Wikipediaより抜粋:
通奏低音の歴史を考えるには、そういった当時の時代背景を考えなければなりません。
物が豊かになって、何でも買えるようになったのは、こんにちでも一部の文明地域の特権なのです。
小学校に行く事が夢である子供達も世界には無数にいるのが現状なのです。
こんにちの楽器の値段や普及の状態で、baroque時代や古典派の時代を推し量る事は絶対にやっては行けないのです。
鍵盤楽器の演奏を聞きたければ、baroque時代でも、どんな小さな村でも、教会には、pipeorganがありました。
それに、pipeorganの伴奏ならば、basso continuoのcelloさえも、もう必要ではなくなってしまいますよネ。
Organとsoloの楽器だけで、村の人達に演奏を聴かせるには充分だったのですよ。
baroque時代には、一般の家庭には、鍵盤楽器は、基本無かったのですから、・・・だから、Cembaloの右手のpartを作曲家がわざわざ、書き表す事は、あまり、意味のある(ニーズのある)事ではなかったのですよ。
通奏低音の歴史では、そこの所を、ちゃんと理解しておかなければなりません。
Laute等の異種楽器の場合には、Cembaloの右手が書いてあると、逆に弾けなくなってしまう人達も多数います。
ジャズのPianoの奏者の人達がPianoの楽譜を読めない人が多いのも同じです。
ジャズの場合には、ジャズchordで演奏するのでしょう??
だから、Lauteの人達も、数字の方が演奏し易いのです。
色々な異種楽器の人達が、共通の原語を持つ事、・・・それが数字付きの低音だったのです。
勿論、伴奏のpartだけのお話ではありません。
数字付き低音の説明
ジャズのchordでは、上記の楽譜の最初の和音はE(Eメージャー)ではなく、Em(Eマイナー)になります。
通奏低音の場合には、総ての和音番号は、その調性に準じるので、メイジャーやマイナーの区別は必要ありません。
Tの和音ならば、敢えて、それを書かなくても、Eのマイナーchordで演奏します。
楽典も色々な流派があって、和音番号の大文字は長三和音で、小文字ならば短三和音を意味する流派もあります。
私が生徒に和声学を指導する時には、私が音楽大学時代に師事していたPringsheim先生のHarmonyのメトードを使用して、指導しますが、Pringsheim先生のメトードの良い所は、baroque時代の
bezifferten Bas(数字付き低音)の和声法は、そのまま、Pringsheim先生の和声法を少し、簡略化すれば、そのまま、baroque時代の古典Harmonyとして使用する事が出来ます。
一般に教科書の和声学は、禁則が厳しく、現実の作曲では、その禁則を少し緩めたもので充分だからなのです。
学生dominanteの時に、頑張って勉強したPringsheimの和声学のmethodeを、少し簡略化すれば良いだけなのですから、簡単です。フランスのメトードでは、そうは行きません。
フランス・近代の作曲が分析出来るような特殊な和声学だから、baroqueの通奏低音には応用が出来ないからです。。
殆どの場合には、作曲家は演奏家を兼ねていたので、soloの部分を楽譜に書く事はありませんでした。
勿論、本当の所の理由は、何度も書いているように、面倒くさかったに過ぎませんが、大義名分的には、自分の即興を、書いてしまうと、その作曲家の持っているTechnik、所謂、技術を盗まれてしまうからでしょうね??
Paganiniだって、それを極端に恐れて、楽譜に残した曲は、極めて少ないのですからね。
演奏家を兼ねている、作曲家にとってはsoloの部分は、basso continuo上の、自分が演奏するsoloのpartを思い出すだけのsuggest・・だけでよかったのですよ。
だから、basso continuoのcelloのpartを、横から覗き込みながら、数字に書かれた和音上で、即興をします。
基本は、気に入ったmelodieを思いつくと、そのmelodieをSequenz(ゼクエンツ=英語ではシーケンスと読みます。同じ形を繰り返す事を指します。「今日は良い天気だ」が一つづつ音階を下りながら繰り返されるのを言います。最初の始まりの音がソだとすると、二回目はファで、三回目はミが開始音になる・・・てな具合に、)演奏をして行きます。
即興では、同じ音型を順番にズラしながら演奏するのは、すこぶるイージーな方法です。
それに準じるぐらいに、アンチョコな方法の一つに、五度圏の奏法があります。
五度圏の奏法には、その調の中での五度圏と、クロマティック(半音階的な五度圏)があって、それ等は、即興のアンチョコ奏法として、よくVivaldiやLocatelli
等も使用しています。
と言うか、殆ど、五度圏じゃあ、ない??
五度圏の事を、quint-Zyklus(クイント・チクルス)と言います。
私が、五度圏の説明をする時には、私はよく時計の文字盤を指指して説明しています。
もう少し、分かりやすくするために、子供達と五度圏の時計を作りました。
100円ショップで買って来た、子供の時計の文字盤にシールとテプラで、時間を、調に直します。
12時はハ調です。(ハ長調、若しくはハ短調)1時はト調(ト長調若しくはト短調)、同様に、11時はヘ調(ヘ長調、若しくはヘ短調)です。
五度圏時計では、長調か短調か?の指定はありません。
主音が同じなら、長調か短調かはどちらでも構わないからです。
所謂、同主調なので、主音、属音、下属音は、同じ基音になるので、長短、どちらでも構わないからです。
余談ですが、一番遠い調をTritonus(トリトノス)と言い、悪魔の音程と呼ばれる事があるそうです。
12時がハ長調だとすると、真反対の6時が、ハ音から、増4度の音で、ファ#の音になります。
Bartokの「弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽」という名曲があります。
その1楽章は、violaの静かなAの音から始まります。
弱音器つきのヴィオラの半音階的な主題から始まる。続いて5、13、27小節目に完全5度ずつ上で主題が登場する。また、8、16小節目に完全5度下(変則的なのはここで、通常のフーガならまず主調の完全4度下である)に主題が登場し、弦楽器群は次第に音域を扇のように広げていく。34小節目にティンパニが登場。55から56小節目に基音から一番遠い関係(増四度)になる変ホ音のクライマクス。88小節で開始と同じイ音で静かに閉じる。以上に登場する8、13、21、34、55といった数字はフィボナッチ数列に現れる。
以上、Wikipediaより抜粋引用: