している老舗のお店も、何度か訪れて味見をしてみたのだが、
「う〜〜ん??!!」 今一、という感じだなや!!

今日は、「火事で全焼してしまった神田藪蕎麦がお店を再開した」というnewsが、テレビで何度も特集されている。
一、二回は、食べに先生達と一緒に、食べに行った事があるのだが、神田の藪も、私の好みの味ではなかったな!!??

今は無き、豊玉の田中屋も、当時の事務所や自宅から近かったのでよく行ったのだが、オジイさんが二人で店に出ている時は、流石に美味かったのだけど、見かけない時には、然程でもなかったな??

今のお気に入りの蕎麦屋は、JR検見川の「サイトウ」さんかな?
今は私は、挽きぐるみと更科の合い盛を、気に入ってよく注文している。
普段は変わり蕎麦は注文しないのだが、「サイトウ」さんの変わり蕎麦は、希ではあるけれども、時々頼む事がある。
日曜日のオケ練習の時に、花園教室で練習をする時に、12時から、2時迄の間に、inをする時に、全体合奏等で私が教室に入る余地がない時に、時間潰しがてらに、時々行くのだが、昔と違って、名前が売れて来て、表で座って待っているような感じになってしまったので、なかなか行けなくなってしまった。
普通の蕎麦屋同様に、3時にはお店が閉まってしまうし、5時、6時過ぎには、蕎麦屋には、行く時間がないので、なかなかtimingが合わないのだよ。

全国的に言っても、蕎麦が美味しい所は、結構、お汁がイマイチだし、お汁がグンバツなお店は、蕎麦がイマイチだったりする。

という事で、蕎麦好きの私としては、蕎麦屋にランクを付けて、本当に美味しくて、人にお奨め出来る店をSランクで、まあまあ美味しい店をAランクという風に、AからCランク迄、ランク付けをしている。
お店がとても綺麗で、職人もかなり、proの蕎麦打ち職人のように、ぶっている有名店のお店でも、Bランク、Cランクの店は結構ある。私はそういった人の評価は参考にはしないからである。

という事で、私的には、東京周辺で、名店として知られている蕎麦屋も、Bランク、Cランクにしか過ぎない。
江古田の駅周辺の蕎麦屋は、その殆どが機械打ちの蕎麦である。

手打ちの蕎麦屋はお店の看板に「手打ち」と書いてあるのだが、「手打ち」だからといって、美味いわけでもない。

だって、私の子供の頃は、田舎の蕎麦屋は、総て手打ちだったのだよ。
当たり前の話だろう??

麺打ち機械なんて、そんな高価なものを置いてある店は殆どなかったのだよ。
郷里の諫早市の城下町の古い蕎麦屋に、初めて、蕎麦打ちの機械が入った時、皆は「凄い!機械で打った蕎麦が食べられるのだって!!」と驚いて、食べに行ったものだ。

機械打ちの蕎麦の方が、手打ちの蕎麦よりも、遥かに高かったのだよ。
そりゃあ、当たり前だろう??
手打ちは、職人の手間賃以上は掛からないのだが、機械はそれを購入して設置するのに、莫大なお金が掛かっているからだよ。
勿論、当時は、乾麺も売られてはいなかったしね。


蕎麦は、10月頃から、新蕎麦が出始めるので、7月、8月はちょうど端境期となって、蕎麦の一番、不味い季節となる。
もう一つの理由は、夏になって、水道の水の温度が高くなるので、最後に氷水で締めるだけでは、蕎麦が締まらないのだよ。

その点、井戸水を使っているお店は、水の温度は安定はしているのかもしれないが、所詮は井戸の水の温度は高すぎるので、蕎麦を締めるのには無理である。

端境期に関しては、日本とは逆の気候になる、Austriaの高地で、日本から持ち込んだ蕎麦を、日本と全く同じ育て方で育てて、日本に輸出するという日本人の人がいて、蕎麦の品質もかなり秀逸なものだというドキュメンタリーを見た。
それなら、端境期はなくなるのだが、江古田ハイツのソバの結構、ぶった蕎麦屋で、偶然、店主と端境期の話が出たので、その話をしたら、何と凝った蕎麦屋を自称していたのに、その事を、知らなかったね。

巷の蕎麦屋なんて、そんなもんだよ!!

