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       単純にSequenzさせた訂正譜

単純にSequenzさせただけの訂正譜の参考例








               Vivaldi celloconcerto d T楽章 39小節目から48小節目までの問題点

次の例は、1stの41小節目3拍目のaの音と、2ndの42小節目3拍目のa音である。
勿論、正しくは1stの41小節目3拍目のaの音はg、2ndの42小節目3拍目のa音はfの音である。
これは単なるミスプリと考えられるので、取り立てて問題はないのだが、この曲の本当の問題点は、出版されているCembalopartである。悲惨な間違いを犯したままの出版である。

このbasso continuoのpartは、大きな二つのSequenzで構成されているのだが、その事に校訂者は気づいていない。
この曲が出版されたbaroque音楽復興の黎明期に犯された、初歩的な誤りである。

Vivaldi風に演奏するとすれば、Cembaloのpartは次のようなSequenzの進行となる。⇒scoreは原譜ではなく、私(芦塚陽二)の手による訂正譜である。

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