不思議な事に、私達はPianoで演奏するドミソの和音を聞いて「美しい」と感じます。
しかし、(オケ教室のharmonytrainerで)、純正のハ調を設定して、それからドレミの音をしばらく聞いて、それからもう一度、Pianoのドレミの音を聞くと、ビックリしてしまいます。
「なんと、汚い響きを、美しいと勘違いしていたのだろう??」!!・・って!
音に慣れる・・という事は、そういう事なのです。
(Bruegelの絵です。)
baroqueviolinには、力木というviolinの楽器の胴体を弦の張力から守るための、補強用の木材は入っていません。
非常に繊細で華奢なのです。
勿論、弓もそれに対応するために、非常にしなやかで、吸い付きの良い、繊細な弓でした。
baroquebowは、恐ろしい程、細く弱々しいのです。
baroqueviolinの演奏家の人が、恐る恐るbowを持っているのは、あながち、performanceだけではないのです。本当に折れやすいのですよ。
上のbaroquebowは、古い時代の標準的なbaroquebowです。
下のbowは、殆どの日本人のbaroqueviolinの奏者が演奏する、所謂、Tartini・bowと呼ばれるbaroquebowなのですが、毛を張るためのアジャスタがついていて、弓の全長も殆ど現代のmodernのbowと変わらない、一応は、それでも一応はbaroquebowです。
日本人の3点支持では、古い弓は演奏出来ません。
という事で、くどいようですが、日本人の持っているbaroquebowは、殆どの人が、その「Tartini・bow」で、演奏しています。
中には、古いタイプのbaroquebowを知らない人もいたりします。
しかし、現代のbaroqueviolinの奏者は、baroqueviolinに対して、gambabowのように太く、大きな弓で、力任せにギャンギャンと凄いスピードで弾き捲っています。
それじゃあ、baroqueとは言えないでしょうが・・・???
どこがbaroqueだ????
本人達は、すこぶる真面目に、「これがbaroqueだ!」と言っているようですが、それは、弦が現代のガット弦だから演奏出来るのですよ。
本当の、当時のgut string(ガット弦)ならば、そんな演奏をしようものなら、一瞬で切れてしまって、1音符も演奏出来ないでしょうよ!!
正しいbaroqueの演奏は、先ず、時代考証からやって欲しいものです。
浅はかな、本だけの知識ではなく、実際の素材の知識があれば、そんな馬鹿げた演奏はしなくなるのですがね。
まあ、世界の主流がそんなものなら、音楽大学の知識が超ヘボいのも頷けるのですよね。
また、そういうeccentricなbaroqueの演奏が、世界では、結構受けて、流行って、それがbaroque奏法の主流になってさえいます。
右側の写真の演奏者は、そのeccentricな奏法の代表でもあるStefano Montanari という、baroqueviolinの奏者です。
力強く、レコードの回転数を間違えたのではないか??と思う程、兎に角、早い!!
これこそはeccentricな演奏の代表で、今日のbaroqueの演奏のstyleを作ったのは彼である・・と言っても過言ではないでしょう??
しかし、この演奏は、baroque音楽の黎明期である、きょうびのあだ花に過ぎません。後、30年もすれば、人々の耳からは、すっかりと忘れ去られてしまうと思います。
私はこういった演奏も嫌いではありませんがね。