私は月一に、通販の蕎麦を頼んでいる。(月末の木曜日に、定期的に送って来るのですよ。)
その店のおばあちゃんから、売り込みの電話が掛かってきて、妙に話が合ったので、試しに頼んでみてから、もう、10年以上にはなるのかな?

はっきり言って、名店の老舗の蕎麦よりも、その通販の蕎麦の方が、数倍美味しい。
困ったものだ!!

ただ、問題点は、生蕎麦なので、冷蔵庫の中でも、日持ちがしないのですよ。

その日の内か、せいぜい次の日までに、食べてしまわないと、一瞬で腐ってしまう・・・、だから、直ぐに食べれない場合には、来たその日の内に冷凍しなければならないのだが、やはり、一度冷凍してしまうと、風味や蕎麦の腰が落ちてしまうのだよ。
乾麺ではないので、仕方がないのだがね。

この蕎麦が届いた時には、薬味のワサビは、当然、本山葵を鮫肌で擦りながら、その香りを楽しむ。
荒く擦ると、香りが立つのだが、辛味を強くしたい時には、鮫肌に力を加えないで摩って、更に、その摩ったワサビを更にもう一度、二度と磨り直すのだよ。そうすると、飛び上がる程辛くなる。

糸のように細いネギは欠かせない。
京ネギ、小ネギ、アサツキ、九条ネギ諸々である。
関東の太ネギや深谷ネギは、どんなに細く切ってもタブーである。ネギの味が大味なのだよ。
蕎麦の香りが負けてしまうのだよ。
東長崎近所の蕎麦屋は、どこでも、ネギをスライスして出す。しかし、これはネギの味が強すぎるし、辛いし、兎に角上品ではない。ザル蕎麦にうずらの卵を添える店もあるが、私は断る事にしている。
蕎麦が生腐くなって、折角の風味が死んでしまうからだ。
でも、子供の頃は、平気で食べていたのだけどね。
歳をとったのかな??そう言った雑味が苦手になってしまった。

上の写真の中の、一番左のすりかけの大根は、辛味大根なのだよ。


辛味大根は、あおくび大根にすっかり押されて、日本の通常の大根はもう、絶滅状態で、練馬大根は元より、辛味大根に至っては、昔はそういった大根があった事すら忘れられていたのだが、今は、長野を始めとして、色々な個人の農家で再び作られるようになった。
という事で、江古田のスーパーでも、極稀に、辛味大根が手に入るようになって来たのだよ。
勿論、常時置いてあるわけではなく、年に何日かだけ、ではあるけれども・・・。

辛味大根の場合には、鬼おろしで摩っては絶対にいけない。
目が荒すぎて、辛さが出ないからだよ。
勿論、鮫肌もキメが細か過ぎて、辛さが出なくなって、これも良くない。

その中間の粗さの通常の卸金が一番良い。

金に触れると良くないので、セラミックのおろし器が、酸化しなくて、一番良い。
擦ったら、そのまましばらく(約、10分から15分程)放置する。

辛味大根も擦った直ぐには、辛くもない、タダの普通の大根でしかない。
しばらく、放置しておくと、タダの大根が、空気に触れて、段々辛くなって来て、ピリ辛の辛味大根になる。

だからと言っても、勿論、放置しすぎると、これまた良くない。
当たり前の事だけどね。



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岩塩用のおろし器
ハイツの自宅には、結構、砂糖と塩だけは、色々な種類の砂糖と塩が大量に置いてある。
しかし、私が料理をする場合には、全く、塩も砂糖も使わないので、塩や砂糖のcollectionは、単に趣味で集めているだけに過ぎない。

という事で、岩塩だけでも数十種類の岩塩が、食材を入れる引き出しに仕舞われている。


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