世界で一番短いsonateと言われているClmentiのsonatineの構造分析です。
僅か、38小節しかないのに、sonateとしての要素を全て備えています。
Op.36のNr.1では、sonate形式の構造分析のお話をしました。
という事で、Op.36Nr.6では、古典派の時代のforte-pianoの奏法について、themaを絞り込んでお話を進めて行く事にしましょう。
Clementiの時代、つまり、古典派の前期から中期に掛けては、未だ、orchestraやviolin等の楽器とCembaloやforte-pianoの楽器の違いはあまりありませんでした。つまり、Pianoの奏法に弦楽器独特の奏法やorchestraの奏法が取り込まれていました。
sonatineの演奏で一番大切な要素は、そういった弦楽器の特有の奏法をPianoの奏法としてarticulationとして演奏する事だったのです。
また、当時のforte-piano（と言うか、ロマン派に入ってもChopinはPleyelのforte-pianoを愛用していました。）は、とても繊細なvividなtouchを要求される、single actionのPianoでしたし、また、優雅な貴族社会には、そういった優美な音が好まれたのです。
Jorg Demusや、Christoph Eschenbachを含めて、残念ながら、当時のforte-pianoの音には、程遠いようです。
その一番の原因は、今のPianoを学ぶ子供達が幼い時から、double actionの重いtouchのPianoで練習するからです。
それは、3点支持のviolinやcelloのlessonも同じです。
現代の人達はそういった音に慣れ親しんで、baroqueやrococo、或いは、古典派の音は物足りないのです。
所謂、Pianoの神様と呼ばれる人達の演奏もあります。
Arturo Benedetti Michelangeli plays Muzio Clementi Sonata in B flat Op. 12 No. 1
或いは、Clementi - Piano sonata op.34 n°2 - Horowitz
Clementi - Piano sonata op.14 n°3 - Horowitz
Emil Gilels plays Muzio Clementi Sonata C major Op. 34 No. 1
しかしながら、残念ながら天下の名pianistと言えども、・・・或いは、如何に時代に先行していたとしても、forte-pianoのperiod奏法は、未だ知らない時代の演奏です。
だから、あくまで、現代のPianoで解釈し、現代の奏法で演奏した録音なのです。
もう一つ残念な事に、forte-pianoのperiod奏法をするpianist達の演奏は、歴史的な名pianistの演奏と比べると余りにもお粗末です。period奏法は良いのにね〜ェ？？
帯び襷なのですよね〜ェ？？？
という事で、お勧めの演奏はありません。
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