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ornament Miki Hagimoto

Vivaldiのa mollの教室での位置付けは、子供達が初めてthird positionを学んで、Vivaldiが弾けるようになった段階で勉強する課題である。

少子化の影響を受けない、未だ日本に人口が増えていた時代には、AshizukaKnabenKammerstreiche(芦塚児童室内弦楽オーケストラ)という名前の如く、児童・・・、所謂、小学生迄の子供達のorchestraで、Vivaldiを演奏をしていた。

その場合には、当然、CembaloのpartもPianoの初心者の子供が弾く分けなので、octaveや複雑な和音進行は無理である。

soloをするヴァイオリンの子供が小学生の低学年であるなら、Cembaloもその学年に合わせなければならない。

勿論、出版されている楽譜は、子供が演奏する事を想定してはいないし、大人であるとしても、amateurのピアニストを対象にしている分けでもない。

あくまでも、音楽大学出身者以上の技術を持つ人達を対象にして書かれているのだ。

そういった意味でも、baroqueの通奏低音を演奏する事は難しい。

・・・・・という事で、教室で、Vivaldiのconcertoを、子供の教育教材として使用するためには、basso continuoのCembaloのpartも、子供の手の大きさや、難易度を考えて作り直さなければならない、という難しい課題をこなさなければならない。

という事で、orchestraのpart譜として、あらかじめ出版されているCembaloの譜面の他に、通常のCembalo譜(通常のCembalo譜も子供達が演奏出来るようにoctaveは使用していない) と、子供達を対象にした、初級versionのCembaloの通奏低音譜を作成した。

通常のCembalo譜という事は、上記に説明したように、出版されているCembalo譜は、orchestraの演奏譜としては、お粗末で演奏するに値しないからであり、その手直し・・というよりも、最初からbasso continuo上に新しく右手のpartを作っている。

それとは、別に、子供達が始めてCembaloのpartで、orchestraに参加する子供の為には、basso continuoの右手のpartは、(このa mollの場合には・・) T楽章は2声で、V楽章はtempoが早いので、指が間に合うように、1声で書いている。

実際上は、basso continuoの和音を演奏する上では、作曲家やCemballst にとっては、ある程度は、和音が厚い方が、演奏する側にとっては楽である。


それは何故かというと、1声や2声でCembaloの右手のpart曲を書く場合には、極力注意しないと、violinsoloのmelodieと、Cembaloの右手の音が被ってしまって、unisonになったり、violinのpartとCembaloの右手の進行が、5度の平進行をしたりして、全体を聞いていると、音痩せという現象を起こしてしまうからである。

殆どの出版されている通奏低音の楽譜は、和音が分厚いので、その音痩せを気にしないでも良いように書かれているのだが、1声や2声の場合には、その逃げが出来ないので、音痩せを書いた場合には、モロに分かってしまう。


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