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私のパイプ・オルガンは、いつも先生達が持ち運びをしている、ルーカス・モデルの一段2列のCembaloの本体の重さよりも、軽いと思うのですがね。移動用の袋に入れて、運ぶので、持ちやすいのですよ。・・・ね??!!
持ち手がない事は、私の致命的なアイディア不足でした。
だからといって、今更、改造は出来ないので、先生達にベルトの使い方をlectureして、ベルトを上手に使えるようになって貰いたいと思っています。
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最初からの私のきぼうだったのですが、実際には技術的な問題で、オルガンの制作で組み込まれなかったもう一つの課題があります。
鍵盤は4octave半で、最低音はCなのですが、basso continuoのオルガンとしては、下はAまでは欲しい所です。鍵盤を増やさなくても、縮小鍵盤でもいいので、Aまでのパイプは出来ないのか?と頼んで見たのですが、C以下になると、半音毎に、とてつもなくパイプが大きくなってしまうので、私の希望する重さや金額には、収まらなくなってしまうそうで、それは諦めざるを得ませんでした。
もっとも、上の追加するのは、なんの問題もなかったのですが、baroqueの通奏低音では、高音域はそんなに高いpitch迄は、使用しませんのでね。
縮小鍵盤とは、私が住んでいたFurstenburckのアザム教会のジルバーマン・オルガンでも使用されていましたが、足りない分の音を、使わない鍵盤のキーに代用させる事をいいます。私のパイプ・オルガンの場合には、一番低い鍵盤がCなので、滅多に使用しない、DisとCisに、HとAの音を割り当てるのです。
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古いbaroqueのパイプ・オルガンの場合には、音栓で縮小鍵盤を割り当てる事が出来るようになっています。
なぜならば、大型のパイプ・オルガンの場合には、ちゃんと調律をするためには、金づちでトンカチと、3ヶ月近く(以上)は掛かるからです。勿論、金額も天文学的なものです。
その点、教室のポジティーフは、上に被さっている帽子を上下させれば良いだけなので楽です。
いずれにしても、baroque音楽では、作曲者の意図で、最初からオルガンのための曲として作曲している場合と、orchestraや室内楽(triosonate)等の、basso
continuoの楽器として想定しているかの場合に、分かれてしまいます。
ただ、パイプ・オルガンや(ポジティーフ・オルガン)が演奏をする人達の身近にあるケースは殆どないので、殆どの演奏会では、オルガンのために書かれていた曲だとしても、Cembaloで代用して演奏するのが常です。
しかし、CDの録音に際しては、baroqueの専門の演奏団体は、通奏低音の楽器は、作曲者の意図通りに、厳密に楽器を替えて弾き分けて演奏しています。
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