前ページ



下の譜面は私のarrangeした同じpassageの楽譜です。
Pianoのpedalの響きを音符で表現してあります。
それぞれのpassageが、1声部ずつ独立して演奏するようになっています。

ちなみに、先程も同じ事を書きましたが、4小節目の6拍目のsoloviolinと1stviolin、それにKontrabassが、Fis⇒Eと平行8度の禁則を犯していますが、これはSeitzのoriginalの譜面の(原本による)unisonの動きですから、私の意図(miss!)ではないので悪しからず!!

大元のPianoの伴奏の譜面は、この3小節目から、1声部の書法になっています。
と言う事で、出版社のorchestraのpartも、薄く1声部をorchestraとして、重ねてあるだけです。

私の譜面では、かなり分厚く響きます。
しかし、orchestraの音を分厚くしてしまうと、MozartやBeethovenのconcertoを演奏する時のように、solisteの音量が必要になります。
つまり、solisteとしての、音量と(音に対する)演奏技術の水準(Niveau)が要求されてしまうのです。
それはconcertoというgenreでは、仕方のない絶対条件になります。

音大生のように、一般で音楽を学ぶ場合には、concertoやorchestraの中で、soloをする機会が与えられる事は(極々限られた超運の良い生徒を除いては・・・)殆ど皆無であります。
ましてや、子供の間からorchestraをbackにsoloを演奏するという事は、限られた人にだけ与えられた、極めて希な事でしょうね。

しかし、幾らPianoの伴奏でconcertoの練習を積み上げても、曲を完璧に弾きこなしても、自分がどれぐらいの音量で楽器を鳴らす事が出来ているのかは、分かりません。

他の人達の演奏する楽器との比較対照があって、始めて、自分の楽器の出す音量が意識出来るのです。

ましてや、orchestraの伴奏では、orchestra自体がpianissimoのpassageを演奏していたとしても、全体の音量的には結構分厚く響いているのです。

つまり、orchestraがpianissimoのpassageを演奏している時に、soloの人が自分の楽器でpianissimoのmelodieを演奏してしまっては、会場のお客様は、solisteの音を聞く事は出来ないでしょう。

solisteが自分の楽器の音量をpianissimoのままで、orchestraの分厚い伴奏の中から、自分の演奏する音のつぶつぶを、お客様に聴かせる(届ける)ように、演奏する事は非常に難しいのです。

次ページ