大根等をおろす場合にも、グラインダーの爪(目)が細かいので、あまり美味しくはおろせない。
大根を、さんまやアジの付け合せにおろす場合には、やはり鬼おろしぐらいの雑さが欠かせない。
ましてや、山芋の場合には、素材の繊維を回転するグラインダーが切断してしまうので、山芋が完全にネバを引かなくなって、基本的に無理であるし、大根おろしでも、鬼おろしではないとしても、目の荒いすり器で、手で摩ったものには、叶わない。
この手の調理器具は、おろし器としては全く期待出来ない。
調理には早いけれど、味的には最悪である。
それでも、買っている私であった。
一昔前に、自動餅つき機が売り出されて、買った人も多かったのだが、餅なのに、ネバを引かないし、餅をお雑煮に入れたら、完全に溶けてなくなってしまった。
それではお雑煮にはならない。
それと同じで、これで山芋を擦ると、全く粘りけのない不思議なトロロが出来上がる。
困ったものだ。
今年は、2015年である。
このおろし金の話を書いた頃から、もう10年が経ってしまっている。
やはり、人間の進歩とは凄いもので、今の全自動餅つき機は、普通に美味しい餅が出来るし、そのお餅をお雑煮に入れても、しっかりとしていて、餅が溶ける事はない。
人間の進歩も見捨てたものではない。
流石に、山芋を卸すのは無理だろうと思っていたら、ちゃんと、改良型のおろし器が出来た。
それは、今年、・・所謂、2015年の事ではなくて、昔々のの最初のおろし器を買ったすぐ後の、2000年頃のお話なのだがね。
古い機種を処分して、早速、新機種を取り寄せた、という事で、この機種はその改良型である。
人間がおろし器で食材をおろすその動作をそのまま真似をしているだけなので、大根おろしもまともだし、トロロもチャンとネバを引く。
それなのに何となく使いづらいのだよね。
歯は千切りや、微塵切り等色々な用途の歯が付いているのだが、肝心要のおろし金が一種類しかないのだよ。
私的には、この機種はおろし器専用にして、色々なおろし金の種類を付けた方が良かったのかな??と、思っている。
「このおろし器の以前の型番の最大の欠点は、おろす山芋や大根をその入れ口に合わせてカットしなければならない・・・という事だったのだが、それが結構一手間で面倒くさい。また、カットした食材が、小さいので、頻繁に補充をする、という作業をしなければならないので、私の時短の原則である、道具に任せて、他の調理をするという事に繋がらないのだよ。」
この問題は、写真の改良型の新しい機種では、改良されていて、 写真を見ても分かるように、直径が丸い円筒に入る大きさなら、長さは問わないからである。
ちなみに、計ってみたら、内径は8センチある。
8センチもあれば、通常の長芋の直径ならば、そのまま入るので、押し込み棒を使わないで、そのまま1本全部を一度に押し込む事も出来る。
大量に擦るには、申し分ない。
それも一瞬で出来るのだから、便利である。(但し、下の受け皿は、この1本の量は入らないので、大きな器に移す必要はある。)
こういった道具を使う時には、道具に仕事を任せて、調理する人が、同時に他の作業が出来れば良いのだが、擦る時に山芋を押さえていなければならない・・という、ひと手間を、すり器に任せる事が出来るのなら、もう少し便利なのかな??と思うのだが・・。
量が少ない場合には、確かに後のひと手間(道具を洗う手間が増える)という事のデメリットを考えると、今のままの卸金で充分だとも思えるのだよな。
寧ろ、道具を洗う一手間よりも、大きな問題は、日本の住宅では、家庭の厨房を作る時に、食器の仕舞い場所や道具類の仕舞い場所がないという問題なのだ。
これだけ、生活が電化して来ているのにも関わらず、相変わらず、そういった電化製品を置くだけのスペースを設計した住宅はない。
それどころか、趣味の小さな珈琲メーカーを置くスペースさえ、完備しているキッチンはないだろう。
日本家屋の特徴である、何もない部屋、少ない道具で、その分手間を掛けて・・というのも、日本流なのかもしれない。しかし、それが、生活を便利にするという事の弊害となっている。
掻き出しの木(竹)の刷毛
これは本当はスクレーパーという名前の道具なのらしい。
でも、100円ショップで私が買って来た道具なのだが、中々便利で重宝している。
100円ショップでも、名前が書いてない事の方が多い。
普通のおろし金についたトロロや陶器のおろし器についた山芋等を擦り落とすのに極めて重宝している。